コーディングのプロジェクトが大きくなり、参加者が増えると、プロジェクトの全体像を把握するのが困難になり、チームが分散していると特にそうなる。米国時間9月30日、開発チームを助けてコードベースの全体を理解できるようにするアーリーステージのスタートアップCodeSeeは、分散したオープンソースチームがまさにそれを行うのを支援するために設計されたオープンソースプロジェクトであるOSS Portをリリースした。
また同時に同社は、2020年調達して未発表だった300万ドル(約3億3000万円)のシードラウンドを発表した。そのラウンドはBoldstart VenturesとUncork Capitalが共同でリードし、DCVCとPrecursor VenturesおよびSalesforce Ventures、そしてさらに数名のエンジェル投資家が参加した。
全体としてCodeSeeの目標は、コードを視覚化してそれを理解できるようにすることだ。このところ開発のサイズはますます大きくなり、デベロッパーの数も増えているため、それは至難の課題だ。「CodeSeeはデベロッパーとチームがコードの構造や仕組みを深く理解するためのツールです」とCEOのShanea Leven(シャネア・リーベン)氏は語る。氏は、夫でCTOのJosh Leven(ジョシュ・リーベン)氏と一緒に同社を創業した。
CEOのリーベン氏によると、オープンソースのプロダクトから始めたのは、このようなサービスへのニーズが特に高いのはオープンソースのプロジェクトと彼らは考えているからだ。オープンソースのプロジェクトは世界中からさまざまなデベロッパーが参加し、絶えず新しい人が加わることが多いため、コードベースの全体観を持つことがとても重要だ。CodeSeeがそんなプロジェクトで役に立つなら、それはプロダクトの商用バージョンにとって概念実証になると彼女は考えている。
今回のリード投資家BoldstartのマネージングパートナーであるEd Sim(エド・シム)氏は、このコードベースを理解する能力が、開発工程から欠落している重要なピースだと見なしている。そしてそれは、有能な技術者が定着するためにも重要だと氏はいう。技術者は、コードベースを理解できないと1年後に辞めてしまうことが多いからだ。
「コードベースに早く精通できるためのツールがあって、十分に視覚化されていれば、それは開発チームに大きな価値を提供し、良質なコードを迅速に提供できるようになります。それこそが、シャネアが我々に教えてくれたことです」とシム氏はいう。
リーベン氏が夫とともに同社を立ち上げてから1年半になるが、今では10名の社員がいる。CEOのリーベン氏は黒人で、彼女の個人的な経験から、差別のない企業および企業文化を作ることが極めて重要と考えた。彼女は「いろいろなスタートアップで仕事をしたけど、今度CEOになったことの最大の喜びは、前から考えていたような、差別や格差のない企業文化を築いていけることです」という。
「私たちは完璧な比率ではありません。私たちはどのような点においても完璧ではありません。しかし、私たちは文化を日々の経験の中で必須の必要な部分として考えています。これが会社で、これがダイバーシティ&インクルージョンだというように、別々には考えていません。ダイバーシティ&インクルージョンは、私たちの会社の基本的なレベルで組み込まれています」と彼女はいう。
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同社はパンデミックの間に創業され、チームは地理的に分散しているが、現在の形は会社が成長しているときの状態だという。そして今でも考えているのは、むしろローカルなハブを複数作って、そこに従業員たちのクラスターを配置する形だ。
「最初からハブ方式で行けたかもしれないけど、今後はチームとしてそれを考え、成長を目指し、それから、みんなにとってこっちの方が良いと思われることをやっていきたい。でもそれは、子ども用のワクチンが出回ってからにしたい」。
画像クレジット:CodeSee
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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)