「ラストワンマイル」――もともとは物流用語で、品物が顧客に届く最後のステップを指す言葉だ。マーケティングにおいても、生活者が商品やサービスを選択する「最後の一押し」は重要なポイントだ。自治体に健康診断の受診率向上などの支援を行っているベンチャー企業、キャンサースキャンは、この「ラストワンマイル」を工夫することでがん検診の受診率を130倍と飛躍的に伸ばした。同社社長の福吉潤氏は、P&Gでブランドマネージャーを務め、マーケティングの技術を培ってきた。受診率低迷に悩む自治体にどのような改革をもたらしたのか。事例を交えて解説する。