もっと詳しく

 愛知県弥富市の中学校で先月24日、3年生の男子生徒(14)が刺殺された事件で、殺人などの容疑で送検された同学年の男子生徒(14)が「活発で人気者だった被害生徒に嫉妬心を抱いていた」という趣旨の供述をしていることが14日、捜査関係者への取材でわかった。加害生徒は学校生活で嫌なことが続いていたと供述しており、その不満が被害生徒に向けられたとみられるという。

 また、名古屋地検は同日、加害生徒を殺人と銃刀法違反の非行事実で名古屋家裁に送致。家裁は27日までの観護措置を決めた。家庭環境などを調査し、少年院送致などの保護処分にするか、成人と同様に刑事裁判を受けさせるために検察官送致(逆送)するか判断する。

 市教委によると、加害生徒は今年2月の校内アンケートに「いじめがある」と回答。2年生の時に被害生徒から生徒会選挙の応援演説を依頼されたことや、仲の良い友人との会話に割って入られたことなどを挙げ、不満を訴えていた。

 また、加害生徒は先月中旬の修学旅行の際、禁止されていたスマートフォンを持ち込み注意を受けていた。捜査関係者によると、加害生徒は「嫌なことが続き、全てがどうでもよくなった」と供述。「嫌なことが起きると、被害生徒が頭に浮かぶようになった」という趣旨の話をしているという。

 加害生徒は修学旅行で注意された後に事件を計画したとみられ、インターネットで人を殺害する方法を検索していたことが押収したスマホの解析で判明。事件4日前には刺し身包丁を通販サイトで注文していた。

 被害生徒の両親は14日、代理人弁護士を通じ、「息子がいない現実を受け入れることができない。誰にでも優しく、家族の誕生日には手紙を必ずくれる子だった。逆恨みした上での犯行ならば、本当にやりきれない」などとするコメントを出した。