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河野太郎議員の弟の河野二郎氏が経営している日本端子に関する疑惑について。

河野太郎、日本端子に関する噂を否定

私にお寄せいただいているご指摘・ご質問について | 衆議院議員 河野太郎公式サイト

Q,日本端子株式会社が太陽光関連のコネクタを販売している、再生可能エネルギーを推進しているのはその利益を得る為ではないか。

A,日本端子より2021年9月27日付で下記お知らせが出ております。ご覧ください。

2021年9月27日 太陽電池モジュール向け製品についてのお知らせ

中国市場において弊社及び弊社グループ会社では、太陽電池モジュール向け端子・コネクタの生産及び販売実績は操業時から一切ございません。また、中国市場以外における太陽電池モジュール向け汎用端子・コネクタの製造販売は、2015年8月を以て終了しております。

日本端子ホームページより

http://www.nt-web.jp/

つまり、太陽光関連の中国向けの販売実績はなく、そもそも製造販売自体を現在は行っていません。日本端子全体の中国向け売上は、全体の8%程度であり、その90%は中国で操業している日本企業向けです。

河野太郎議員が日本端子に関する噂を否定しました。

売上高の内訳の説明の限りでは「日本端子が対中ビジネス!」というのはほとんど的外れであると言えるでしょう。

日本端子「太陽電池モジュール向け汎用端子・コネクタの製造は終了」

日本端子と太陽光発電事業

日本端子のパンフレットには上掲画像のように「太陽光発電システム」への貢献を謳っているものがありましたが…どうやら現在は異なるようです。
※追記:上掲パンフレットは2017年以降に作成されたと思われるものがあります。そこにも太陽光発電関連の記述はあります。

コネクタと端子で未来の扉を開く日本端子魚拓

2021年9月27日 太陽電池モジュール向け製品についてのお知らせ
 中国市場において弊社及び弊社グループ会社では、太陽電池モジュール向け端子・コネクタの生産及び販売実績は操業時から一切ございません。また、中国市場以外における太陽電池モジュール向け汎用端子・コネクタの製造販売は、2015年8月を以て終了しております。

  • 中国市場での「太陽電池モジュール向け端子・コネクタの生産及び販売」は一切創業時からない
  • 中国市場以外での「太陽電池モジュール向け汎用端子・コネクタの製造販売」は、2015年8月を以て終了

日本端子が9月27日に更新したHPに、こうした説明が書かれています。

ところで、少し気になることがあります。

日本端子の関連会社ページに無い中国子会社「广州日覃贸易有限公司」

日本端子の中国子会社

日本端子の「関連会社」ページにある中国企業はHUAWEIと業務提携関係にある北京京東方科技集団股分有限公司(BOE)との合弁でできた北京日端電子有限公司(略称BNT)、独資で設立した昆山日端電子科技有限公司(略称CNT)香港日端電子有限公司(略称HNT)が記載されています。

しかし、以下の企業の記述がありません。

日本端子の中国子会社、广州日覃贸易有限公司

爱企查魚拓

广州日覃贸易有限公司という企業。前掲の香港日端电子有限公司と日本端子の合弁会社で、子会社の位置づけ。

法定代表人が「河野二郎(KONO JIRO)」となっています。

事業内容(经营范围)を見ると以下の記述が

光伏设备及元器件销售

「太陽電池関連機器および部品の販売」、とあります。

これは「太陽電池モジュール向け汎用端子・コネクタの生産及び販売」ではなく、嘘ではないのでしょう。

日本端子の「関連会社」ページに記載が無いのは設立が2017年と新しいものなので単に更新されていないだけか、香港日端電子有限公司との子会社なので重要視してないだけなのかもしれません。
(製造業HPにありがち。なお、最下部の表記は”Copyright 2010-2011…”)

ちなみに沿革ページには「中国広東省広州市に合弁会社「広州日覃貿易有限公司」を設立。」という記載があります⇒http://www.nt-web.jp/jp/company/history.html

BOEジャパンもディスプレイを扱ってるだけで日本端子と製品市場が重なっていませんから、どこで日本端子の利益が生まれるのか、いまいちよくわかりません。

コネクタや端子は原子力発電産業が盛り上がればそちらにも売れるような部品でもあるはずなので、太陽光だけに拘る必要性は無いでしょう。

追記:北京日端电子有限公司 – 产品介绍 Productsではハーネス設計加工として「太陽エネルギー等新エネルギーテクノロジー領域」も対象になっていると書かれています。

その他、河野太郎と日本端子の疑惑とされている言説

「河野太郎と日本端子のチャイナ利権だー!」と言われてる言説は他にもあります。

企業献金で利権?毎月10万円のおこづかい

河野太郎と日本端子の政治献金

自由民主党神奈川第15選挙支部平成29年分政治資金収支報告書

政治資金報告 | 衆議院議員 河野太郎公式サイト

報道にトータルの金額が載っています。

河野太郎ワクチン相 “ファミリー企業”から6700万円の献金を受けていた | 文春オンライン

6700万円はファミリー企業からの合計。

日本端子からは3000万円。

25年で、なので、1年間で120万円。

毎月10万円…あれ?大学生の子への仕送りレベル?

法人寄付|自民党を支える|一般財団法人 国民政治協会

資本金1億円の法人(10億円以下)の寄付の上限は年間750万円です。

この規制にはまったく引っかかりません。

河野太郎議員は日本端子の株式を4000株持っているようですが、それだけでは国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範 にも引っかかりません。

大臣規範は特定口座以外に就任時に保有する株式について「信託銀行等に信託する」ことと「在任期間中に契約の解約及び変更を行ってはならない」という規範があるだけ。

「合弁企業だから中国共産党とズブズブ」?

