今月2日、カリフォルニア州ラグナ・ビーチの近海で、パドルボートをしていた二人組の下に、巨大マンボウが出現しました。
二人によれば、「突如そばに現れ、海底に沈んでいくまで30分ほど一緒にいた」という。
マンボウ属は現時点で、マンボウ・ウシマンボウ・カクレマンボウの3種に分類されます。
今回見つかったのはマンボウで、その種の中では、史上最大級の一つとのことです。
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- 過去最大クラスの一つ、全長3メートルに迫る可能性も
過去最大クラスの一つ、全長3メートルに迫る可能性も
今回のマンボウは突如あらわれたため、正確なサイズまでは分かっていません。
それでも、パドルボードの長さが14フィート(約4.3メートル)あるので、写真から判断するに全長9〜10フィート(約2.7〜3メートル)は下らないと考えられます。
ギネスブックによると、これまでの最高記録は、1996年に日本沿岸で見つかったウシマンボウ(Mola alexandrini)の全長2.72メートル、重さ2300キロです。
今回のマンボウは、もしかしたらそれより大きな個体かもしれません。
一方で、今年10月に北アフリカ沖で捕獲されたジャンボサイズのウシマンボウほど大きくはない、と報じられています。
このウシマンボウは体長10.5フィート(約3.2メートル)、体重2000キロだったと捕獲した漁師は言いますが、その後、海に返したため、公式な記録としては残されていません。
また、2014年には、南イタリアの地中海で、体長5メートル級の超巨大マンボウが目撃されており、結局のところ、マンボウのサイズの上限は計り知れません。
こちらが、その5メートル級のマンボウとの遭遇映像。
これほど巨大なマンボウですが、実は、生まれたばかりの稚魚は体長5ミリほどしかありません。
マンボウのメスは、一度に3億個の卵を卵巣内に持つことができ、これは既知の脊椎動物の抱卵数では最多となっています。
しかし、その中で実際に孵化し、かつ大人まで生き残れる個体は、ほんのわずかです。
マンボウは泳ぎもゆったりとして、非常に穏やかな生き物であるため、種を存続させるには、とにかく数を生むしかありません。
また、稚魚は本当に小さいため、発見が極めて難しく、ウシマンボウの赤ちゃんが初めて見つかったのも去年のことでした。
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今回、マンボウを発見したのは、海洋生態系の保護活動に取り組む非営利団体「Project O」の創設者、リッチ・ジャーマン(Rich German)氏と、その友人のマット・ウィートン(Matt Wheaton)氏。
二人は当初、イルカを探す目的で、パドルボートを使ってラグナ・ビーチの沖合に出たといいます。
ところが、ビーチからわずか180メートル付近で姿を現したのは、巨大マンボウでした。
ジャーマン氏は「マンボウはこれまで何度も見てきましたが、普通はもっと沖合に分布する上に、これほどの大きさには会ったことがありません」と言います。
大人のマンボウは温帯や熱帯の海に生息し、日光浴のためにこうして水面に浮上しては、体を横に倒し、太陽の光を浴びます。
ジャーマン氏は「最初見た瞬間は、真っ二つに切断されたサメかと思いました」とも話しています。
マンボウはサメやシャチの格好の獲物であり、さらに、近年の乱獲や環境の変化から数を減らしており、絶滅が危惧されている種の一つです。
この穏やかで愛らしい生き物を守るためにも、密漁や温暖化への対策が必要となるでしょう。
再発防止に努めてまいります。
参考文献
Enormous sunfish surprises paddleboarders off Laguna Beach
https://www.livescience.com/giant-sunfish-encounter-paddleboarders