自民党の高村正彦前副総裁は14日、死去した海部俊樹元首相について「現実的平和主義者として、歴史の振り子を真ん中に戻すために相当の役割を果たされた」と功績をたたえた。産経新聞の取材に答えた。
海部氏は首相時代に湾岸戦争に直面し、多国籍軍を後方支援する国連平和協力法案を国会に提出したが、当時は世論の支持が十分に得られず廃案になった。高村氏は、その後自身の外相時代に成立した周辺事態法や、制定に深く関わった安全保障関連法などに「廃案になった法案の要素が相当取り入れられ、影響を受けた」と指摘した。
高村氏は昭和55年の初当選後、海部氏が所属した河本派(後に高村派)に入会した。「私は人に選挙応援を頼まなかったが、海部先生にだけは頼んだ。苦しい選挙の時、持ち前の雄弁に助けられ、1度も落選せずに済んだ」と振り返った。