年賀状を上司に出すときは、失礼に当たらないように細心の注意が必要です。知っておきたいマナーや文例、喜んでもらえるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。また、住所がわからないときの対策についても見ていきましょう。
【目次】
・年賀状を上司に出すときの7つのマナー
・上司への年賀状におすすめのコメント
・上司への年賀状! 喜んでもらえるコツを紹介
・上司の住所がわからないときの2つの対策
・上司に喜んでもらえる年賀状に仕上げよう
年賀状を上司に出すときの7つのマナー
年賀状を上司に出すときは、目上の人へのマナーを正しく守っているか注意するようにしましょう。悪気なくマナーに違反した場合でも、上司に不快な思いを与えてしまう可能性がああるからです。年賀状を出すときに注意したいマナーを7つ紹介するので、投函する前に一度チェックしておきましょう。
1. 1文字・2文字の賀詞は避ける
2. 二重賀詞にならないように注意する
3. 縁起の良くない言葉は使わない
4. 印刷するときはカジュアルな字体を選ばない
5. 句読点を付けない
6. 役職名は付けない
7. 写真入りは避ける
1. 1文字・2文字の賀詞は避ける
年賀状には「寿」や「賀正」などの、おめでたい意味のある漢字や熟語を記すことがあります。これを賀詞(がし)といいますが、1文字や2文字の賀詞は部下や同僚など、自分と同じあるいは目下の人にふさわしいとされているので使わないように注意しましょう。
上司の年賀状には謹賀新年や謹賀新春、恭賀新年などの4文字の賀詞がふさわしいとされています。すでに1文字や2文字の賀詞で印刷した場合は、上司や目上の人用に4文字の賀詞の年賀状も作成しましょう。
2. 二重賀詞にならないように注意する
賀詞を使う回数は特に決まっていませんが、同じ意味の賀詞を2回以上使わないように注意しましょう。
例えば「賀正」は、新年あけましておめでとうございますの意味の賀詞です。賀正と記してから、本文やコメントに「あけましておめでとうございます」と書くと二重賀詞になるのでマナーに適っているとはいえません。ほかの言葉を選び、すっきりとした年賀状を作成しましょう。
3. 縁起の良くない言葉は使わない
年賀状は新年の喜びを伝えるハガキです。縁起が良くないとされる言葉は避け、受け取った人が明るい気分になれるように意識しましょう。
例えば「去」や「失」などの漢字は、縁起の良い意味で用いられることがあまりありません。別の漢字に置き換えるようにしましょう。
NG例:去年はいつも失敗をカバーしてくれ、本当にありがとうございました
OK例:旧年中はお世話になりました 心のこもったサポートに感謝しております
また、「切れる」や「衰える」「落ちる」「苦しむ」「倒れる」などもあまり良い意味がないので、年賀状では使わないほうがよいでしょう。
4. 印刷するときはカジュアルな字体を選ばない
上司への年賀状を印刷する場合や印刷したものを購入する場合は、あまりカジュアルな字体は選ばないほうがよいでしょう。例えば丸文字は少しカジュアルな印象を与えます。楷書体や明朝体、ゴシック体などを選ぶようにしましょう。
5. 句読点を付けない
年賀状には「、」や「。」などの句読点は付けないものとされています。印刷された年賀状を購入するときには、ほとんどのものにおいて句読点は付いていないので、特に注意する必要はありません。
しかし、印刷された本文にコメントを加えるときに、つい「、」や「。」を付けてしまうことがあります。投函する前に再度見直しておきましょう。
6. 役職名は付けない
上司の自宅に年賀状を送る場合は、宛名に役職名は不要です。「田中部長」ではなく「田中信一郎様」というように、フルネームに「様」を付けて記しましょう。
上司の家族とも付き合いがある場合には、家族もそれぞれ「様」を付けて連名にすることができます。ただし、子どもが小さいときは「ちゃん」や「くん」などでも問題ありません。
7. 写真入りは避ける
写真入りの年賀状は、友人や親戚などの仕事関係以外の人に適していると考えられます。上司への年賀状も、家族の写真が入ったものは避けるほうがよいでしょう。
ただし、家族ぐるみでの付き合いをしている場合は、家族の写真が入った年賀状でも問題ありません。個人的に出産祝いや結婚祝いなどをいただいたときも、お礼の意味を兼ねて写真入りの年賀状を選ぶことができます。
上司への年賀状におすすめのコメント
上司に年賀状を送るときは、印刷された言葉だけでなく一言コメントを付けるようにしましょう。コメントを付けることでより心のこもった年賀状にブラッシュアップすることができます。
どんなコメントを書くのか迷ったときは、感謝か決意、希望、気遣いの4つのいずれか、あるいは複数を伝える言葉を選びましょう。おすすめのコメントを紹介するので、ぜひ参考にして素敵な年賀状に仕上げてください。
感謝を伝える
上司にお世話になって1年を乗り切ってきた人は、年賀状で感謝を伝えましょう。いくつか例を紹介します。
