Netflix韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』は2021年11月19日の公開後わずか1日で、視聴時間4348万時間を記録し1位を獲得(11月15日~21日からの1週間を対象にした全世界のNetflix非英語圏テレビ番組部門で)。
『地獄が呼んでいる』は2016年に大ヒットしたパニックホラー映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホが監督。
突如現れ「死の宣告」をする地獄の使者と謎の怪物、その超常現象を神の介入とする新興宗教団体、殺人事件として調査する警察たち……と複雑に絡みあうドラマが描れるパニックサスペンスです。
この記事では『地獄が呼んでいる』のあらすじとキャスト、見どころをご紹介します。
ライター:黒澤結衣
Netflix韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』のあらすじ
突然「地獄からの使者」が現われ地獄行きを宣告する超常現象が世界各地で勃発。死の宣告を受けた人は、指定された日時に3体の怪物に地獄の苦しみを与えられながら焼き殺されてしまう。
新興宗教「新真理(セジンリ)会」の議長(代表)チョン・ジンスは、被害者は過去に罪を犯した罪人で、この現象は人間を正しい道へと導く「神の裁き」だと主張。民衆の支持を集めていく。
一連の現象は連続殺人事件なのか? それとも本当に神の裁きなのか?
警察や弁護士たちは新真理会の活動に疑念を持ち始め、真実に迫り実態をあばくべく動き始める。
恐いけど続きが気になる!『地獄が呼んでいる』の魅力
「地獄の使者」という不条理な暴力。残酷でスリリングな展開に目が離せない
『地獄が呼んでいる』第1話は、白昼のソウルの街に地獄の使者が現れるシーンから始まります。黒い煙をまとったような巨大で黒い地獄の使者は、死の宣告を受けた人物を人混みや渋滞も構わず執拗に追いかけ痛めつけ、地獄の炎で焼き尽くします。オープニングは無慈悲そのもの。
しかしこれは序章にすぎず、次から次へと襲い来る恐怖と、これでもかと見せつけられる残酷な事態の予告でもあります。
観る人が「こういう展開になったら最悪だ」と想像する展開より、更にハードな状況へと物語はスピーディに進んでいきます。登場人物たちがどういう運命を辿るのか、ハラハラしながら没頭してしまいます。
監督・演出・脚本を務めたのは映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『新感染 ファイナル・ステージ』のヨン・サンホ監督。『新感染』シリーズではゾンビが発生した高速鉄道の中で生きようと必死にもがく人々のドラマを描きました。
『地獄が呼んでいる』はヨン・サンホ監督自ら手掛けたWeb漫画とアニメーションが原作ということもあり、配信前からファンの間で期待されていました。
本当の地獄とは何か。人間の本質を問う重厚なドラマ
『地獄が呼んでいる』の面白さは、モンスターパニックホラーとしての側面だけではありません。
宗教団体、警察官、弁護士、地獄行きの告知を受けた人、その家族など地獄の宣告を軸に複雑に絡みあう極限状態の人間ドラマが見どころなのです。
特に新真理会が動画配信サービスを使って一気に一般の人々を扇動していく様子は、SNS社会の恐ろしさやメディアの危うさなど現代社会の問題をリアルに描き出しています。
予告では2人の子供が母親の誕生日祝いをしているまさにそのとき、母親が地獄行きの宣告を受けます。
「地獄行きの宣告を受けた人は過去に罪を犯した人間だ」と新真理会の議長チョン・ジンスは暗い瞳で主張します。母親はどんな罪を犯したというのでしょうか。
視聴者にとっても身近に感じられるような普通の人々が宣告されていく中で、罪と罰、生と死、本当に恐ろしいものは何なのか。自分が宣告を受けてしまったら自分は、家族はどうするのか……と常に考えさせられます。
目を覆いたくなるような陰惨なストーリーの中で「この先に光がありますように」と願い、続きを観ずにはいられなくなるのです。
