AMDではCES2022にてラップトップなどモバイル向けのCPUであるRyzen 6000シリーズを発表する予定となっていますが、この中で上位モデルのRyzen 9とRyzen 7に関する仕様情報とCPUパッケージの画像が出現しました。
Ryzen 6000シリーズ一部モデルの詳細が判明
AMDでは2022年1月初旬に開催するCES2022にて、Zen3+アーキテクチャーを採用するRyzen 6000シリーズの発表を行う予定です。このRyzen 6000シリーズに採用されるZen3+アーキテクチャーは現行のZen3アーキテクチャーに対して、プロセスを7nmから6nmに変更し、消費電力はそのままに、CPU性能が数%向上すると見られています。また、内蔵されるグラフィックスは従来までのVegaアーキテクチャーからRDNA2アーキテクチャーベースのものに切り替わり、グラフィックスパフォーマンスの大幅な向上が見込まれています。今回、そんなRyzen 6000シリーズの内、ゲーミングやクリエーター向けのラップトップに搭載される見込みのRyzen 6000Hシリーズの詳細について判明しました。また、これらのCPUパッケージの画像も出現しています。
Ryzen史上初、5.0GHzに達成。それ以外のCPU仕様に大きな変更なし
モデル |
アーキテクチャー |
コードネーム | コア数/スレッド数 | ベースクロック | ブーストクロック | L3キャッシュ | 内蔵グラフィックス | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 6980HX | Zen3+ | Rembrandt-H | 8コア/16スレッド | TBD | 5.00 GHz | 16MB | Radeon 680M | 45W~ |
Ryzen 9 6900HX | Zen3+ | Rembrandt-H | 8コア/16スレッド | TBD | 4.90 GHz | 16MB | Radeon 680M | 45W~ |
Ryzen 7 5800H | Zen3+ | Rembrandt-H | 8コア/16スレッド | TBD | 4.70 GHz | 16MB | Radeon 6??M | 35W~45W |
Ryzen 6000シリーズの内、Ryzen 6000HはRembrandt-Hと呼ばれているモデルでTDPが35Wを超えるモバイル向けCPUとなっています。Ryzen 9からRyzen 7までは8コア16スレッドとなっており、L3キャッシュは16MBとほとんどの仕様は現行のRyzen 5000Hシリーズと変更がありません。
一方で、動作クロックについてはベースクロックについては現時点では不明なものの、ブーストクロックはRyzen 9 6980HXが5.0GHzに達しており、この動作クロックはデスクトップ向けのRyzen含めても5.0GHzに到達するのは初めてとなっています。なお、Ryzen 9 5980HXでは最大4.8GHzのため、200MHzの向上となっています。他にもRyzen 9 6900HXやRyzen 7 6800Hについてもブーストクロックはそれぞれ4.9GHz、4.7GHzと現行の4.6GHz、4.4GHzに比べて300MHzの向上を果しており、Zen3+アーキテクチャーを採用した効果が出ているようです。
また、内蔵グラフィックスには上位モデルであるRyzen 9にはRadeon 680Mが搭載されるようです。
A total of 24 different SKU’s across two sockets pic.twitter.com/ZQtMaYW1ud
— ExecutableFix (@ExecuFix) December 31, 2021
なお、他に登場するRyzen 6000シリーズとしては上記の3モデルを含めて合計24モデルが登場すると見られています。TDPとしては28Wと今回一部紹介した45W帯の2種類のようです。
Ryzen 6000シリーズのブロックダイアグラムも出現。GPUは最大12基のCU搭載
Here’s a nice Rembrandt block diagram for everyone to look at before the end of the year 🥂 pic.twitter.com/1cdmOYidRc
— ExecutableFix (@ExecuFix) December 31, 2021
CPUやGPU関係のリークに定評があるExecutableFix氏がRyzen 6000シリーズのブロックダイアグラムを掲載しています。このブロックダイアグラムによると、メモリーはDDR5に対応する他、USB 4.0やPCIe Gen 4など最新規格に対応がされています。
また、Ryzen 6000シリーズの仕様上に出現したグラフィックスとしてRyzen 9シリーズにはRadeon 680Mグラフィックスが搭載されていましたが、ブロックダイアグラムに記載されている通り6基のWGP、Compute Unitで表すと12基搭載されると見られています。
Ryzen 6000シリーズが搭載された基板も出現。ダイサイズは大型化?
AMD Ryzen 9 6980HX next-gen “6nm Rembrandt” mobile processor pictured – VideoCardz.com
Videocardzが独自のソースよりAlienware m17 R5ゲーミングラップトップに搭載されている基板写真を入手したようですが、このゲーミングラップトップにはRyzen 9 6980HXが搭載されており、CPUパッケージの全容が捉えられています。
CPUは写真右側に搭載されており、Ryzen 6000シリーズからはパッケージが従来までのFP6からFP7に変更されています。ただし、大きさについてはFP6と同じ25 x 35mmとなっておりパッケージサイズには変更が加えられていないようです。
ただし、パッケージ内に搭載されているダイはRyzen 4000やRyzen 5000シリーズに比べて一回り大きくなっており、6nm化によるプロセス微細化がされてはいますが、最大12基のCompute Unitを搭載したRDNA2グラフィックスやDDR5対応など多くの機能を追加搭載しているため、大型化がされていると見られています。
AMDのRyzenでは5.0GHzの達成はデスクトップ向けでもまだ到達出来ていませんが、モバイル向けCPUで純正としては初めて到達するようです。アーキテクチャー面ではほとんど同じでプロセス微細化を行っているため、動作クロックを安定的に引き上げる事が実現できたのかもしれません。
また、内蔵グラフィックスについては12基のCompute Unitを搭載する方向でほぼ確実と言えそうですが、どれだけのグラフィックスパフォーマンスが実現できるのか非常に気になる所です。
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