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Facebook(フェイスブック)のCFOがアナリスト向けの四半期決算発表で財務の詳細を説明した後、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Facebookを「メタバース企業」にするという野望を特に強調しながら、会社の将来の目標について語った。

「私たちが目指している未来と会社全体の主要な取り組みのマッピングについてみなさんに知っていただくために、今、この話をしたいと思いました」とザッカーバーグ氏は電話で話した。「メタバースとは何か。それは、デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、その中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」と語った。

これらのコメントは、先週The Vergeに寄せられたインタビューの内容に呼応しており、同社の将来的な目標の一部を詳しく説明している。

メタバースは同社に、ムーンショットの取り組みと本業との間に一線を画す機会を与える。拡張現実や仮想現実のプラットフォームで輝きを放ちながら、モバイルかデスクトップかを問わず、親しみやすい、広範囲にわたるハブを構築する。ザッカーバーグ氏のメタバースの定義は広めだが、つまりそれはウェブページの集合体ではなく、MMO(多人数が同時にオンラインで参加するコンテンツ)のように感じられるウェブのバージョンを構築するということだ。

FacebookのHorizonプラットフォームの初期の画像。画像はFacebookより

今では考えられないが、Facebookはモバイルで遅れをとっていた。10年前、Facebookのアプリは、バグが多く、クラッシュしやすいHTML5ベースだった。大手ソフトウェアメーカーでは、スムーズなネイティブアプリが標準になりつつあったにも関わらずだ。2012年になると、Facebookの創業者であるザッカーバーグ氏は、アプリにこそ未来があり、急速に現在存在するようなものになりつつあることを認識し、同社の注意をあらゆるレベルのモバイルに向けようと奔走した。Facebookは同じ過ちを繰り返すつもりはない。その哲学は、同社が2014年に業界をリードするVRハードウェアメーカーOculus(オキュラス)を買収したときに初めて明らかになった。

「モバイルは今日のプラットフォームだが、現在、明日のプラットフォームの準備もしています」とザッカーバーグ氏は、その20億ドル(約2200億円)の買収の頃に語っていた。「Oculusには、これまでで最もソーシャルなプラットフォームを作り、私たちの仕事や遊び、コミュニケーションの方法を変えるチャンスがあります」。

「メタバース企業」になることは、この考えをさらに進化させたものだ。多くの人にとって、Roblox(ロブロックス)は今日のメタバースを最も明確に体現しているように思われる。ユーザーが仮想体験の間を行き来しながら、その中で自分自身の体験を作り出すことができるソーシャルワールドだ。仮想現実体験ではなく、主にモバイルとデスクトップで展開されている。Robloxのビジョンは投資家の共感を得た。現在は公開会社である同社の価値は450億ドル(約4兆9500億円)を超えた。これはFacebookの価値のほんの一部だが、欧米のゲーム会社のほとんどを上回っている。

Facebookはこの分野に引き続き関心を示している。2021年6月にはCraytaというRobloxに似たプラットフォームを買収し(金額非公開)、ここ数年はVRに特化したゲームスタジオを次々と買収してきた。

Facebookは独自のVR中心のソーシャルハブを構築しようとしたが、ほとんどが失敗に終わった。Facebookのメタバース的なプラットフォーム「Horizon」は、2年近く前に発表されたときには大きな注目を集めたが、静かすぎるベータ期間中、同社がこれに関して言及することはほとんどなかった。FacebookのAndrew Bosworth(アンドリュー・ボズワース)氏は今週、Instagram(インスタグラム)のVishal Shah(ビシャール・シャー)氏が率いるメタバースを中心とした新しいプロダクトグループの下、ゲーム担当VPのVivek Sharma(ヴィヴェーク・シャーマ)氏がこの取り組みを引き継ぐことを明らかにした

ARやVR企業ではなく「メタバース」企業としてリブランディングするというFacebookの選択には、非常に特別な意味がある。空間的なインターネットを実現するためには、専用のハードウェアが不可欠だと考える向きもあるかもしれない。だが、他の新しいゲームプラットフォームが大きく成長を加速させている中で、ユーザーが初期に登場したようなヘッドセットを求めていないことが次第に明らかになってきた。FacebookのQuest 2ヘッドセットは、それまでの製品よりもはるかに売れ行きが良いようだ(Facebookは販売数量を発表していない)。はっきりしないのは、このメタバースの理想を受け入れるために、Facebookグラスやヘッドセットを顔に装着したユーザーで世界がいっぱいになる必要が本当にあるのかどうか、あるいは、それは最後に添えるチェリーのようなものにすぎないのかということだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookマーク・ザッカーバーグメタバースOculus

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Lucas Matney、Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi