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昨日、宝塚大劇場で『アウグストゥスー尊厳ある者 / Cool  Beast!』が千秋楽を迎えました。

緊急事態宣言下の、無観客配信…。

たくさん振り回され、思いっきりわりを喰ってしまった公演の一つとなってしまいました。
ある意味貴重な…というには、もうこの日本を動かしている人間たちに、アントニウスのようにどんな憎しみをぶつけてよいかわからないくらいには腹立たしい思いでいっぱいだけれども、ひとまずそれは置いておきま

なぜならこの想いの行き場のない逆境のなかでも、すみれたちはそれぞれの花を大きく咲かせ、輝かせていったから。
一生をかけて臨んだ時間を共に歩いた、別れを告げるべき人が目の前にいなくとも、退団者の皆さんは自分の心を強く持ち、立派にご挨拶をして大劇場を巣立っていきました。

本当はこんなことで宝塚の生徒さんの芯の強さを知りたくはなかったよ(哭)。
そんな想いを胸に、たくさんの宝塚ファンがライブ配信の画面の前で、LVの映画館の中で、心を合わせて拍手を送り、手拍子をしたと思います。
私は自県の会場で見たけれど、惜しみない大きな拍手が起こっていましたよ…。。。( ノД`)

今回の退団者はみんな、とむさんと舞台を共にしたことのある方たちだから、感慨深さはひとしおなのですよ。
退団者のメッセージの中でも何度も何度もとむさんの名前やトップの時の作品名が出てきて、そのたびに涙があふれてあふれて。。。

あきらくんは本当に素晴らしい役者さんになりました。
舞台を観ながらなんども、月組の郷 真由加(サイコ)さんや桐 さと実(カタちゃん)さん、花組の大先輩である海峡ひろき(ミユ)さん、そして星組にいらした頃の夏美よう(ハッチ)さんを思い出すような存在感に、いま宝塚で唯一無二であり、これから先も「瀬戸かずや」としての存在が語り継がれるだろう生徒さんになったことを感じました。
サヨナラショーでは、確かに「華 優希サヨナラショー」ではあるけれど、主要な役を演じた公演のお歌を聴けたし、なによりも燕尾での真ん中を堂々と、情感たっぷりに踊り上げたことに心から感動しました。
お芝居のアントニウスの狂気も、瀬戸かずやここに在り!!!だったなあ。
この最後の役は、あきらくんが花組に遺したもの、残したいものの集大成だったのではないかしら。

あと、ご挨拶の時のお花渡し。
るなちゃんの時にイブちゃんがいらしたから、絶対あきらくんにはくみちゃんだと思ったの~~!
もうもうここでも涙腺がダム決壊のようにあふれ出したことでしたよ。
「二度とこのような景色を他の生徒が見ることのないよう…」という言葉も、「言ってくれた――――!」と思ったよ。
あなたが言わずに誰が言う!瀬戸かずや!!!さいこーーーっ!!!!

思い出の舞台は数あれど、その宝塚の生徒としての生きざまを、私は忘れません。

華ちゃん
面差しがね最初は、すみかちゃんだなあ…と思っていたら、その憑依型の芝居巧者っぷりもすみかちゃんだった(笑)
個人的には映像だけで4作しか、その主演を見ていないけれど、心をきちんと芝居として表現できる人という印象があります。
芝居はせりふの明瞭さも、心の動きの表現も、全てを伴わなければできないけれど、私は久々に「芝居だけで戦える娘役」を見た気がしましたよ。
みんなが口をそろえて言う「娘役に必要不可欠な<心映えの良さ>」は、昨今ここまで持ち合わせている人はいないのではないかと、先日見たまひろくんとほのかちゃんとのスカステの番組で見て思いました。
Twitterでは「れい華!!!」という人も多かったけど、今回の公演を見て「あ、こりゃハマるわこのコンビ」と今更ながらに気づいた私ですごめんなさい。
その根性と心映えで、たぶん誰からも愛された花は、散り際も潔く行くのでしょう。
東京公演もきっと映像で追いかけようと思います。

るなちゃん
『アンドレア・シェニエ』でのWhite Angel や、『CONGA!!』での蘭の場面を思い出深いといってくれてありがとう。(ファンとして(笑))
でも私は、とむさんと一緒に立った舞台の上のるなちゃんは全部覚えていますよ~。
一番はじめに認識したのはたぶん『落陽のパレルモ』ではなかったかな?…あれ?『LA  ESPERANZA』でも、あきらくんと一緒に舞台上にいた気がする…(笑)いた?

ご挨拶があまりにも簡潔で、それゆえに美しくて、どこにいても凛と咲いている印象のるなちゃん。
男役として妖しく、女役としてはきりりと場を占めていたそのお姿を、やっぱり最終日まで追いかけていきたいです。

こりのちゃん
『ちいさな花がひらいた』で、子役の多くが同期で、その中でもいつも手をぎゅっと握っていたところから「寂しさ」をにじませていて、それからずっと注目してた。
花組にいらした(とむさんと退団同期)の遼 かぐらさんが「りの」だったので、「こりの」と呼ばれてたんじゃなかったかな?確か。
『アンドレア・シェニエ』では弾劾裁判でシェニエを追い詰めていくシトワイエンヌのひとりだったけど、その可愛いお顔と小柄な体躯から信じられないくらいの迫力を出してて、客席で「こ、こりのちゃん、恐い…」と思ったことや、みりおくんの退団公演でストーリーテラーの一人である謎の老婆を演じてその役者根性にびっくりしたり、そのくせショーでは出すぎず引きすぎないバランスで、場を知り尽くしたお仕事をしていて(分かりにくい)、目に入るたびに驚かされる娘役さんでした。

最後のご挨拶、「悔いなし!」やら「柚香のいる花組に残ると決めた自分を褒めたい!…と本人にも言いました」やら、ウィットに富んだ名言を残してくれましたね。
東京最後の日のご挨拶では、そして舞台では、また驚かせてもらえることでしょう。
きっと画面の前で応援しているからね!

ああ、なっちちゃん(今回のお芝居のダンス!独壇場!こわかった~!あとね、『A FEALY TAIL』の空気の精が大好きだった!)や、すみなちゃん(とむさんトップのショーで人数の都合で一人だけ大階段に上がれなかったけど、とむさんがそれを気にかけててくれたんじゃなかったかな?)のことも書きたいですが、じじじじじ時間切れとなってしまいました。

今度こそ、彼らにお客様でいっぱいの劇場でご挨拶をさせてあげたい。
私たちも画面からでも真っ赤な客席を見るのは嫌です。
「負けないぞ―――――!」は今の花組さんだからいえる言葉。

だからこそ、劇場に通える皆さま!!!
どうかどうかご節制を。
あなた方のそのおしゃべりが、あなた方の愛するその舞台を、生徒さんを悲しませることになるのです。

想像力を働かせ、少しの理性を持ち、劇場に足を運んでくださることを望みます。

ともあれ

花組!さいこーーーーーーっ!
私が大好きな花組さんが、組子さんの一人一人が、悲しむことがありませんように。
また舞台(ビューイング)の客席で元気に会いましょうね!