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こんにちは、Gaji-Labo アシスタントエンジニアの石垣です。

今回は、MUI (Material-UI) を使って矢印付きツールチップのコンポーネントを実装する機会があったため、その実装とスタイリングの方法についてまとめたいと思います。

今回の記事の実装も CodeSandbox で実際に触れることができますので、こちらも是非ご覧ください。

Tooltip コンポーネントについて

MUI にはマウスオーバーでツールチップを表示するコンポーネント Tooltip が標準で用意されており、手軽にツールチップコンポーネントを作成することができます。

Tooltip のデフォルトの表示
import * as React from 'react';
import DeleteIcon from '@mui/icons-material/Delete';
import IconButton from '@mui/material/IconButton';
import Tooltip from '@mui/material/Tooltip';

export default function BasicTooltip() {
  return (
    <Tooltip title="Delete" placement="bottom" arrow={false}>
      <IconButton>
        <DeleteIcon />
      </IconButton>
    </Tooltip>
  );
}

placement prop に top right left bottom などの方向を指定することで任意の方向にツールチップを表示させることができます。

また、 arrow prop を true に指定することで矢印付きツールチップにすることも出来ます。

arrow prop を true にした状態の表示

詳しいAPIについては公式ドキュメントをご覧ください。

props を指定するだけで矢印付きツールチップを実装することが出来ますが、矢印のサイズを変更するなど細かいスタイル調整がしたい場合は withStyles 等でコンポーネントのスタイルを上書きする必要があります。

Tooltip コンポーネントの細かいスタイルを調整する

以下は、 MUI のデフォルトのスタイルからツールチップの背景色と矢印のサイズを変更したコードです。

CodeSandbox

import * as React from "react";
import Box from "@mui/material/Box";
import Grid from "@mui/material/Grid";
import Button from "@mui/material/Button";
import Tooltip from "@mui/material/Tooltip";
import { withStyles } from "@mui/styles";

const StyledTooltip = withStyles({
  tooltip: {
    padding: "20px",
    backgroundColor: "black"
  },
  popperArrow: {
    '&[data-popper-placement*="top"], &[data-popper-placement*="right"], &[data-popper-placement*="left"], &[data-popper-placement*="bottom"]': {
      "& $arrow": {
        fontSize: "20px",
        color: "black"
      }
    }
  },
  arrow: {}
})(Tooltip);

function PositionedTooltips() {
  return (
    <>
      <StyledTooltip arrow title="Tooltip Text" placement="top">
        <Button>top</Button>
      </StyledTooltip>
      <StyledTooltip arrow title="Tooltip Text" placement="left">
        <Button>left</Button>
      </StyledTooltip>
      <StyledTooltip arrow title="Tooltip Text" placement="right">
        <Button>right</Button>
      </StyledTooltip>
      <StyledTooltip arrow title="Tooltip Text" placement="bottom">
        <Button>bottom</Button>
      </StyledTooltip>
    </>
  );
}
ツールチップの背景色と矢印のサイズを変更した状態の表示

withStyles で、MUI の Tooltip コンポーネントが持っている MuiTooltip-tooltip などの class のスタイルを上書きしています。

tooltip に指定したスタイルはそのままツールチップ自体 (= MuiTooltip-tooltip class が指定されている要素) のスタイルを上書きしています。

矢印のスタイルの上書きに関しては、矢印を生成している要素の親要素 (MuiTooltip-popperArrow class が指定されている要素) の data-popper-placement 属性に、 placement prop で指定した値が入っているため、この属性をセレクタで指定して各 placement 用のスタイルを上書きしています。

Tooltip の DOM。要素の赤枠で囲った属性に placement の値が入っている

"& $arrow" という風に $ を頭に付けて withStyles 内に記述した class 名を指定することで MUI の class を参照しています。(詳しくはMaterial-UI で focused / error のスタイルを上書きするのに手間取ったもご覧ください)

矢印は em で幅と高さが指定されているため、 fontSize を上書きすることによりサイズの変更が可能です。

popperArrow: {
  '&[data-popper-placement*="top"], &[data-popper-placement*="right"], &[data-popper-placement*="left"], &[data-popper-placement*="bottom"]': {
    "& $arrow": {
      fontSize: "20px",
      color: "black"
    }
  }
},

サンプルでは各 placement に一括で指定していますが、 placement ごとに当てるスタイルを変えることももちろん可能です。

まとめ

今回は、MUI (Material-UI) を使って矢印付きツールチップのコンポーネントを作成する方法についてまとめました。

MUI を使用している方の参考になれば幸いです。

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