コロナ禍以降、インスタ経由で服を買うことが増えました。毎日ストーリーに流れてくるゲリラ的なアナウンスを見て、直感と勢いに任せてポチッ!みたいな生活が長く続いたことで、気づけば以前よりも確実にワードローブが散らかっています。
夏はなんとかごまかせても秋には限界がきてしまう!ということで、今回はベーシックな定番服が多く揃う『nanamica TOKYO』へ。2021年秋冬シーズンが立ち上がったばかりという同店で、アシスタントストアマネジャー・武田さんにワードローブを“ととのえてくれる”定番アイテムを教えてもらいました。
色違いで買う人続出!リピート買いしたくなる定番チノ
ーこの企画を思いついたとき、真っ先に浮かんだのが〈ナナミカ(nanamica)〉でした。以前取材させていただいた後に購入したワイドチノがすごく調子良くて……。本当にワードローブをととのえてくれたんです。
今回お声がけいただいた時に「そうじゃないかな?」とは思いました(笑)。じゃあ、まずは定番のチノパンからですね。7月中旬に秋冬シーズンが立ち上がったばかりで、今シーズンはワイドチノ以外に、さらにワイドな2プリーツと細身のストレートの3型を展開しています。カラーは新色のブラウンに、定番のカーキ、ネイビー、ブラックの4色展開です。
ーカタログのスタイリングでも2プリーツが目につきましたが、ストレートの展開もあるんですね。最近「ボトムスのシルエットを変えたい」という声もよく聞きますし、ストレートは新鮮かも。
ワイドが全盛なので、一周まわって新しさがありますよね。立ち上がりから「このシルエット待ってました!」みたいな反応もいただいています。40〜50代くらいの常連のお客様を中心に人気が出るかと予想してたんですが、20〜30代の方からもかなり好評です。
ー武田さんが穿いてるのがストレートですか?
そうです。これは裾上げしてないんですが、ちょっと短く上げてもいいかなと。お客様と『LEON』のジャン・レノくらいの丈感も良いんじゃないって話をしてました(笑)
ーそれに黒のロングコートを合わせるわけですね(笑)。シルエット以外の素材やディテールはワイドチノと変わらないんですか?
変わらないですね。ワイドチノと同じく、素材はカバーリングコアヤーン、シルエットやスラッシュポケットなどのディテールは50年代のUSアーミーのチノがベースです。また、「UTILITY」と「SPORTS」をキーワードに、ファッションや機能性をミックスさせるのがブランドコンセプトなので、股下にはクライミングパンツなどにあるマチを入れています。
ー平面で見たときは分かりづらいですが、この股下のマチがポイントですよね。
この股下のマチはデニムやカーゴパンツなど、うちのボトムスにはほぼ入っているディテールなんです。ただ、接客で「可動域にどうのこうの〜」って言っても結局この良さは穿かないと分かりづらいんですよね。例えば、実際に穿いて自転車に乗ったら、すごく実感できると思います。
ー穿いて動くと分かりますよね。僕は朝寝坊して駅の階段を二段飛ばしで走ったときにこのディテールの良さを実感しました(笑)
(笑)。細身のストレートだとより動きやすさを実感しやすいと思います。ワイドとストレートだと穿くときの腰位置が変わるので、ストレートの方が本領を発揮するんですよね。
ー確かにジャストサイズで穿くなら試着した時点で良さを実感できそう。カラバリも多いですが、現時点での人気のカラーはどれでしょう?
立ち上がりのタイミングではブラウンがすごく動いてます。毎シーズンの傾向として、まずシーズンカラーを買って、気に入ったからもう一色買い足すみたいなお客様が多いんですよ。
ーベーシックなアイテムを何色も揃えたくなる気持ち、すごく分かります……。
皆さん何本あってもいいと思っていただけてるようで嬉しいです(笑)。初めて買うならネイビーやカーキでももちろん良いですが、ブラウンは今穿くとかなり新鮮ですよ。
ーチノでこの濃いブラウンって久々に見た気がします。ザ・秋色ですよね。
夏の気分だとブラウンって絶対に買わないじゃないですか? だけど、秋を見越した今だと気分的に全然ありだったりするのが面白いですよね(笑)
ビジネスシーンからも支持を得る、気配り上手なシャツ
ーお次の定番アイテムはシャツです。秋を見越してと考えると、シャツは絶対選択肢に上がってきますよね。
通年でチノと同仕様のカバーリングコアヤーンを使用したレギュラーカラーウィンドシャツと、コーデュラ素材のボタンダウンウィンドシャツの2つを展開しています。レギュラーカラーは速乾性が高く、ボタンダウンはコットンとコーデュラナイロンを混紡したオックスを使用しているからシャリッとしています。袖をまくったり、ショーツと合わせたりして、夏に着られるお客様も多いですね。
ーディテールは違いますが、どちらもシルエットは似ていますよね。ちょっと身幅広めでゆったりとしている。
どちらも50〜70年代のヴィンテージシャツをベースにしていて、袖幅や身幅を広く取っているのが特徴です。とはいえ着丈は長すぎず、身幅と着丈のバランスがすごく良い。他のシャツとは一味違って、尚且つカジュアルにもビジネスにも合わせられるシャツです。
ーレギュラーカラーの方はスナップボタンなんですか?
