児童5人死傷事故初公判 「焼酎220ミリリットル飲み居眠り運転」
検察官(冒頭陳述)
「パーキングエリアで昼食をとりつつ、焼酎220ミリリットルを全て飲みきった。高速道路を走行中に蛇行。現場の120m手前で居眠りをした」
検察により次々と明かされる飲酒運転の実態。居眠りをした男が運転するトラックは時速56キロで下校途中の小学生の列に突っ込みました。
今年6月、千葉県八街市で児童2人が死亡、3人がけがをした事故。トラック運転手の梅沢洋被告(60)は酒を飲んだ上で居眠り運転し、事故を起こしたとして危険運転致死傷の罪に問われています。
午前10時から始まった初公判に、黒いスーツ姿で出廷した梅沢被告。起訴内容に間違っていることはないか問われると・・・
梅沢洋被告
「ないと思う」
検察側は冒頭陳述で、次のように指摘しました。
検察官(冒頭陳述)
「去年には酒を飲んで運転するようになった。注意を受けても聞き流していた」
さらに日常的に飲酒運転を行っていたことをうかがわせる証言も出てきました。
検察官(冒頭陳述)
「4、5年前から『酒の匂いがする』と周りから言われていた」
弁護側は起訴内容を争いませんでした。その一方で、この事故をめぐっては、通学路の安全対策の遅れが指摘されました。周辺では過去にも小学生がはねられる事故が起きていて、住民からはガードレールなどの設置を求める声があがっていましたが、八街市は設置を見送っていました。
しかし、6日朝、現場をおとずれると、真新しいガードパイプが。車が速度を落とすよう、わざと道幅を狭めたり、段差をつけたりするなどの整備も行われています。制限速度も30キロとなりました。ただ、近隣住民によると、それでも渋滞の抜け道として飛ばしていくドライバーが後を絶たないといいます。
近隣住民
「ガードレールをつけたことによって、歩行者が向こう側を通れば、事故は緩和される。(Q.車のスピードは?)白バイ隊とかが出ているときは、ゆっくり走っているけど、いないときのスピードは(事故前と)かわっていないですよ」
近隣住民
「道路も整備するのは大切ですけど、基本的には運転する人の心構えですよね」
どんなに道路が整備されてもドライバーたちが意識を変えないかぎり、子どもたちの安全は守れません。被害者家族は6日、「裁判の成り行きを見守っていきたい」とコメントしています。