こんにちは、Gaji-Labo アシスタントエンジニアの石垣です。
今回は、MUI (Material-UI) を使って、フォーカスした時に Popover を表示する TextField を実装する方法についてまとめたいと思います。
概要
今回は上のような、 TextField にフォーカスした時に要素を覆う形で Popover を表示し、入力するか Popover の外をクリックすることで Popover を非表示するコンポーネントを実装します。
MUI v5 には Autocomplete というコンポーネントがあり、ほぼ同等の機能を一つのコンポーネントで再現することが出来ます。(参考:MUI v5 の AutoComplete コンポーネントを触ってみた)
しかし今回のように TextField を覆う形で Popover を表示したいなど込み入ったカスタマイズがしたい場合には、より自由に実装・カスタマイズできるという点で複数コンポーネントを組み合わせて作るのも選択肢としてありかと思います。
実装
TextField コンポーネントと Popover コンポーネントを組み合わせて実装します。
import { useCallback, useState } from "react";
import { TextField, Popover } from "@mui/material";
export function TextFieldWithPopover() {
// TextField の value
const [value, setValue] = useState("");
// Popover の開閉状態
const [opened, setOpened] = useState(false);
// Popover の width
const [popoverWidth, setPopoverWidth] = useState(0);
// Popover を開いた時に、Popover の幅を TextField と同じ幅にする。
// リサイズしたとしても Popover と TextField が自動的に同じ幅になる。
const [popoverAnchorEl, setPopoverAnchorEl] = useState<HTMLDivElement | null>(
null
);
const divRef = useCallback(
(node) => {
if (node !== null && opened) {
setPopoverAnchorEl(node);
setPopoverWidth(node.clientWidth);
}
},
[opened]
);
return (
<div ref={divRef}>
{/* Popover を開くための TextField */}
<TextField
variant="outlined"
value={value}
fullWidth
onClick={() => {
setOpened(true);
}}
inputProps={{ readonly: true }}
/>
{/* Popover 本体 */}
<Popover
anchorEl={popoverAnchorEl}
open={opened}
// スタイル用
PaperProps={{
style: {
width: popoverWidth,
boxSizing: "content-box",
margin: "-8px 4px",
padding: "8px",
},
}}
onClose={() => {
setOpened(false);
}}
>
{/* Popover 内の入力用 TextField */}
<TextField
variant="outlined"
value={value}
fullWidth
onChange={(e) => setValue(e.target.value)}
autoFocus
/>
Content
</Popover>
</div>
);
}
実装としては、
- TextField (表示用) にフォーカスする
- TextField (表示用) を覆うように Popover が表示され、TextField (入力用) が表示用と同じ位置に来る
- 2つの TextField は value が同期しており、片方の value が変更されるともう片方も変更される
- Popover の外側をクリックすると Popover が閉じる
というものになっています。
ポイントは Popover の anchorEl に useCallback を使用した divRef を渡している点です。
ここで useCallback を介して Popover を開いた時に divRef の width を取得することで、 Popover と TextField の幅がどの画面幅でも常に同じになるようにしています。
また、 TextField に input 要素が持つ属性を渡したい時は inputProps
を使う点や、Popover のスタイルを変更したい時は PaperProps
を使って Paper コンポーネントにスタイルを渡す点は少々注意が必要なところです。
これでフォーカスした時に Popover を表示する TextField を実装することができました。
まとめ
今回は、MUI (Material-UI) を使ってフォーカスした時に Popover を表示する TextField を実装する方法についてまとめました。MUI を使用している方の参考にしていただければと思います。
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