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創業者のSomdip Dey(ソムディップ・デイ)氏がマンチェスター大学のコンピュータサイエンス修士課程に在籍していたとき、彼の両親がひどい交通事故に遭ってしまった。彼は自分の全財産をインドの両親に送金して治療費を援助したが、彼もその後、多くの人が直面する問題に直面した。もし1週間給料が支払われなかったら、どうやって食べていけばいいのだろう?

「幸い、夏休みが始まった頃だったので、多くの学生が引っ越しをしていて、多くが未開封の食べ物を文字通り捨てていました。必要としている人に利用してもらえるかもしれない廃棄物があまりにも多いことに気がついたのです」とデイ氏は回想している。

そのおかげで、彼は危機的な状況下でも、食いつなぐことができた。しかし、AI研究者であるデイ氏は、テクノロジーを使って食品廃棄物を減らし、空腹の人々に食事を提供する方法を考えるようになった。彼は修士課程を終え、エセックス大学の博士課程に進むと、共同創業者のSuman Saha(スマン・サハ)氏とともに「Nosh Technologies(ノッシュ・テクノロジーズ)」という会社を立ち上げた。

Noshのアプリは、AndroidとiOSで約1万3000人のユーザーに利用されており、ユーザーが食料品の賞味期限を記録することで、買ったものが腐る前にリマインドしてくれる。

このアプリは、AIを使ってユーザーの消費と廃棄の習慣を学習し、ユーザーが廃棄を減らして食料品店でお金を節約できるような分析レポートを毎週作成してくれる。このアプリでは、バーコードや食料品のレシートも直接スキャンすることができるが、ユーザーが手動でデータを入力することもできる。そして、ユーザーの食在庫と冷蔵庫の中身がアプリに読み込まれると、在庫を無駄にする前に使い切ることができる既存のレシピをオンラインで検索することもできる。

デイ氏は、将来的にはプレミアムサービスを提供したいと考えている。プレミアムサービスでは、家にある食材に基づいて新しいパーソナライズされたレシピを生成するAIへのアクセスが可能になる。

「現在のユーザーからは、このアプリを使うことで、無駄にしていたかもしれない毎月40~50ポンド(約6000〜7500円)近くの食料を節約できたという報告を受けています」とデイ氏はTechCrunchに語った。

Somdip Dey(ソムディップ・デイ)氏(画像クレジット:Nosh)

TechCrunch Disrupt(テッククランチ・ディスラプト)のStartup Alley(スタートアップ・アレイ)の一環として、Noshは最新の機能を発表したが、これはデイ氏の会社設立時のインスピレーションにまさに沿ったものだ。その中には、アプリと連動したブログ「Nosh Daily(ノッシュ・デイリー)」や、レストランがすぐに腐ってしまいそうな食品を割引価格で販売できる「Nosh Shop(ノッシュ・ショップ)」などが含まれる。

10%のサービス料を徴収することで、Noshは収益を上げることができる。現在、プレシード資金として3万3000ポンド(約490万円)を調達したばかりで、従業員は9名だ。デイ氏によると、このサービス料のうち、約3%が食品廃棄物対策のための慈善団体に寄付されるとのことだ。

同じくヨーロッパに拠点を置く「To Good To Go(トゥ・グッド・トゥ・ゴー)」は、Nosh Shopと同じ目標を達成するために、最近3110万ドル(約34億3700万円)を調達した。しかし、デイ氏によると、NoshはレストランがTo Good To Goよりも高い価格で食材を販売できることで差別化を図っているという。そうすれば、より良い利益が得られるので、より多くのレストランがアプリを利用する(その代わり、食品廃棄物を減らす)動機になる。To Good To Goでは食品を3分の1の価格で販売しているが、Nosh Shopでは、廃棄されようとしている食品を元の価格の70%まで値下げすることができる。

これはレストランにとっては助かるかもしれないが、割引より安い金額でその食品を買うかどうかは、消費者の判断に委ねられる。Nosh Shopは、まずイギリスの一部の地域で展開される予定だ。

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画像クレジット:Nosh

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Akihito Mizukoshi)