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 24日夜、東京・港区の白金高輪駅で、男が突然、男性に硫酸とみられる液体をかけた事件。男が改札口付近から男性のあとをつけていたとみられることがわかりました。男は現在も逃走中です。

 事件は24日午後9時すぎ、東京・港区にある白金高輪駅の出口付近で起きました。

記者
 「けがをされた方が運ばれて行きます。頭には包帯を巻いています」

 黒い服を着た男が突然、会社員の男性(22)の顔面に向けて液体をかけたのです。簡易鑑定によると、液体は“硫酸”だということです。

目撃者
 「私が階段を下りるときに、すごい勢いで逃げる。エスカレーターをかけあがる40~50代くらいの男がいた。液体をかけられた。ものすごく痛がってました、その男性は」

 男性は顔や肩、背中などをやけどする6か月の重傷。事件直後、男性は「目が開けられない」と話していたといいます。

記者
 「男は、この辺りで硫酸とみられる液体を振り向きざまにかけ、あちらの方向に逃げていったということです」

 警視庁が公開した犯行直前の画像。白い服を着た被害男性(22)のすぐ後ろで、男が右手に白い手袋をして小瓶のふたを開けようとしているような様子が確認できます。さらに、捜査関係者への取材で、男は改札口付近から距離をとりながら、男性のあとをつけていたとみられることが新たにわかりました。エスカレーターに乗った男は、犯行直前、急に距離を詰め、追い抜きざまに“硫酸”をかけたということです。男が使った硫酸とは、どんな液体なのか。

 鍵が付いた倉庫に保管され、手袋をつけて取り出します。

昭和大学薬学部 沼澤聡教授
 「これが硫酸になります」

 都内の大学の研究室。硫酸は鍵がついた倉庫で厳重に保管されていました。その性質を調べるため、化学繊維の布にたらしてみると、溶けて大きな穴が開きました。もし、皮膚に触れると、やけどをするといいます。硫酸は劇物に指定されていて、こちらの大学では、使用するたびにその量を記録するなど、厳重に管理しています。

昭和大学薬学部 沼澤聡教授
 「濃硫酸であれば、ちょっと付着しただけで、その部分は必ずやけどになります。ほとんどのケース、濃硫酸が付着すれば、かなり重篤なやけど状態になる」

 犯行後、地上の出口から北の方角へと向かい、電車を使って逃げたとみられる男。警視庁は、男が男性に狙いを定めて犯行に及んだ可能性もあるとみて、傷害の疑いで行方を追っています。

【情報提供】
 警視庁高輪署捜査本部
 03-3440-0110