マイクラの世界で「魔法が使えたらなぁ…」なんて思ったことありませんか?
例えば、クリーパーやTNTを使えば爆発させることが出来ますし、ウィッチやポーションを使えば状態異常を付与することができます。他にも、雷を落とすことだって可能です。
可能なら、やってみましょう。イ゛オ゛ナ゛ズン゛!(睡眠不足)
こちら、参考画像になります。
準備
- Minecraft Server 1.17.1 (RCON設定済み)
- Minecraft 1.17.1
- Visual Studio または Visual Studio Code
1. マイクラで爆発パーティクルを作る
TNTやクリーパーが爆発するとき、爆風のパーティクルが表示されますが、あれは単なるパーティクルで当たり判定はありません。当たり判定は小さなドット(正確にはある座標)にのみ存在しており、ある空間内におけるMobにピンポイントでダメージを与えています。
まずはパーティクル作りから始めます。(.NET 5 のコンソールアプリで作ってから、動作確認後に Functions を使用します。)
1.1 導入
このブログでは何度も紹介しているマイクラ用のパッケージを導入します。
あとは using MinecraftConnection
して MinecraftCommands
のインスタンスを生成してください。
1.2 パーティクルの発生
パーティクルを呼び出すには particle
コマンドを使用します。
particle <名前> <位置(x, y, z)> <距離(x, y, z)> <速度> <総数> <モード> <表示者>
オプション | 説明 |
---|---|
名前 | パーティクルの種類 |
位置 | パーティクルを発生させる位置(x, y, z)有効範囲は 32 まで |
距離 | 空間上の基準点(位置)との差で、大きいほど広がる |
速度 | パーティクルのアニメーション速度(爆発は大きさを表す) |
総数 | パーティクルの数 |
モード | force または normal から選択する(省略可能) |
表示者 | パーティクルを表示させるプレイヤー(省略可能) |
距離を大きくすると、パーティクルが発生する位置が広がります。逆に小さくして総数を増やすと密なパーティクルになります。
例えば、爆発のパーティクルを作るにはこのコマンドを実行します。
execute at @e[type=zombie] run particle explosion_emitter ~ ~ ~ 1 1 1 1 5
@e
でエンティティを指定しますが、[type=]
をつけることで対象を絞ることが出来ます。この例ではゾンビを対象にしているので、ワールドに存在するゾンビたちに爆発パーティクルを表示するようなコマンドになります。また、距離に関しては 1 あたり 8 ブロック分広がります。つまり、1×1×1に設定されているので体積 8 の範囲で爆発する位置がランダムに指定されます。
これを応用して、様々な敵にパーティクルを適用させるプログラムを書いてみます。
using MinecraftConnection; namespace ConsoleApps { class Program { static string address = "127.0.0.1"; static ushort port = 25575; static string pass = "minecraft"; static MinecraftCommands commands = new MinecraftCommands(address, port, pass); static void Main(string[] args) { for (int i = 0; i < 2; i++) { PrticleEntity("explosion_emitter"); commands.Wait(50); } } //敵エンティティにパーティクルを出す static void PrticleEntity(string name) { double dx = 0.5, dy = 1, dz = 0.5; double speed = 1.0; int count = 5; var Mob = new string[] { "creeper", "zombie", "skeleton", "slime", "bat", "spider", "cave_spider", "witch", "pillager" }; foreach(var type in Mob) { commands.SendCommand($"execute at @e[type={type}] run particle {name} ~ ~ ~ {dx} {dy} {dz} {speed} {count}"); } } } }
次に、プレイヤーのパーティクルを作ります。魔法を使うのならばせっかくなので、エンチャント文字となんかキラキラしたやつをつけてみましょう。
//キラキラパーティクルを出す static void PrticleComposter(int x, int y, int z) { string name = "composter"; double dx = 1.0, dy = 0, dz = 1.0; double speed = 1.0; int count = 20; commands.SendCommand($"particle {name} {x} {y} {z} {dx} {dy} {dz} {speed} {count}"); } //もやもやパーティクルを出す static void PrticleEffect(int x, int y, int z) { string name = "effect"; double dx = 0.5, dy = 0, dz = 0.5; double speed = 1.0; int count = 10; commands.SendCommand($"particle {name} {x} {y} {z} {dx} {dy} {dz} {speed} {count}"); } //エンチャントパーティクルを出す static void PrticleEnchant(int x, int y, int z) { string name = "enchant"; double dx = 1.0, dy = 0, dz = 1.0; double speed = 2.0; int count = 10; commands.SendCommand($"particle {name} {x} {y} {z} {dx} {dy} {dz} {speed} {count}"); }
これらのパーティクルはすぐに消えてしまうので、反復処理で繰り返すとそれっぽいアニメーションになります。
static void Main(string[] args) { for (int i = 0; i < 40; i++) { var data = commands.GetPlayerData("takunology"); PrticleEnchant(data.PositionX, data.PositionY, data.PositionZ); PrticleComposter(data.PositionX, data.PositionY, data.PositionZ); PrticleDust(data.PositionX, data.PositionY, data.PositionZ, 1, 0.4, 0, 1); commands.Wait(50); } }
こんな感じで呼び出すと良いかと…。
2. ダメージを与える
次に、対象のMobにダメージを与えます。ダメージを与えるには effect
コマンドの即時ダメージ効果を付与します。ただし、注意しないといけないのは、ゾンビとスケルトンは即時ダメージではなく即時回復でないとダメージを与えられません。それ以外の Mob は即時ダメージでダメージが与えられます。なので、これらを条件分岐する必要があります。
即時回復のコマンド
effect give <エンティティ> instant_health <時間> <強さ>
即時ダメージのコマンド
effect give <エンティティ> instant_damage <時間> <強さ>
いい感じにプログラムにまとめます。(コレクションではなく配列でも良かったですね。)
static void Attack() { var Mob = new string[] { "creeper", "zombie", "skeleton", "slime", "bat", "spider", "cave_spider", "witch", "pillager" }; foreach (var type in Mob) { if (type == "zombie" || type == "skeleton") { commands.SendCommand($"effect give @e[type={type}] instant_health 1 1"); } else { commands.SendCommand($"effect give @e[type={type}] instant_damage 1 1"); } } }
3. 実行結果
実行結果はツイッターに載せました。爆発のパーティクルが表示されながらMobにダメージを与えます。動画では2発目を当てているので、倒しています。なお、ウィッチはポーション回復してしまうので、なにか対策が必要ですね。ダメージ量に関しては、instant_damage
のオプションを変えることで調整可能です。
やったーマイクラでイオナズンできるぞぉ! pic.twitter.com/mqOwVFLE11
— たくのろじぃ🦑Takunology (@takunology_net) August 24, 2021
ちなみに、これに音声認識をつけて「イ゛オ゛ナ゛ズン゛!」と詠唱して魔法攻撃出来ないかを模索中です。(できたら記事にします。)
参考サイト
パーティクルの効果は色々変更できるので、参考先からご覧ください。
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