飛行機を出て通路に出た瞬間「もわっ」とした空気がまとわりついてきて、さっそく日本の夏の湿気の歓迎を受けた。
あああ。日本に帰ってきた!!
フランスでは、誰に「さよなら」を言っても寂しさを感じたり、まして泣いたりなんて一度もしなかった。
その気になれば、人にはいくらでも会えるのだ。ましてやこのインターネット社会。実際に会えなくとも互いに連絡を取り合う方法なんていくらでもある。
友人の中には、実際に近いうち、あるいは何年か先、いつになるかわからないがいつか、日本に来ると言ってくれた人もいる。
彼らが本当に日本に来たら、何を置いても駆けつけるだろう、たぶん。
昔はとても泣き虫だったけど、もはや涙も枯れ果てたのか最近では泣くことなんてほとんどない。ところが自分でも驚いたことに、飛行機が離陸した瞬間…涙が止まらなくなってしまった。
正直、ここ数年なかったぐらい泣いた。もちろん周りの目があるから声をあげてなくことはないけど、それでも嗚咽は止まらなかった。
どうやら僕は、自分でも思っていた以上に「フランス語」や「フランス人」あるいは「フランスの○○」とかそういうものではなく「フランス」そのものが好きだったらしい。
うまく言えないけれど。
自分の足元にフランスの土がもうない、という事実が、どうしようもなく悲しかった。
「心に穴が開いたよう」とはまさにこの事かと思うほど猛烈な喪失感に襲われて、離陸後しばらくは泣きながらご飯を食べたりしていた。
出発前、また飛行中の事などはまた改めて書こう。
取り急ぎ、帰還報告まで。
À BIENTÔT, LA FRANCE
お久しぶり、日本!