東京オリンピックに出場予定だったベラルーシの陸上選手が帰国を強制されたと訴えました。亡命を希望していて、2日午後、ポーランド大使館に入りました。
2日午前に行われた女子200メートルの予選。本来出場するはずが、姿を見せなかった選手が。
「IOCに助けを求めます。圧力を受けていて、彼らは私を強制的に出国させようとしてます」
こう訴えるのは、ベラルーシのクリスチナ・チマノウスカヤ選手。経験のない4×400mリレーに出るよう指示され、それについてSNSに批判的な書き込みをしたところ、コーチから帰国するよう指示されたというのです。
1日、羽田空港で警視庁に保護を求めましたが、ベラルーシオリンピック委員会は、精神面などの状態に関する「医師の判断に基づいて、コーチが出場取りやめの決定をした」と説明しています。これについてベラルーシの反体制派の野党政治家が指摘したのは・・・
「ルカシェンコ大統領が彼女をベラルーシに帰国させると個人的に決定した」(ベラルーシ反体制派 野党政治家)
ルカシェンコ大統領は以前から、東京オリンピックでの成績が振るわないと選手らを批判。ベラルーシのスポーツメディアによりますと、チマノウスカヤ選手は帰国した場合、「投獄される可能性」があると不安を語ったということです。
そして、チマノウスカヤ選手は2日午後、都内のポーランド大使館に入りました。詳しいことは分かっていませんが、ポーランドの副外相は日本時間の2日朝、「ポーランドはチマノウスカヤ選手を助ける準備をしている」などとSNSに投稿していました。こうしたことから、チマノウスカヤ選手はポーランド大使館で亡命に向けた準備などを話し合う可能性があります。