コロナ禍でテレワーク・在宅勤務が急速に広まりました。しかしながら、テレワークではコミュニケーション不足になるなどのデメリットも指摘されています。業務上の情報共有はチャットツールで十分できても、その人の体調や様子などはオンラインでは伝わりにくいところがあります。そこで、テレワークが浸透していくなかでのオフィスのあり方を今一度考えてみましょう。
テレワークでのデメリット
テレワークで感じた課題として上位に挙げられるのは、「できる業務が限られている」「従業員同士の間でコミュニケーションが取りづらい」「紙の書類・資料が電子化されていない」などです。
ペーパーレス化については徐々に進めていけばいずれ解決しますが、オフィスに行かないとできない業務がある限り、完全にオフィスを閉めることはできません。
また、コミュニケーションの問題はチャットツール、Web会議ツールで解決できることも多いものの、オンラインだけでは従業員の感情の機微や体調の変化にまではなかなか気づけないものです。
その点、毎日出社して顔を合わせていれば、「今日、なんとなく元気がない」「顔色がよくないようだ」とすぐにわかります。わからないことがあれば、その場ですぐに解決できるというメリットもあります。
コロナ禍が収束しても、多様な働き方に対応するためにテレワーク推進は続いていくと見られています。その場合、テレワークで不足しがちなFace to Faceでの交流の場としてオフィスも大事なものとなるのではないでしょうか。
コミュニケーションに重点を置いたオフィスづくり
コミュニケーションは、大きく非言語コミュニケーションと言語コミュニケーションの2つに分類されます。
非言語コミュニケーションは、言葉以外で伝えるメッセージです。例えば、声のトーンや表情、視線の動き、ジェスチャー、身だしなみなど、五感をフルに使って感じるものです。
いつもぱりっとアイロンをかけた服装でいる人が、突然よれよれの格好で出社してきたら「何かあったのではないか?」と気づくのではないでしょうか。また、いつも明瞭に明るく話す人がうつむき加減でぼそぼそ話していたら「体調が悪いかもしれない」と周りもわかります。
非言語コミュニケーションは、英語ではノンバーバルコミュニケーション(nonverbal communication=NVC)といいます。ノンバーバルとは「言葉を用いない、非言語的な」という意味です。ジェスチャーや話しぶりなど、コミュニケーションのうちのノンバーバルで伝える部分は6割以上ともいわれています。
言語コミュニケーションの部分は、テレワークでもチャットツールや電話を使えば十分に伝えられます。けれども、ノンバーバルコミュニケーションの部分は、本人を目の前にしないとわからないことも多いのです。
毎日必ず1時間はオンライン会議を行っていたとして、その1時間だけ元気そうに見えても、それ以外の時間は気持ちが落ち込んでいる可能性があります。
ベテランの従業員同士なら、調子悪い、何かトラブルが起きているなどのコミュニケーションもオンラインで解決できるかもしれませんが、普段から抱え込みやすい人や新人は何も言えずにいるかもしれません。
こういった非言語コミュニケーションの不足でストレスをためないように、オフィスを有効に活用したいものです。
物理的にオフィスを変えるには?
オフィスをコミュニケーションの場とするのなら、ミーティングスペースやリラックススペースを充実させるのもおすすめです。
まだしばらくは新型コロナ対策も必要ですし、ほかの感染症が流行らないとも限らないので、従来よりも人との間隔を広くとれるスペースにしておくと無難です。食事やお茶を飲む場所も、十分にソーシャルディスタンスをとれるようにしておきましょう。
執務室はフリーアドレス制にしておけば、出社したメンバーが近くに座って活発に意見交換することができます。また、自分の隣の席が空いていて孤独感を味わうような状況も防げます。
集中して作業ができるソロスペースも必要ですが、入り口から直接ソロスペースに入ってほかの人と顔を合わせないのでは、コミュニケーションの場としてのオフィスの役割が果たせません。
必ず誰かと顔を合わせるような動線を作っておくことも大切でしょう。
しかしながら、育児や介護をしながら働く従業員は、テレワークがメインで出社する機会も少ないことが考えられます。そのため、ミーティングスペースやリラックススペースにはオンライン会議システムなどを充実させて、いつでもつながれるような工夫も必要です。
また、出社組は部署内、チーム内で事前に話しあい、メンバー間でできるだけ同じ日に出社して緊密に話す時間を設けることが大切です。
テレワークが進むこの時代だからこそ、リアルなコミュニケーションもまた重要だということを忘れないようにしたいものです。
まとめ
・テレワークでは非言語でのコミュニケーションが不足しがち
・ハイブリッドワークではオフィスをコミュニケーションの場として考える
・オフィス組とテレワーク組でも密なコミュニケーションがとれる工夫を
オフィスプランニング|ハイパーサービス&サポート
https://www.hyper-ss.jp/officeplanning
コミュニケーションが活性化するオフィスづくりのコツ
ワークスタイルが大きく変化したことで、コミュニケーションスタイルも多様化しています。オフィス勤務、テレワーク、そしてハイブリッドな勤務の人もいるでしょう。