『地獄が呼んでいる』の登場人物。韓国の実力派俳優が勢ぞろい
チョン・ジンス(ユ・アイン)
新興宗教団体・新真理会の教祖であり議長。地獄の宣告を罪人に対する「神の裁き」だとし世間から支持を集めていきます。
無表情、抑揚のない口調という不気味な人物ながらも強烈なカリスマ性を持つチョン・ジンスを強烈に演じるのは実力派俳優ユ・アイン。数多くのドラマや映画に出演し、映画『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』では主役に抜擢され話題となりました。
チン・ギョンフン(ヤン・イクチュン)
地獄の使者出現事件を捜査している警察官。過去に妻を殺されており、自分の立場と法の裁きに対するジレンマを感じています。
演じるのは映画『息もできない』で自ら監督・脚本・主演を務めたヤン・イクチュン。ヨン・サンホ監督のアニメ作品『我は神なり』『豚の王』に声優として参加したことで今作にも参加することになりました。
ミン・ヘジン(キム・ヒョンジュ)
地獄の宣告を受けた女性から、「ある依頼」を受けたソド法律事務所の弁護士。以前より新真理会を怪しいと感じており、依頼をこなすうちに大きな事件に巻き込まれていきます。
ミン弁護士役を演じているのはキム・ヒョンジュ。ドラマ『愛人がいます』『アンダーカバー』『ウォッチャー 不正捜査官たちの真実』などに出演し、着実な演技で有名に。
ペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン)
テレビ局の番組プロデューサーで、新真理会のドキュメンタリー番組を制作しています。
演じるパク・ジョンミンは映画『ただ悪より救いたまえ』でトランスジェンダーの役を演じ、各映画賞を総なめした実力派。
ソン・ソヒョン(ウォン・ジナ)
ペ・ヨンジェの妻で、彼との子供を出産したばかり。
演じるウォン・ジナは、ドラマ『先輩、その口紅塗らないで』『僕を溶かしてくれ』などのドラマや映画に幅広く出演し、演技の幅を広げています。
イ・ドンウク(キム・ドユン)
新真理会を支持する過激派集団「矢じり」のリーダー。スカルマスクと過激なメイクを施し、動画配信サービスを利用して人々を扇動します。
演じるキム・ドユンは日本人俳優・國村隼も出演している映画『哭声 コクソン』やヨン・サンホ監督の『新感染半島 ファイナル・ステージ』などに出演。
パク・ジョンジャ(キム・シンロク)
誕生日の日、子供たちの前で地獄行きを宣告された母親。
演じるのはキム・シンロク。ヨン・サンホ監督が脚本を務めたドラマ『謗法〜運命を変える方法〜』などに出演。
ユジ執事(リュ・ギョンス)
宗教団体・新真理会の幹部。議長の命令を機械のようにこなす冷酷な人物です。
演じる俳優リュ・ギョンスは『梨泰院クラス』の主人公の弟分スングォン役など、存在感のある演技が特徴です。
・関連記事:Netflix韓国ドラマ『梨泰院クラス』復讐劇だけではない面白さ
チン・ヒジョン(イ・レ)
チン刑事の娘。新真理会のボランティア活動をしています。
演じるイ・レは映画『半島』に出演し、釜日映画賞・女優助演賞を受賞した次世代の注目若手俳優です。Netflix韓国ドラマ『スタートアップ 夢の扉』では主人公の姉ウォン・インジェの子供時代を演じ、鮮烈な印象を残します。
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『地獄が呼んでいる』まとめ。年末年始に一気見もおすすめ!
今まさに全世界が注目している作品『地獄が呼んでいる』。同じく全世界で話題のNetflix韓国ドラマ『イカゲーム』を超える勢いのヒットドラマとなりました。
生と死、地獄とは何か……重厚なテーマとスリリングな展開に続きが気になり、第1話から観るのを止められなくなること必至です。
全6話というボリューム感なので海外ドラマは長いと感じている方にもおすすめ。
この記事を読んでドラマが気になった方は是非、年末年始にご覧になってみてはいかがでしょうか。