グーグルがスマートフォンの最新モデル「Google Pixel 5a(5G)」(以下、Pixel 5a(5G))を発表しました。8月26日発売で、Google ストアでの価格は5万1700円(税込)。また、ソフトバンクでも取り扱っており、ソフトバンクオンラインショップでは6万4800円(税込)です。なお、2年後の機種変更時に端末を返却する「トクするサポート+」を利用した場合の実質負担金は3万2400円(税込)になります。
グーグルのスマホ「Pixel」シリーズにおいて、末尾に「a」が付くAシリーズは、価格重視の廉価版。Pixel 5a(5G)は、発売中のPixel 5の下位モデルにあたります。しかし、廉価版とはいえ、基本性能は上位モデルと比べて大きな差はないため、Aシリーズのコスパの高さには定評があります。そこで、まずは、既存モデルと主なスペックを比べてみました。
Pixel 5 | Pixel 5a (5G) | Pixel 4a (5G) | |
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Google ストア価格 | 7万4800円(税込) | 5万1700円(税込) | 6万500円(税込) |
ディスプレイ | 6.0インチ(2340×1080ドット) | 6.34インチ(2400×1080ドット) | 6.2インチ(2340×1080ドット) |
背面カメラ | 広角(12.2メガピクセル)+超広角(16メガピクセル) | ||
前面カメラ | 8メガピクセル | ||
プロセッサー | Snapdragon 765G | ||
メモリー(RAM) | 8GB | 6GB | |
ストレージ | 128GB | ||
バッテリー容量 | 4080mAh | 4680mAh | 3885mAh |
防塵・防水 | ○(IP68) | ○(IP67) | × |
ワイヤレス充電 | ○ | × | |
内蔵スピーカー | ステレオスピーカー | ||
イヤホンジャック | × | ○ | |
サイズ | 144.7×70.4×8.0mm | 156.2×73.2×8.8mm | 153.9×74×8.2mm |
重さ | 151g | 183g | 168g |
プロセッサーは上位モデルのPixel 5と共通で、カメラの画素数も同じ。しかも、Pixel 5よりも画面が大きかったり、バッテリー容量が多かったりというアドバンテージもあります。強いて弱点を挙げるのであれば、ワイヤレス充電が非対応であることくらいでしょうか。
従来のAシリーズ以上に、上位モデルとの差分は少ないようです。それでいて、価格はPixel 5より2万円以上安い5万1700円(税込)。では、いったいどこに差があるのか、グーグルから借りた端末をいち早く使ってみました。
有機ELの大画面6.34インチディスプレイが見やすい
まずはボディから見ていきましょう。Pixel 5a(5G)のディスプレイは、6.34インチの有機ELディスプレイで、アスペクト比は20:9。縦に長いので、ボディ幅は73.2mmに抑えられています。
Pixel 5よりもひと回り大きいうえに、重量は183gと若干重くなっていますが、片手で操作しづらいということはありません。個人的には、画面が大きくなった分、Webページの文字や映画の字幕が見やすくなったように思えました。
ディスプレイの細かいスペックを比べると、リフレッシュレートはPixel 5が最大90Hzであるのに対して、Pixel 5a(5G)は一般的な60Hz。また、画面を保護するガラスには、Pixel 5が「Gorilla Glass 6」を使っているのに対して、Pixel 5a(5G)はグレードの低い「Gorilla Glass 3」を採用しています。
電源キーや音量キー、USBポートなどの配置は、従来のPixelシリーズと同様なほか、スピーカーは上下に搭載されていて、音楽や動画の音声をステレオサウンドで楽しめます。
なお、Pixel 5と違うのは、ヘッドホンジャックを搭載している点で、有線接続のイヤホンやヘッドホンをメインで使っている人にはうれしいはず。Aシリーズならではの利点と言えるでしょう。
【Pixel 5a(5G)の外観フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。
