麻生太郎財務相は10日の閣議後会見で、新型コロナウイルスの感染拡大について「まがりなりに収束」とした自身の発言について、「完全に収束したというんじゃなくて、そういう傾向を申し上げた」と釈明した。麻生氏の「収束発言」については、野党などから批判が出ていた。
麻生氏は7日の会見で、「(新型コロナの感染拡大は)まがりなりに収束して国際社会の中での評価は極めて高いと思う」と発言していた。10日の会見では、その真意を問われ、「私どもとしては(感染者数は)確実に減少してきているということになっているんで、そう思って収束しつつあるというものではないかと(発言した)」と説明。そのうえで、「完全に収束したというんじゃなくて、そういう傾向を申し上げた。コロナ対策はやっている真っ最中で、引き続きやっていく」と強調した。
政府は9日、19都道府県の緊急事態宣言の期限を月末まで延長することを決定。政府方針を国会に説明した同日の衆院議院運営委員会では、野党から「コロナは収束したのか」などの質問が相次ぎ、コロナ対策を担う西村康稔経済再生相が釈明に追われた。首相も同日夜の会見で「収束にはいまだ至っていない」という認識を示していた。(榊原謙)