・旧年中はお世話になりました いつも心のこもったアドバイスをありがとうございます
・いつもありがとうございます 昨年の○○プロジェクトで本当にお世話になりました 仕事の進め方について認識を新たにすることができました
・入社以来いつも温かく見守っていてくださるおかげで 不安なく働けています ありがとうございます
決意を伝える
年賀状で、これからの決意を述べることもおすすめです。頑張りたいという気持ちを表明することで、上司も嬉しい気持ちになってくれるでしょう。
・いつもサポートをありがとうございます 今年は少しでもお手をわずらわせることがないよう気持ちを引き締めてまいります
・社会人として飛躍の年にしたいと思います 一生懸命頑張りますのでご指導のほどよろしくお願いいたします
・いつも指針を明確に示していただき感謝しております 憧れの○○部長に少しでも近づけるように精進してまいります
希望を伝える
上司に対する希望や仕事全般に対する願いごとなども、年賀状にふさわしいポジティブな話題です。いくつかの例を紹介します。
・昨年は突然の配置換えとなり ○○部長の下で働くことができなくなってしまいました 今年は一緒に仕事ができるように部署を超えたプロジェクトにも参加を希望する予定です
・いつも本当にありがとうございます 今年もお力添えをお願いいたします
・部署が離れてしまい お話しする機会が少なくなり寂しく思っております ぜひまたお時間がありますときにご指導いただきたいです よろしくお願いいたします
気遣いを伝える
年賀状で、上司に対する気遣いを伝えることもできます。長く会っていない元上司や、病気をしていた上司などにはコメントに気遣う気持ちを含めるようにしましょう。
・ご療養中とうかがっております ご無理をなさらずお過ごしくださいませ
・寒さが厳しい時期ですので ご自愛くださいませ
・長くお目にかかっておりません お元気でお過ごしでしょうか
上司への年賀状! 喜んでもらえるコツを紹介
上司に年賀状を送るなら、喜んでもらえるものに仕上げたいものです。印刷した年賀状もすっきりと美しい印象ですが、手書きで丁寧に書くと、より心がこもった印象になるでしょう。印刷した年賀状を使う場合も、コメントは手書きで丁寧に書くことをおすすめします。
印刷・手書きにかかわらず、落ち着いた印象に仕上げることも大切なポイントです。あまりカラフルなものやカジュアルなものにすると、ふざけているかのような印象を与えてしまうかもしれません。また、上司をあまり重んじていないと受け取られる可能性もあります。
年賀状は上司だけが読むとは限りません。上司の家族も読む可能性があるので、普段からの感謝の思いをコメントに記載しておくようにしましょう。上司の家族が「うちの○○は部下に慕われているのね!」と嬉しく感じるだけでなく、上司自身が「家族に良いところを見せることができた」と嬉しく思ってくれるかもしれません。
上司の住所がわからないときの2つの対策
上司に年賀状を出したいけれど、住所がわからないケースもあるでしょう。近年は個人情報保護の観点から、同じ会社内のスタッフであっても、他のスタッフの住所や電話番号などを簡単には教えない仕組みになっていることがあります。
また、SNSなどを使って個人情報を割り出すことは、たとえ可能であってもマナーとして好ましいとはいえないのでおすすめできません。
上司の住所がわからないときは、次の2つの対策を実施してみましょう。
1. 上司に直接尋ねる
2. 手渡す
1. 上司に直接尋ねる
住所がわからないときは、上司に直接尋ねます。「年賀状を差し上げたいので、ご住所をお教えいただけませんか?」と尋ねれば、教えてもらえるでしょう。
なお、すでに上司と年賀状をやり取りしている先輩などに住所を教えてもらうのはNGです。教えてもらった住所に間違いがあればお正月に届かない可能性があるだけでなく、上司が「なぜ家の住所を知っているのだろう?」と不審に思う可能性があります。
2. 手渡す
仕事始めのときに上司に手渡す方法もあります。「住所がわからなかったので、手渡しで失礼します」といえば、上司も事情を察して喜んで受け取ってくれるでしょう。
手渡す場合は、まとまって届く年賀状よりもじっくりと見てもらうことができます。手書きのコメントを丁寧に記し、感謝の気持ちや新春の決意などを伝えるようにしましょう。
上司に喜んでもらえる年賀状に仕上げよう
年賀状を上司に出すことで、感謝の気持ちなどを改めて伝えることができます。上司が喜んでくれる顔を想像しながら、丁寧にコメントや住所などを記すようにしましょう。
住所がわからないときは直接尋ねたり手渡したりすることでも、年賀状を届けることができます。句読点を付けない、縁起の良くない言葉は使わないなどの基本的なマナーを守り、もらって嬉しい年賀状になるように仕上げていきましょう。
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