正直に言うと筆者は、スーパーやコンビニのビニール袋が有料化された以降も、「どうせ数円のことだから」と気にせず「袋ください」と言う派だった。小さなゴミをまとめるのに再利用もできるし。
実際、コンビニはそれでもいいと思うのだが、困るのはスーパーのセルフレジだ。有料レジ袋を買うのはともかく、アルコール除菌を重ねてカサついた指では、袋が上手く広げられないのである。指を舐めて湿らせるのは、間違いなく衛生的にアウトだし、かといって荷詰め台に設置された“指濡らし”(紙めくり)もコロナ禍の昨今、信用しづらい。
結局のところ、数円で買うペラペラのレジ袋よりも、しっかりした素材のエコバッグの方が開きやすいし、セルフレジなどでモタモタせずに済むだけ、スマートな気もしてきたのだ。ただ、携帯時にコンパクトになる(=持ち歩きやすい)エコバッグは、使用後にちまちまと小さく畳んで収納する手間が面倒くさい。後から畳まなきゃいかんのか……と想像するだけで、エコバッグを出すのが嫌になるほどに面倒。
ということで「畳まなくてもコンパクトに収納できるエコバッグ」を求めてあれこれ試してみた結果、これは! というものに行き当たった。意外にも、文房具メーカーが発売している製品なのである。
ギュッと絞って超コンパクトになるエコバッグ「エコロン」
これまでに試してみた携帯エコバッグは、「携帯時のサイズが大きすぎる」「袋として強度に不安がある(耐荷重量が低い)」などが、主な“これじゃないポイント”だった。
対して、サンスター文具のエコバッグ「ecoron」は、携帯サイズ・袋としての強度・収納のラクさの点で、なかなかに優秀なのだ。
サンスター文具
ecoron(エコロン)
スモール 1500円/レギュラー 1800円(ともに税別)
今回購入したのは、コンビニ袋にちょうどいい「スモール」と、スーパーでの買い物によさそうな「レギュラー」の2点。(他に、レジかごにスッポリ入るLサイズもある。)
どちらも携帯時はボールのように丸まっており、スモールは子ども用のゴムボールぐらい、レギュラーは野球の硬式球に近いサイズとなっている。これなら持ち歩くのに邪魔になるという感じもしないし、少し押し潰して薄くすれば、デニムのポケットにだって入るだろう。
エコバッグとして使う際は、紐の口を解いて中身を引き出すだけ。さっきまでボールの外側だった部分(=カバー)はエコバッグの底面に配置されている。
この手のコンパクト収納エコバッグは、バッグとして使うときに携帯時のカバーをどう処理するか?がポイント。特に折り込んだりひっくり返したりする手間もなく、そのまま使うことができるのは優秀だ。
耐荷重はレギュラーで約10kg、スモールで5kgとなっている。かなり薄いナイロン製だが、意外としっかり物が入るという印象だ。持ち手部分もそれなりに幅広で、重量物を入れても手に食い込まないのは、使いやすい。
つまり、エコバッグとしての使い勝手に不満はほぼない、ということだ。
逆にバッグから携帯状態に戻すには、底の方から上に向かってカバーにクシャクシャと詰めていって、最後にキュッと紐を絞ればOK。特に慣れも必要なく、誰でも6~7秒あれば元通りのボール状に戻せるだろう。
この「クシャクシャ、キュッ」で戻す手軽さは、これまであれこれ携帯エコバッグを試した中でもトップクラス。「あとで畳むの面倒だから、エコバッグ出すのやめとこう」で使うのを躊躇してしまう面倒くさがり勢(筆者含む)でも、躊躇なくレジで取り出せるはずだ。
ポリ袋をサッと開けるなら携帯すべき“紙めくり”「メクールポケット」
さて、エコバッグを常時携帯することで、荷詰めする際のモタモタは解消できたとしよう。ただそれでも、スーパーで肉や魚のパックを購入したときに汁がこぼれないように入れる、あの無料ポリ袋問題が残っている。ビニール袋よりもさらに薄くてツルツルで開けづらいのだが、とはいえエコバッグの中を汚さないためには使わざるを得ない、あの袋だ。
レジ周りで発生する作業をスマートにこなしたいなら、ポリ袋の開けづらさもスパッと解決しておくべきではないか?
プラス
メクールポケット
300円(税別)
実はこの問題も、文房具メーカーが解決してくれていた。いいぞ、文房具メーカー! プラスの「メクールポケット」は、いわゆる事務用の紙めくりクリームの小型&携帯化版である。
薄いケースをパカッと開けると、中に滑り止めクリームが入っているので、まずはそれに人差し指を軽く押しつける。あとは親指にもそれをこすりつけるように馴染ませれば、準備はOK。これだけで、さっきまでツルツルすべっていたポリ袋が、シュッと簡単に開けられるようになるのだ。
クリームには除菌成分である塩化ベンザルコニウムが配合されているため、新型コロナウイルスがクリーム上に残る心配もない(※厚生労働省のサイトにも効果の記載あり)。ただし、手指の除菌に使えるわけではないので、そこはご注意を。