そうです。これよく見ないと分からないんですが、前立てには飾りのボタンホールが付いているんですよ。
ー本当だ。スナップに飾りのボタンホールって珍しいですね。
すごく地味だけど、これがあるとないでは第一印象が全然違うんです。ボタンホールがあるとちゃんとシャツに見えるんですよね。チープに見えないというか。他のスナップボタンのシャツにも使用しているディテールですが、お客様からもすごく好評です。
ーブランドの細かい気配りが見えますね。確かにこのディテールがないとビジネスではちょっとカジュアル過ぎるかも。ボタンダウンの方は通常のボタンですよね?
ですね。こっちは肩や袖を3本ステッチにしていて、少しワークな仕様です。着ていくうちにパッカリングが出ますし、レギュラーカラーとは縫製が違うので少し肩の落ち感なども違いますね。
ーカジュアルだけどドレスな雰囲気もありますよね。ほどよくきっちりして見える。
やっぱり、ボタンダウンというのは大きいかなと。あとは細かいですが、前立ての幅を少し細くしています。普通のワークシャツだともうちょっと太いじゃないですか? ステッチの糸の番手も変えていて、ここはドレスシャツのような仕様なんですよね。そういう細かい気遣いがビジネスシーンの方にもアプローチできている理由だと思います。
ーこういう発想はなかなか他のブランドにはないですよね。最初にビジネス用に買っていくという人がいると聞いたときは意外でしたが、納得です。
スナップボタンの飾りボタンホールや、前立ての幅やステッチも言われなければ分からないところですが、第一印象が変わる重要なポイントです。それがnanamicaが機能性にプラスして意識している部分ですね。ドレスシャツやワークシャツは持っていても、その中間のシャツを持っている人は少ない。お客様にささっているのはそういうところだと思います。
1年中使える!人気のクールマックスTシャツ
ーnanamicaって本当に定番多いですよね。だからこそお願いしたんですが、さすがに多すぎて紹介しきれません(笑)
他にTシャツ、デニム、帽子もありますし……。うちの代名詞のGORE-TEX商品もありますね(笑)。今から秋を見越して、というならループウィールのTシャツはどうでしょう? クールマックス混のTシャツです。今は一枚で着られるし、秋冬にはダウンの中に着られる方もいらっしゃいますよ。
ーお、良いですね。見た目は機能素材っぽくないのも好感です。
クラシックな見え感でクールマックスが入っているTシャツは、他にはなかなかないと思います。コットンとクールマックスの50/50の混紡糸を吊り編みでゆっくり編み下げた素材を使用しているんです。
ー吊り編み×機能素材っていうアイデアがnanamicaらしいですよね。
まあ、これも着ないと分からないアイテムではあるんですが(笑)。GORE-TEX fabricsもそうですけど、透湿性や速乾性みたいなところは本当に着ないと分からないですね。ちなみにクールマックスは「クール」に引っ張られる人も多いですが、通年でおすすめの素材です。今の時期はもちろん、冬にダウンジャケットやウールニットのインナーとして着るときにも効果を実感できると思います。
ー確かに。個人的にも冬はヒート系ではなくクール系のインナーの方が使い勝手良いんですよね。これほしいな。
僕は8枚くらい持ってます(笑)。光電子🄬素材やカバーリングコアヤーンを使用した長袖も、今後入荷するのでオススメです。
ー武田さんがめちゃくちゃヘビーユーザーでした(笑)
お客様の中にも全サイズ持っている方が何人かいらっしゃいます(笑)。ちなみにサイズはXS〜Lの展開でしたが、春からXLの展開も始まりました。
ーなるほど、用途に合わせてサイズ違いで買うって選択もあるんですね。
サイズ違いを買うのも全然ありですね。薄い生地なのでTシャツ一枚でもいけるし、シャツのインナーとして着たときももたつかないですし。良い意味で綿のガシガシさがないので、着てみるとすっごい気持ちいいですよ。見た目は地味ですが、買うと気に入っていただけるはずです(笑)
ー聞けば聞くほど、nanamicaの魅力にどっぷりハマりました。そういえば、最近は店頭に行けないお客様に向けて、電話やメールでの問い合わせも積極的に行っているんですよね。
おかげさまですごい件数のお問い合わせいただいています。今では電話の顧客様もできました(笑)
ー(笑)。電話やメールではどんな問い合わせが多いんですか?
うちは国内に4店舗、NYを含めて全5店舗あるんですけど、全てのショップのアカウントをフォローしてくださるお客様がいるんです。他のブランドだと、ルックを見て「これが欲しいです」みたいな問い合わせが多いと思うんですが、うちの場合はインスタにあげているスタッフのスタイリングを見て「福岡店のコレ見たんだけど」という電話がきたり、「NYのインスタ見て来ました」と来店する方がいたり(笑)
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ー他店の問い合わせも来るのは面白いですね(笑)。nanamicaはスナップサンプルが多いから、インスタを見ていると購買意欲がわく気持ちは分かります。
nanamicaは個の良さを大切にしているんです。ジェンダーレス、エイジレス、サイズレスみたいに、ボーダーレスすることでスタッフの個性がお客様にも届いているのだと思います。同じ店だけどみんな違うスタイリング、ただ何となくまとまりはあるみたいな。いろんなスタイルのスタッフがいるので探しやすいのかなと思います。まだの方はぜひ全店フォローしていただけると嬉しいです(笑)
nanamica TOKYO
住所:〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町12-8
TEL/FAX:03-5728-3266
営業時間:11:00 – 20:00
※新型コロナウィルス感染拡大予防の為、短縮営業をさせて頂いております。
営業時間:11:00 – 19:00
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