もっと詳しく

2021年3月20日にコトブキヤより発売された『エースコンバット』登場のプラモデル1/144「ADFX-01。TLS(戦術レーザーシステム)パーツにLEDを搭載可能で、レーザー照射状態を表現可能な本キットのレビューをお届けします。

コードネーム“モルガン”こと「ADFX-01」は2006年発売の『エースコンバットZERO』で初登場したオリジナル機体で、ミッション17のクリア後のカットシーンとミッション18で対峙します。同機には、巨大な戦術レーザーシステムと広範囲攻撃を成り立たせるMBPMを搭載し、フランカーを彷彿とさせるような機体規模とシルエットなどから人気を持っていました。

『エースコンバットZERO』におけるADFX-01
『エースコンバット7』でのADFX-01
[embedded content]
『エースコンバット7』向けに、2019年に配信されたDLCトレイラー

緻密なモールドが目立つ「ADFX-01」

さてパッケージを開いて内部のランナーを確認しましょう。ランナーは全11枚で、胴体上面が翼端の赤(2色で表現)と裏面が塗装されている塗装済みパーツで構成。裏面の塗装済部分は、成形色に合わせて組み立てるだけでADFX-01の雰囲気を強く演出します。またこれまでのキットと同じく、パーツ同士はスナップフィットで組み立てられます。

キットをより観察してみると、上面と下面のパーツのモールドはかなり豊富で1/144スケールの航空機プラモデルにしては視覚的にかなり満足できるクオリティです(元々の『エースコンバットZERO』で登場した際でも、パネルラインやリベットが目立つ高精細なディテールを持つ機体だった)。

また過去のキットや昨年発売された1/144「ADF-11(ADFX-10)」で目立っていた裏面の合わせ目に比べて、1/144「ADFX-01」では一部モールドに沿うよう調整されているため、ある程度意識が向かないように設計されていることも見逃せません。

裏面は上面との一部合わせ目がパネルラインと重なるように調整されている

一方で、一部塗装済みモデルなため機首を取り付ければ大体イメージ通りにでき上がると思っていましたが、エアインテークやエンジンノズル、機首を取り付けてみると、どうしてもコックピット周辺にグレー塗装されていないことが気になります。

表面のモールドはこれまでのシリーズよりかなり多量で繊細

キットの組み立ても、カナードと主翼が一体化されている故にコックピット部→エアインテーク内部/外部→機首+垂直尾翼を取り付ければほぼ完成と言ってよい簡潔さ。前脚+主脚の取り付けもスナップフィットのキットとして取り外しやすくなっています。

付属武装は、標準ミサイル×2とMPBM×2、そしてTLS。『エースコンバットZERO』などで登場した作品においても目立つ形で現れる標準的な装備全てが揃っています。特にTLSは、「LED付きリチウム電池ミライト327R」を取り付けることにより、レーザーの発射演出が表現できます。

TLSの発射装置はエンジン上部に取り付ける。TLSが光るだけでも存在感が増す。
しかしながらLEDの光がプラスチックを透過してしまっている。

素組みの「ADFX-01」

さて、素組みで完成させた1/144「ADFX-01」の全体を見てみましょう。塗装済みパーツのおかげで外観は”モルガン”と認識できるほど成り立っています。しかしながら、前部に塗装が無いことから正面からみると少し物足りなさが目立ちます。デカールには、ガルム隊の1番機を表現するための機体ナンバーなどがありますが、1/144「XFA-27」のように機首塗装を補完するためのデカールかシールがあっても良かったのではないかと思えます。

キットの大きさは前作の1/144「ADF-11F(ADFX-10)」より小さいものの、1/144 F-15Eより少し大きく、モールドの細かさと合わせても価格的に4,950円(税込)とバランスが取れているようにも思えます(TLSにLEDを仕込めるギミックも合わせると、より価値は高まる)。

1/144「ADFX-01」は筆者の手に収まるぐらいの大きさ
LEDを仕込むだけでリッチさが増す
キットにクリアパーツが付属しているため、TLS発射状態を再現できる
1/144 F-15Eと比べてみると機体規模がよくわかる
1/144「ADFX-10」と比べると比較的大きいADFX-01でも巨大さが伝わる

表面を走る繊細で多量なモールドやTLSのLED搭載機能から、素組みでも想像以上にリッチな形になります。続いては「ADFX-01」の完全塗装を目指しましょう