ボディの素材にはプレミアム金属製ユニボディを用いていますが、手触りはマットでサラサラとしています。従来のAシリーズはポリカーボネートを使っていたので、見た目がややリッチになった印象です。
カラーはMostly Blackの1色で、別売りで4色の専用ケースが用意されています。その専用ケースは、頑丈な2重構造を採用しているうえ、簡単には外れないほどピタリと装着できます。保護用にケースを使うのなら、まず専用ケースから検討するのがおすすめです。
操作感はPixel 5と遜色なし、2日間の連続使用が可能なバッテリーも魅力
Pixel 5a(5G)のプロセッサーは上位モデルのPixel 5と同じSnapdragon 765G。ミドルハイ向けのスマホに搭載され、ゲームにも適しているチップです。メモリー(RAM)はPixel 5が8GBを搭載しているのに対して、Pixel 5a(5G)は6GBとやや控えめ。それでも5万円台のスマホとしては十分な容量です。
実際の使用感も、Pixel 5と比べて遜色はなく、サクサクと軽快に操作できます。この機種に限らず、Pixelシリーズのスムーズな操作性は、OSと端末を提供しているグーグルならではの、Androidに最適化されたモデルだからこそと言っていいでしょう。
バッテリーは4680mAhと、Pixel 5よりも大容量です。なお、グーグルはバッテリーセーバーを使うことで最大48時間の連続使用を見込めるとアピールしていますが、実際に、電池持ちは良い印象。通常モードでも、長時間ゲームをしたり、動画を見続けたりしないのであれば、2日間は使い続けられそうです。
デュアルカメラの画質もほとんど差はない
Pixel 5a(5G)のアウトカメラはデュアルレンズで、広角(12.2メガピクセル)+超広角(16メガピクセル)という構成。こちらもやはり、Pixel 5と同じスペックです。とはいえ、レンズの質や画像処理エンジンなど、どこかに差分があるのではないかと思い、撮影した画像を比較。しかし、ほとんど差は認められず、Pixel 5a(5G)でも非常にクリアなうえに鮮明な画質で撮影できました。
【Pixel 5の作例フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。
【Pixel 5a(5G)の作例フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。
また、「ポートレート」モードで撮影すると、背景をナチュラルにぼかすことができます。さらに、撮影後に「フォト」アプリで、ボケの度合いを変更できたり、ライティング効果を変えたりできるのも便利です。このあたりの画像処理はソフトウェア技術を培ってきたグーグルならではの特徴と言えます。
相手の名前や用件を確認できる「通話スクリーニング」や、「自動車事故検出」機能も注目
Pixelシリーズは、セキュリティに注力しているのもポイントです。Pixel 5a(5G)は、日本で今年6月から提供されている「通話スクリーニング」機能にも対応。知らない番号から着信があった場合、相手の名前や用件を確認してから、応答できます。
また、Pixel 5a(5G)の発売のタイミングで新たに「自動車事故検出」機能が提供されました。自動車事故を検出すると、アラームが鳴り、それに反応しないと自動で119に発信されるという機能です。
もちろん、これらの機能は従来のPixelシリーズでもソフトウェアのアップデートによって利用可能。Pixel 5a(5G)ならではと言うことはできませんが、Pixelシリーズの購入検討の際には注目しておきたい機能です。
コスパ重視ならPixel 5a(5G)がベストバイ
Pixel 5a(5G)のスペックは、前モデルのPixel 4a(5G)を上回ることはもちろん、上位モデルのPixel 5と比べても大きな差はありません。冒頭でも触れましたが、ワイヤレス充電が不要であれば、Pixel 5よりもPixel 5a(5G)を選んだほうが断然お得です。今まさにPixelシリーズを購入するならPixel 5a(5G)がベストバイでしょう。
ただし、さらに高いスペックを求めるのであれば、今秋の発売が予告されている最新フラッグシップ「Pixel 6」の詳細が明らかになるのを待った方がよさそうです。
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