アメリカで起きた同時多発テロ事件からまもなく20年となるのを前に、ニューヨーク市は、世界貿易センタービルで亡くなった2人の身元を特定したと発表しました。
ただ、犠牲者の4割に当たるおよそ1100人は今も身元が特定されておらず、遺体のDNA鑑定が続けられています。
20年前の2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件では、ハイジャックされた4機の旅客機が、ニューヨークの世界貿易センタービルや、ワシントン郊外の国防総省などに激突して、日本人24人を含む3000人近くが犠牲になり、このうち世界貿易センタービルでは2753人が死亡しました。
ニューヨーク市の検視局は7日、世界貿易センタービルで死亡した人のうち2人について、遺体の一部のDNA鑑定で身元を特定したと発表しました。
犠牲者の身元が特定されたのはおととし10月以来です。
事件から20年 約4割の身元特定されず
ただ、世界貿易センタービルでの犠牲者のうち、およそ4割にあたる1106人は、遺体の損傷が激しく、依然として身元が特定されていません。
事件からまもなく20年となりますが、ニューヨーク市の検視局は、新たな技術を導入するなどしてDNA鑑定を続けていて「どんなに時間がかかっても、われわれは決して忘れず、あらゆる方法を駆使して、犠牲者全員が家族と再会できるようにすることを誓う」としています。