2021年11月よりNetflixで配信開始された実写版シリーズ『カウボーイビバップ』。原作は1998年に放映され、今なお世界的に人気がある日本の同名アニメ作品です。
何度も実写化の企画が立ち上がっては消えていましたが、ついに実写化された本作。
この記事では原作未視聴の方にも楽しめる、Netflixシリーズ『カウボーイビバップ』の魅力を紹介します。
ライター:荒井啓仁
『カウボーイビバップ』のあらすじと原作の紹介
『カウボーイビバップ』のあらすじ
惑星間の移動が短時間で可能になり、警察機構だけでは治安維持がむずかしくなってしまった未来の太陽系が舞台。
元マフィアのスパイク・スピーゲルと元警官で相棒のジェット・ブラックは賞金稼ぎ=通称「カウボーイ」として日夜乱闘を繰り広げる流浪の生活を送っていました。2人しかいなかった宇宙船ビバップ号には記憶喪失の美女フェイ・バレンタイン、コーギー犬のアインと仲間が集まっていきます。毎度賞金のため宇宙の複雑な事件の解決に奔走するうち、ビバップ号の面々が逃れられない宿命に向き合っていくさまを描きます。
原作アニメ『カウボーイビバップ』はどんな作品?
原作『カウボーイ・ビバップ』は、1998年〜1999年に放映された日本のアニメーション作品。さまざまな背景を持ったビバップ号の面々が織り成す奥深いストーリーと、菅野よう子の音楽やオープニング・カットインのスタイリッシュさで多くのファンを虜にしました。題名の「ビバップ」とはジャズのスタイルの一つで、アドリブが主体の即興演奏を指します。毎話作品のタッチが移り変わるさまはまさに「ビバップ(即興演奏)」。
映画のような話づくりに「画」づくりや、登場人物の願望・葛藤を説明しすぎずに描くスタイルは「大人向けアニメ」の代表格といえるでしょう。
原作リスペクトと独自設定で、未視聴の方も楽しめる仕上がりに
Netflixシリーズ『カウボーイビバップ』はシリアスな1話からギャグテイストな2話に繋げるなど、シーズンの入りは原作に近く、細かなリスペクトを感じます。
一方キャラクターの見た目は原作そのままでも、現代の実写版として映えるように一部独自の設定に変更され、後半に向けたストーリー展開はアレンジされています。
「ビバップ号」をはじめとしたビークル(乗り物)や銃器などの美術には汚れ・剥がれの加工がされているのに気がつきます。衣装もアニメに準じた派手めなものが多いですが、ライティングや全体的な色味で浮くことなく馴染んでいます。
原作の音楽担当・菅野よう子が新たに書き下ろした劇伴音楽と映像がシンクロする演出のかっこよさ、ビターな人間関係、シリーズ後半に向けてのストーリーの盛り上がりは原作未視聴の方でも楽しめるエンタテインメント作品になっています。
キャスト陣が織りなす“新生”ビバップ号
Netflixシリーズ『カウボーイビバップ』の主人公スパイク役のジョン・チョーや ジェット役のムスタファ・シャキールのセリフの掛け合いは軽妙で楽しく、アクションも多彩。一方でシリアスな演技も抑えられています。
日本語吹き替え版ではスパイク役の山寺宏一、フェイ役の林原めぐみなど多くのキャストが続投しており、アニメ版とは違う「演じているキャストの吹き替え」になっていて必聴です。
『カウボーイビバップ』の登場人物・キャスト
スパイク・スピーゲル(ジョン・チョー/声:山寺宏一)
長身痩躯でモジャモジャ頭が特徴の元マフィアで、どこか達観したような飄々とした性格。腕っぷしも射撃の腕前も一流で、高速戦闘機も操縦できます。
ビシャスとジュリアとの間には浅からぬ因縁があり(アニメ版とも同様)、3人の関係性にも注目です。
スパイクを演じるジョン・チョーは1972年生まれの49歳。大学を卒業し教職についた後、俳優に転身しました。コメディ映画『アメリカン・パイ』で注目を集め、映画版『スター・トレック』などにも出演。
全編PC画面上で繰り広げられる映画『search/サーチ』では、父親役を見事に演じきってます。俳優以外にもバンド「Viva La Union」ではボーカルを務めるなど多才な一面も。
ジェット・ブラック(ムスタファ・シャキール/声:楠大典)
