オランダのBlender Foundationは12月3日(現地時間)、オープンソースの3DCG制作ツール「Blender」のバージョン3.0を公開した。メジャーアップデートは2000年8月にリリースしたバージョン2.0以来で、21年振り。
Blender 3.0では、2011年12月にリリースしたバージョン2.61から搭載していたレンダリングエンジン「Cycles」を「Cycles X」に一新。Cyclesよりも2〜8倍速く、レンダリングの処理速度が向上しているという。
一方で、保守が困難になったとの理由で、AMD製GPUなどで利用されていたOpenCLレンダリングは未対応に変更。代わりに単一のソースコードからAMDとNVIDIA製GPUに対応したアプリケーションを作成できる「HIP」を利用することで、AMD製GPUでもCycles Xを利用できるとしている。
他に、ノイズ除去機能「OpenImageDenoise」をバージョン1.4にアップデート。ローポリゴンモデルの影を滑らかに表現する機能「Shadow terminator offset」には、影の乱れを減らすための新しいオプションを追加するなど、複数の機能を更新している。
Blenderには、MicrosoftやAWS、Facebook、Adobeなどの大手IT企業が出資している。10月にはAppleも開発基金に参加し、寄付やエンジニアリングに関する専門知識と追加のリソースをBlender本部と開発コミュニティーに提供などの支援をすることを発表している。