【ワシントン=蒔田一彦】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は18日、イラン核開発の中心人物だったモフセン・ファフリザデ博士が昨年11月に暗殺された事件について、人工知能(AI)を備えた高性能なロボット兵器が使われたと報じた。
報道によると、暗殺に使われたのは機関銃を遠隔操作するロボット兵器で、標的や周囲を確認する複数のカメラを搭載し、衛星通信による誤差を補正するためにAIが使われた。移動中の車に銃弾15発を発射して暗殺に成功したが、助手席にいた妻には1発も当たらないほどの高精度だった。
暗殺計画はイスラエルの対外情報機関モサドが実施。2019年末~20年初めにモサド幹部が当時のトランプ米大統領らと会談した後に準備を始めた。米政府は計画を支持していたという。
イラン当局は当初、複数の武装集団の犯行と説明していたが、後に「無人攻撃だった」と主張を変えた。