リアルタイム3Dプラットフォームで世界をリードするユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社は、親会社であるUnityがInteractive Data Visualization社(以下、IDV)を買収したことを発表した。IDVは、建築、ゲーム、ビジュアルエフェクト、リアルタイムシミュレーション向けの植生モデリングおよび環境(=3Dモデル空間)制作に使われているSpeedTreeを開発している。Unityの長年のパートナーであるIDVの買収により、SpeedTreeをUnityのエコシステムに深く統合することが可能となり、アーティストのオーサリングワークフローと環境作成機能が大幅に強化され、業界を問わずUnityのクリエイターが抱える重要な問題、すなわちリッチな環境を迅速かつ効率的に実現する能力を解決することができる。
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■概要
Unityの研究開発部門のSVPであるラルフ・ハウワート氏は次のように述べている。「草木が生い茂る自然で有機的な環境を制作するには、コストと手間がかかるのが現状です。ディテールやリアリズムを追求すると、森はもちろん、木1本を手作業で作成するのに4ヶ月以上かかることもあります。IDVのSpeedTree製品群がUnity製品のエコシステムの一部となったことで、リアルタイムでリッチな有機的環境を作成するためのネイティブなオーサリングワークフローをクリエイターに提供できるようになります」。
SpeedTreeは現在、ゲーム業界向けの主要なフォーリッジ・ソリューション(foliage solution)に位置している。近年の人気作である『Horizon: Zero Dawn』、『Call of Duty: War Zone』、『The Witcher 3』、『Assassin’s Creed: Valhalla』、『Hitman III』、『Ghost of Tsushima』などが、SpeedTreeを環境構築のために使用している。
SpeedTreeは視覚効果の代表的なソリューションでもあり、これまでにも現代の映画への貢献が認められて映画芸術科学アカデミーからScientific and Technical Academy Awardを、テレビ業界への影響が認められてEngineering Emmy Awardを受賞している。SpeedTreeのフォーリッジ・ソリューションは、インディーズプロジェクトから2020年の最高興行収入を記録した映画まで、何百ものメジャーな映画で使用されている。
IDVの共同創立者であるクリス・キング氏は、次のように述べている。「私たちは、さまざまな業界のアーティストや開発者と直接仕事をすることで、SpeedTreeを業界標準のツールへと成長させました。これにより、リアルタイムでより大きく忠実な世界を創造するアーティストやVFXアプリケーションが直面する課題にSpeedTreeを適応・先駆けさせることができました。私たちはUnityと一緒に、あらゆるレベルのクリエイターと直接仕事をし、既存のソリューションを拡大し、新しい技術を開発しながら、リアルタイム・インタラクティブ・コンテンツの次の段階へと進んでいきたいと思います」。
SpeedTreeとUnityのユーザーは、従来のSpeedTreeとUnityの統合を含め、両サービスを通常通り利用できる。VivoxやMultiplayを含むUnityの多くの製品と同様に、SpeedTreeのツールやすぐに使えるコンテンツの広範なライブラリはエンジンに依存しないため、どのような開発環境でもクリエイターが利用できるようになっている。Unityは同社の従業員10名全員を雇用した。
将来的には、Unityのエコシステム内でのより深い統合と、両社間のより良いワークフローが期待できる。このプロセスは、Unityがリリース予定の2021.2から始まっており、SpeedTreeで生成されたアセットとUnityのスクリプタブルレンダーパイプラインや地形システムとシームレスに組み合わせて使うことが強化されている。なお、この取引は2021年7月14日に終了した。この取引の財務上および法律上の条件は開示されない。