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古河電気工業は12月7日、大林組と共同で電動キックボードのワイヤレス充電ポートシステムを開発し、実証実験を開始したことを発表した。このシステムは、電動キックボードのシェアリングサービスにおいて、機体コストの低減と人件費の削減につながるという。2025年の製品化を目指している。

電動キックボードのシェアリングサービスでは、充電の管理が重要になる。現在は、人が巡回してキックボードの電池を交換しているが、これには多くの電池を用意し、回収した電池を充電するといった労力と人件費がかかる。電池を大容量化して手間を省こうとすれば、機体が重くなり、価格も上がってしまう。ワイヤレス充電システムなら、送電装置の上にキックボードを置くだけで充電が始まるため、そうした問題が解決される。

このシステムは、古川電気工業の再生プラスチックを利用した樹脂製ケーブルトラフ(ケーブル敷設用のU字溝)「グリーントラフ」に収めた送電装置、受電機を搭載したキックボード、電源ボックスで構成されている。ワイヤレス給電には、2枚の電極を近づけて電力を伝える電界結合方式が使われている。磁界を発生させる方式と異なり、近くにある導電体が熱を持ったりしないため、安全性が高い。

実証実験は、2022年3月まで、大林組技術研究所で行われる。また、東京・大阪・横浜・京都で電動マイクロモビリティーのシェアリングサービスを展開しているLuup(ループ)が技術協力している。