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ワールドチャンピオンシップ一騎打ち、サウジアラビアで更にエスカレート。ルイス ハミルトン(メルセデス)がサウジアラビアでのGPを見事に制覇。ドライバーズチャンピオンシップは同ポイントでフェルスタッペンとハミルトンが首位に並ぶ。最終戦は見逃せない。

世界選手権の戦いはますますヒートアップしている!
ルイス ハミルトン(メルセデス)が、マックス フェルスタッペン(レッドブル)と、チームメイトのバルテリ ボッタスを抑えてサウジアラビアGPを制した。
今年8勝目(フェルスタッペンは9勝)、通算103勝目(歴代最多勝利)を挙げた。
これにより、ドライバーズ世界選手権のライバルである2人は、同ポイントで並び、1週間後にアブダビで開催されるグランドフィナーレに臨むことになった。
現時点で、フェルスタッペンがドライバーズチャンピオンシップリーダーであり続けるのは、前述の通り、彼がハミルトンよりも勝利数が1つ多いからだ。

しかし、サウジアラビアGPは、2021年シーズンの歴史の中で最も物議を醸したレースの一つとして語り継がれることになるだろう。
3回のスタート、2回の赤旗、そして世界選手権のライバル同士が這うようなスピードで追突した。

フェルスタッペンとハミルトンは、ポイント数で並んでシーズン最後のレースに臨む。

最初のセーフティカー導入の再スタート後、オランダ人ドライバーは最初のシケインでクラッシュし、次の赤旗が出された。
レースディレクターのミヒャエル マッシがレッドブルに提示した条件は、フェルスタッペンがグリッド1位を譲るならば、調査は行わないというものだった。
レッドブルはそれを受け入れ、世界選手権で戦うフェルスタッペンのマシンにミディアムハードのタイヤを装着して送り出した。
これでフェルスタッペンは3回目のスタートを制した。

その後、メルセデスのスターはレッドブルを追いかけ、37周目にオーバーテイク作戦に出る。
そしてフェルスタッペンは、最初のシケインで再びクラッシュしてしまう。
その少し後、フェルスタッペンは、最終コーナー直前の乱戦の中で、まるでハミルトンに抜かせたいかのようにペースを落とす。
しかし、イギリス人ドライバーはフェルスタッペンのリアに突っ込んでしまう。

メルセデスのチームボス、トト ウォルフはガレージでパニックになり、スカイの評論家、ラルフ シューマッハも「あれはフェルスタッペンのスポーツマンシップに反する行為で、彼は意図的にルイスを遅らせたのだ」と断言している。
ハミルトンもピットの無線で叫ぶ。
英国人は、ライバルを、「fucking crazy」と罵った。
この事件は、レース後に調査される。
ひとつだけ確かなことがある。
両者は走り続け、少ししてフェルスタッペンがようやくハミルトンを追い越し、さらに5秒のペナルティを受け、それでも2位でフィニッシュしたことだ。

「出来事やハプニングの多いレースだった」とレッドブルのドライバーは悩んでいる。
「納得のいかないことがたくさん起こった。最終的にはタイヤが落ちてしまったが、2位という結果はまだ大丈夫だ」とチャンピオン獲得への熱意を語った。
ハミルトンとの接触については、「僕はスピードを落とすべきだと思ったので右へ行き、彼は左側から僕をパスすべきだった。そしたら彼が僕のリアに突っ込んできたんだ。あそこで何が起こったのか、よく理解できません」。
また、ハミルトンも、「長い間レースをしてきたが、今日は信じられないほどハードだった」と苛立ちをあらわにした。
「マックスがかなりハードにブレーキをかけて、それから僕が彼の後ろにぶつかったんだ。あれには混乱したよ」と頭を振りながら応えた。

第21戦を終えて、泣いても笑っても、残すはあと1戦のみ。
最終戦アウダビGPは、今週末、12月12日(日)にヤス マリナ サーキットでおこなわれる。
フェルスタッペンとハミルトンのどちらか先にフィニッシュしたほうが2021年度F1ドライバーズチャンピオンとなる。
フェルスタッペンが勝てば初の王者。
ハミルトンが勝てば史上8度目のF1チャンピオンとなる。
またホンダにとっては、60年近くに及んだF1活動の締めくくりとなる1戦だ。
勝って最後を飾れるか、世界中のホンダファンにとっては非常に気になるところだ。

F1第21戦 サウジアラビアグランプリ
レース結果(第10位まで)
1位: ルイス ハミルトン(英国) – メルセデス 2:06:15,118
2位: マックス フェルスタッペン(オランダ) – レッドブル +11.825秒
3位: セルジオ ペレス(メキシコ) – レッドブル +27.531
4位: エステバン オコン(フランス) – アルピーヌ +27.633
5位: ダニエル リカルド(オーストラリア) – マクラーレン +40.121
6位: ピエール ガスリー(フランス) – アルファタウリ +41.613
7位: シャルル ルクレール(モナコ) – フェラーリ +44.475
8位: カルロス サインツJr.(スペイン) – フェラーリ +44.606
9位: アントニオ ジオバナッツィ(伊) – アストンマーティン +58.505
10位: ランドー ノリス(英国) – マクラーレン +1’ 01.358

ドライバーズチャンピオンシップランキング(22戦中21戦終了時):
1位: マックス フェルスタッペン(オランダ) – レッドブル 369.5ポイント
2位: ルイス ハミルトン(英国) – メルセデス 369.5ポイント
3位: バルテリ ボッタス(フィンランド) – メルセデス 218ポイント
4位: セルジオ ペレス(メキシコ) – レッドブル 190ポイント
5位: シャルル ルクレール(モナコ) – フェラーリ 158ポイント
6位: ランドー ノリス(英国) – マクラーレン 154ポイント
7位: カルロス サインツJr.(スペイン) – フェラーリ 149.5ポイント
8位: ダニエル リカルド(オーストラリア) – マクラーレン 115ポイント
9位: ピエール ガスリー(フランス) – アルファタウリ 100ポイント
10位: フェルナンド アロンソ(スペイン) – アルピーヌ 77ポイント

コンストラクターズチャンピオンシップランキング(22戦中21戦終了時):
1位: メルセデス 587.5ポイント
2位: レッドブル 559.5ポイント
3位: フェラーリ 307.5ポイント
4位: マクラーレン 269ポイント
5位: アルピーヌ 149ポイント
6位: アルファタウリ 120ポイント
7位: アストンマーティン 77ポイント
8位: ウィリアムス 23ポイント
9位: アルファロメオ 13ポイント
10位: ハース 0ポイント

Text: Bianca Garloff
Photo: autobild.de