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米国が政治軍事の関心の中心を太平洋地域に移したということが議論されてから、かなりの時間がたちますが、al qods al arabi net は、米国の湾岸からの撤退で(もっとも現在のところバハレンの海軍基地やカタールの空軍基地からの近い将来の撤退という話は流れてきていないが)湾岸諸国は、新しい安全保障のスポンサーを探して、深刻な問題に直面しているとの記事を掲げています。
なかなか興味ある記事かと思うの(これまでも言われてきたところで、特に新味はないが、アラビア語メdィアがこんな記事をかくことが注目される)で、要点のみ次の通り。

・米国は現在最大の脅威がアジア太平洋での中国からのものであるとの認識の下に、湾岸、中東諸国から、徐々にその軍事力を撤退させアジア方面に展開させつつある。
これは湾岸諸国にとって、安全保障の新しいスポンサーを誰にするかで、深刻な問題に直面させている

・19世紀以来、湾岸地域は英米の実質的安全保障の傘の下にいた・
初めは英帝国主義だったが、ww2以降は米国の軍事的保障の下にいた
米国にとって、中東は戦略的に重要な地域であり、石油の重要な産地で、米企業の投資先としても重要であった。
このため米国は湾岸地域の安全保障のために重要な戦力をこの地域に維持してきた

・しかし、その後国際的な戦略状況は変わり、米にとり最大の脅威はアジア太平洋における中国の台頭となり、米国は徐々にその海外展開の比重を同地域に移してきた。
これは2011年以降米政府が度々表明しているところで、2017年にはオバマが公的に表明している
具体的に米国はパトリオット・ミサイルの湾岸での展開を削減し、シリアでの駐留停止を表明し、イラクからも引き揚げつつある。

・これはイランという潜在敵国を身近に抱えた湾岸諸国にとり深刻な問題で、彼等は新しい安全保障上のスポンサー探しに必死である
ロシア、中国という大国は現在のところ、湾岸の安全保障に真剣で取り組む用意はない

・そこで出てくるのが、仏、トルコ、イスラエル等であるが
  仏は一番米の後を狙って動いているように見えるが、何と言っても力不足で、補助的役割以上のことはできない。何しろ米の空母一隻の軍事力は一国の軍事力に匹敵し、その様な空母部隊を複数短時間で現地に派遣することができる
  トルコも最近盛んに軍事力を強化しているが、核も有せず、地理的にも遠く、仏に比してもその力は限定的である
  イスラエルは最近最新兵器開発等で注目されるが、地理的にも離れていて、ヒズボッラー等親イラン勢力を身近に抱えていて、頼りにはならない

・このため湾岸諸国は、本来の潜在敵国たるイランとの話し合いを模索し、公的または秘密裏に接触している
その最も注目される例はUAEの情報責任者タハヌーン殿下のイラン訪問であるが、従来イランと最も問題を有していたUAEだけに興味深い
サウディは仲介者を通じて秘密裏に接触を保ってきたが、最近はよりおおっぴろげに接触している

・今後とも湾岸諸国はお互いに安全保障面での協力を深めるとともに、頼りになるスポンサー等安全保障面での模索が続こう

 بعد انسحاب واشنطن دول الخليج تبحث عن عراب أمني والبديل يتبلور عبر ترتيبات مع إيران | القدس العربي (alquds.co.uk)