スパイクを超す長身で筋肉質な元警官。妻子がいますが、同僚の裏切りで5年間投獄されていた間に離婚。たまにしか会えない娘を常に気にかける父親としての一面が描かれています。スパイクらの乗る「ビバップ号」の持ち主で、乗りあったフェイにも優しく接し、いつしかリーダーのような存在に。
ジェットを演じるムスタファ・シャキールは1976年生まれの45歳。俳優を志す前は理髪師をしていた異色の経歴で『タイムレス』や『クォーリーと呼ばれた男』など、テレビドラマにも多数出演。
Netflix制作のMARVELシリーズドラマ『ルーク・ケイジ』ではシーズン2のメインキャラクターに抜擢されるなど注目を集めています。
今回ジェット役を演じるにあたって、朝の8時から夜中の2時まで銃器やアクションのトレーニングを4週間も行ったそう。
フェイ・ヴァレンタイン(ダニエラ・ピネダ/声:林原めぐみ)
コールドスリープ(冷凍睡眠)の副作用で記憶を失っており、自身が何者なのか突き止めるために賞金稼ぎをしながら情報を集めている女性。
当初はスパイクらと賞金首を奪い合う仲でしたが、ある事件がきっかけで「ビバップ号」の一員に。
フェイ役のダニエラ・ピネダは1987年生まれの34歳。もともとは脚本家やプロデューサー志望で、自身で制作・出演した作品をYouTubeにアップしたところ、タレントマネージャーに見いだされ俳優へと転身。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国」ではメインキャストを務めるなど人気上昇中の俳優です。フェイを演じる際、グローブをはめるかのようにスッと役に入れたとのこと。
エド[エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チベルスキー4世](エデン・パーキンス)
エドはアニメ版では9話から登場する天才ハッカーでビバップ号の一員になります。Netflix版ではキャストの発表も無く、メインビジュアルにも不在。
当初は登場しないかと思われていましたが、NetflixのSNSでエドの登場するショートビデオが発表され話題に。演じるエデン・パーキンスは詳細不明の俳優です。
アイン
アインはコーギー犬でアニメ版では200ウーロンという安値がつけられていましたが、Netflix版では高額で取引される存在に。ただの犬かと思いきや、ある秘密が隠されており……?
ビシャス(アレックス・ハッセル/声:若本規夫)
長い銀髪が特徴の冷酷なマフィア幹部で、スパイクと因縁があります。アニメ版では線の細い印象でしたが、Netflix版では打って変わって肉体派の印象に。
ビシャス役のアレックス・ハッセルは1980年生まれの41歳。ジョージ・クルーニー監督作品『サバービコン 仮面を被った街』などへの出演で知られています。イギリスの歴史ある劇団「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」に多く出演を果たした実力派俳優。
ジュリア(エレナ・サチン/声:高島雅羅)
スパイクがかつて所属していたマフィア「レッドドラゴン」に縁のある女性。アニメ版では回想シーンの登場が多く謎が多かったのですが、Netflix版では1話からビシャスの傍らにガッツリ登場。物語の鍵を握る人物の一人です。
ジュリアを演じるエレナ・サチンは1987年生まれの34歳。ジョージア出身で5歳の頃からポップグループ「ネルジェビ」の一員として活動していましたが、その後演劇の勉強を続け2007年から俳優としてのキャリアをスタート。人気ドラマシリーズ『24』のスピンオフ作品『24:レガシー』にも出演しています。
まとめ
原作テイストを活かし実写版として見ごたえのある作品に仕上がったNetflixシリーズ『カウボーイビバップ』。
Netflixでは2021年11月現在原作アニメも配信中。実写版を一気観したあとにはアニメ版も続けてみるのがおすすめです。
吹き替えキャストの演技の違いや、Netflix版との違いやリスペクトしている部分を知れてより一層『カウボーイビバップ』ワールドが楽しめるでしょう。
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