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ワイヤレスイヤフォンで2021年に他社製品と差異化を図るには何をすべきだろうか。良いハードウェアが市場をほぼ制覇していて、答えるのがかなり難しい質問だ。筆者は2020年あたりからかれこれ10製品ほどを試した。正直なところ、それらはすべてかなりよかった。

NuraやNothingのような企業は興味深いアプローチを取っているが、スマホも販売しているハードウェアメーカーにとっては、ときに特定のモバイルデバイスにぴったりとくるものであれば十分だ。

OnePlusは、この2つの要素の間にある。同社ももちろん自前のスマホを作っているが、Samsung(サムスン)やApple(アップル)のような超大企業に近い販売台数ではない。OnePlus Buds Proも同じ路線を行っていて、自前のデバイスにぴったりくるイヤフォンだが、いくつかひねりが加わっている。競争の激しいこの分野でいくらか差異化を図る興味深い追加要素だ。

OnePlusのこの分野での現時点までの取り組みは、よく言っても例外的ではなく、悪く言えばなんともつまらない。同社がケーブルタイプの展開を経て、2020年に最終的にワイヤレス部門に参入したとき、筆者は大して感銘を受けなかった。100ドル(約1万1000円)弱というのはよかったが、ピッキングがまったくスリムではなく、おそらく3、4年前に発売できたと思わせるものだった。

画像クレジット:Brian Heater

幸いにもProはあらゆる点で改善されている。同社の共同創業者の1人がPro発売から1カ月もしなうちに独自のヘッドフォンを立ち上げたこともあり、同社にとって改善は少し安心するものに違いない。150ドル(約1万6500円)のProは同社のスタンダードイヤフォンならびにEar (1)より50ドル(約5500円)高い。しかし現在のイヤフォン業界を見渡すと、適正な価格だ。

このレビューで筆者はこのイヤフォンをOnePlusではないAndroidスマホとiPhoneで使ってみたことを記しておくべきだろう。この組み合わせではHeyMelody OnePlus / Oppoアプリの使用が必要だが、一言でいうと使わなかった。しかしいくつかの主要機能は利用できた。良好な音質が得られるよう、フィットテストがあり、そしてカスタムのサウンドプロフィールをつくることができるOnePlus Audio IDもある。

OnePlus Audio IDは、Nuraがユーザーに再生音を聴くことができるか尋ねながら、数多くの異なるトーンを通じて調整する古いタイプのサウンドテストで提供しているもののベーシックなバージョンだ。これはやや時間がかかるが、最終的には違いを生み出す。筆者が調整した後、より大きく豊かなサウンドになっていた。残念ながらそれ以上のEQカスタマイゼーションは多くない。つまり、サウンド面でベースへの過度の依存以外に不満はさほどない。

画像クレジット:Brian Heater

アプリとヘッドフォンのステム部分の両方でコントロールできるノイズキャンセリングも効果的だ。一方、ステムを長押し(3秒)するとこのイヤフォンの最もユニークな機能の1つ、Zen Mode Airが使える。どのテック企業もマインドフルネスのことを考えている時代にあって賢い機能だ。Zen Mode Airではホワイトノイズを流し込む。「Warm Sunrise」という鳥のさえずりや虫の音がする草原のようなサウンドスケープがデフォルトになっている。その他、キャンプファイヤーやビーチなど、4つのサウンドがあらかじめ用意されている。これは、筆者がこれまでに必要だと思った機能ではないが、あらゆることがストレスフルな時代、少し掘り下げてみよう。

デザイン面では、企業はこのごろ2つの選択肢のうちの1つをとっている。AirPodのようなものか、完全に異なるものだ。OnePlusが取った方向は一目でわかる。同社がレビューのために送ってきたマットブラックのペアはあまり目立たないが、白のバージョンは明白だ。マーケットリーダーであるAirPodに酷似しないよう、ステムがメタルになっているようだ。

画像クレジット:Brian Heater

快適性の観点からは、手強いものだ。筆者は長時間使用し、ランニングにも使ったがまったく不満はない。結局のところ、AirPodのデザインには何かがあるのだろう。バッテリー駆動時間は傑出していて、イヤフォン単体で5〜7時間(ANCを使用するかによる)もち、スリムケースと合わせると28〜38時間となる。ケースはワイヤレス充電に対応し、この価格ではますますユビキタスな機能だ。

OnePlusは明らかに最初に99ドル(約1万1000円)のイヤフォンを発売することで安価路線を踏襲したかった。しかしよりプレミアムなモデルで何ができるのかを示すGoogle(グーグル)のアプローチに何か感じるところがあり、安価路線から逸れたと筆者は考えている。ProはOnePlusが1年、あるいは2年前にリリースしておくべきだったヘッドフォンだという強い主張がある。しかし遅れてでも出さないよりはいい。

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画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi