日本政府はワクチンの公平な分配を目指す国際的な枠組み「COVAXファシリティ」を通じて、カンボジアやイランなど15か国に対して、日本で製造したアストラゼネカのワクチン合わせておよそ1100万回分を提供する方針を示していて、各国への輸送を始めています。
スリランカにはおよそ150万回分を提供する予定で、このうち最初の70万回分が31日、最大都市コロンボ近郊の空港に届きました。
スリランカでは、ことし3月まで隣国のインドからアストラゼネカのワクチンの供給を受けていましたが、その後、インドで爆発的な感染拡大が起きたことで供給が止まり、50万人以上が2回目の接種を受けられない状態が続いていることから、日本政府に提供を要請していました。
ワクチンの提供を受けてワンニアラッチ保健相は「日本政府の多大な支援がなければ実現しなかった」と述べ、感謝の意を表しました。
インド洋の要衝になっているスリランカでは、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を通じてインフラ投資を進めているほか、中国の企業が製造したワクチンおよそ1000万回分を供給して、いわゆる「ワクチン外交」を展開しています。