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TEXT BY 永堀アツオ

■福原 遥は“穏やかに熱い”人

すでに12万回再生(2021年12月22日現在)を超えている、福原 遥が登場したYouTube雑談コンテンツ『RING³』(リン・リン・リン)1st Call。電話の相手は『愛という名のもとに』『ひとつ屋根の下』『Dr.コトー診療所』など、数多くの名作ドラマや映画を手がけてきた中江 功監督だ。

2021年新春放送のドラマ『教場Ⅱ』で福原と中江は現場を共にしており、中江は同作を通じて「意外だった」と何度も口にするほど、福原 遥の真摯な姿を『RING³』で語っている。

その内容は、大まかに言えば「おっとりしたお嬢様のような雰囲気なのに、実は負けず嫌いで芯がしっかりしており、表現に対してとても真面目に向き合ってる人」ということになるだろう。

“穏やかに熱い”と言えばいいだろうか。福原 遥は、熱い部分を前面に押し出しはしないので表面的には穏やかだが、内側には非常に熱いものを持っている…ということだ。

■仲間とひとつのものを完成させる“集団芸術”に惹かれる、福原 遥

たしかに、情熱がなければ、女優、声優、歌手…と、多方面で活躍することはできないだろう。

先日最終回を迎えた、ドラマ『アンラッキーガール!』では主演と主題歌「Lucky Days feat. OKAMOTO’S」を担当。“マイナスだった今までの自分とさよならしようよ”と、どこか吹っ切れたような、前向きを歌っている。

そして、アニメーション映画『フラ・フラダンス』ではヒロイン役に加え、劇中アイドルとして歌唱。また、TVアニメ版に続くかたちで実写映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』に出演。同じ役柄でアニメ版と実写映画の両作品を演じたキャストは彼女ただひとりだった。

このように幅広く活躍するも、中江監督の言葉を借りるなら「“やってる感じ”を出さない」のが福原 遥らしい。

しかし、彼女は「全部を極めたい」と貪欲に語っており、「みんなで頑張る体育会系なのが好き」と続けている。

福原は幼稚園生の頃からみんなで一緒に踊ることが大好きで、中学でも運動部並みの厳しいトレーニングもあった吹奏楽部に所属し、仲間と共に日々練習に明け暮れており、そんなこれまでの歩みで“仲間と一緒にひとつのものを作り上げる”喜びや充実感を得てきたのだろう。

「お芝居が好き」というのも、監督や脚本家、俳優、照明美術、録音…など、様々な分野のスタッフが集結してひとつの作品を作り上げる、“集団芸術”の要素が強いからかもしれない。

■泣いてばかりいたあの頃を知る、親友・富田望生に見せる素顔

そして、12月23日に公開された2nd Callでは、同世代の女優で親友の富田望生が登場。

「みうたん」「はるぴょん」と呼び合い、お互いの家にも遊びに行き、週3回くらいで会ってる時期もあったというほど仲が良いふたり。

福原は「今後もずっと繋がっていける気がする。友達の中でいちばん電話することが多い」と言い、富田は「気が遣えるし、料理上手だし、ホワンとしてて癒される。彼女にしたい友達No.1」だと、互いが大切な存在であることを語っている。

しかし、コロナ禍以降は頻繁には会えておらず、富田に「最近、泣きたくなることはある?」と質問された福原は「よく泣いていたあの頃よりは強くなれたけど、悩むことはあったりする」と本音を吐露。

福原が思い悩む時期をそばで見てきたという富田は「女優、声優、歌手といろんなジャンルの仕事で表に出て人に感動を届けている」と彼女が一歩ずつ、一生懸命歩んできたこれまではちゃんと価値あるものなんだと諭す。

いつも笑顔で、まわりを明るく照らしてくれるような存在の彼女も、「もっとできたのではないか?」という向上心からくる自分自身への不甲斐なさに反省したり、壁にぶち当たってしまったりと、いろんな経験を重ねている。そんな時、そばにいてくれる親友に救われ、着実に歩みを進めることができた今の自分がいるからこそ…彼女は仲間からもらった愛情を、同じように思い悩む“あなた”へと音楽を通じて届けようとしているのだ。

彼女の思いを汲み取るように、各クリエイター陣によって生み出された楽曲は、どれも聴き手の味方でありたいという願いが滲んでおり、「未完成な光たち」では“大丈夫だよ ひとりじゃないよ”“君の歩幅で 刻む足跡/ちゃんと見てるよ”とストレートな言葉でエールをおくり、時に大きく聞こえてしまう“心ない声”よりも自分を大切にしようと「透明クリア」では寄り添う。

また、心の成長を綴った「風に吹かれて」は“弱さを見せないことが 強さじゃないことに 気付けたんだ”と弱みを見せることへの恐怖心を優しく取り除いていく。

誰かの背中をそっと押したい──。

この熱い思いを持って、福原 遥は歌っているのだ。音楽活動の場合は、福原自身のその時々の思いや感情を聴き手にダイレクトに届けられるので、今後いっそうかけがえのない場所になっていくに違いない。

『RING³』の最後には、富田から福原へ、ありったけの気持ちをこめた手紙が贈られると、その手紙を受け取った福原の心が揺れ動き、それに対する返事で富田が感動するひと幕も…。

福原が発した普遍的な言葉と柔らかな微笑みに感動し、心動かされ、画面越しながら思わずこちらも涙が誘われたのは事実である。


福原 遥 OFFICIAL SITE
https://www.ken-on.co.jp/haruka/

『RING³』
https://youtube.com/playlist?list=PLi1F8vriz0_X0gR9JNsf-kWa5Gm64nlFS

『THE FIRST TIMES』OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCmm95wqa5BDKdpiXHUL1W6Q