【久保田勇夫の一筆両断 金融から世界が見える 日本が見える】私は1966(昭和41)年4月、大蔵省(現財務省)に入省したが、最初に配属されたのは国際金融局(現国際局)であった。翌年、オックスフォード大学に留学し、英国人にとっても大変難しいとされた試験をベースにした経済学修士号(B.phil.Economics)を日本人としては初めて取得した。指導教官はピーター・オッペンハイマーという国際金融の専門家であり、67年11月に英国がその通貨ポンドを2・8ドルから2・4ドルへ切り下げた際には、時のウィルソン政権に助言していた。