【中国】設立の為の法規制(税制) – Oceanz(オーシャンズ)

現地法人には合弁企業、合作企業、独資(独立資本100%)企業があります。 1.合弁企業  中国側と外国側の共同出資による法人 2.合作企業  中国側と外国側の共同事業で、法人格をもつ企業と持たない企業の設立を選択できます。 3.独資企業  外資企業法および実施細則に基づく外国側100%出資による法人のことです。 独資が認められていない産業は、中国が国として保護しようと考えている産業になります。例えば、自動車メーカーや自動二輪メーカー、証券会社や生命保険会社、社会インフラ関連企業などは外資独資が認められず、さらに、外資比率の上限設定、あるいは合弁企業そのものも認められない産業などもあります。

日本端子の中国現地企業は合弁企業だから中国共産党とズブズブ!」みたいな言説がネット上ではありますが、ここで日本端子の中国現地企業がどういう事業を行っているかが重要です。

日本端子は現地の日本メーカー向けの事業がほとんどということなので、中国が国として保護しようと考えてる自動車メーカーだとされれば合弁を作らざるを得ない

もちろん、社内に共産党組織が作られ、会社の経営が支配される懸念は常にある。

実際、そういう事件があった。高市早苗議員のブログや著書でも触れられている

美しく、強く、成長する国へーー私の「日本経済強靱化計画」– (WAC BUNKO) [ 高市 早苗 ]

経済安全保障の強化に向けて④:日本企業内にも設置可能な「中国共産党組織」への懸念 | 8期目の永田町から 平成29年11月~ | コラム | 高市早苗(たかいちさなえ)

 2020年には、日本企業の在中国子会社の経営判断が、企業内に設置された中国共産党組織に掌握されたことによって、日本企業が一時、上場廃止の危険に追い込まれる事態が発生した。ー省略ー
 中国に在る外資企業に関しては、2017年時点で、当時の斉玉・中央組織部副部長によると、「外資企業の70%が党組織を設置」しているということだった。ー省略ー

 2020年3月には、中国企業の東京代表処が、中国共産党の指導の下で「応対疫情工作小組」を立ち上げ、在日中国大使館に協力し、東京代表処の全社員を動員して「医療用マスク」を購入していた。

関連:チャイナ・ショック!2021:大手商社、メガバンクに100人規模で在籍していた!「中国共産党員」200万人名簿漏洩で発覚した日本の危機管理のデカい穴 | 週刊エコノミスト Online

その他、出資比率に関しては以下。

日本端子に学ぶ、中国進出企業はネットで叩かれないため何をすべきか(ITmedia ビジネスオンライン) – Yahoo!ニュース

チャイナ現地に企業があると人質にとられる?

身内に限らず、既に日本企業(丸紅とか伊藤忠とかの商社)の社員が現地でスパイ容疑などで逮捕・実刑判決・投獄されています。
(そしておそらく不当な認定)

そういう中で特別親族企業だからと言って問題視するのは、どうなのだろうか。

もちろん、理想はチャイナに企業を持たないことですが。

そして、この事実は昔からであって、なぜ河野太郎が外務大臣や防衛大臣の時代には指摘されてこなかったのだろうか?

【親族企業がチャイナに在ると総理大臣の判断に影響を与えかねないという外形的事情があり、不安が残るから】というのは理解できるとしても、それを理由に民間企業に対する根拠なき疑惑を向けて良い理由にはならない。

河野太郎議員が太陽光発電産業利権を疑われる理由

河野太郎議員が太陽光発電産業利権を疑われるのも理由があると思います。

  1. 電力政策が支離滅裂に映る
  2. 嘘つきと思われてる
  3. 従前から生業を有する者へ非常な発言

原子力発電産業を「消えゆく産業の最後のあがき」

河野太郎議員は従前から脱原発の考えを持っていました。

最近は環境省が「二酸化炭素排出46%削減」を打ち出し、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーが推進されるような説明がされました。

しかし、そのためには原子力発電所の稼働なくしては不可能です。

そうした関係で河野太郎議員の発言は支離滅裂なものに映るのですが…

合理的な思考のもとにそういう発言をしているのだとすれば、「何かある」と考えるのが通常でしょう。

かつてのリクルート事件では捜査機関が国会質疑を不審に思ったところが捜査の発端になったように、「不審な発言」というのはそういう見られ方をするものです。

これが原子力発電についてもそれなりの見識を示していれば、ここまで疑われることはなかったのではないでしょうか?

なお、脱原発を推進してはいないが、がっつりと親族企業が太陽光発電事業を行っているのが河野議員が所属する派閥の領袖である麻生太郎議員です。

https://www.aso-group.jp/group/detail.php?id=69

麻生太郎グループと太陽光発電メガソーラー (+竹中平蔵オリックス) – Togetter

自民党総裁選で麻生議員は明確に河野議員の支援を表明していませんが、同じく太陽光を規制強化しながら推進する小泉進次郎環境大臣(横須賀)が支援を表明してます。
菅総理(横浜)も河野議員(平塚)を総裁選で支援しているように神奈川で固まってるだけとも言えるが

「リプ欄に誹謗中傷だからブロック」などで嘘つきと思われてる

河野太郎議員はTwitterの使い方について「リプ欄に誹謗中傷コメントが付かないようにブロック」などと発言しています。

しかし、実際には何ら河野太郎議員のアカウントに紐づけた発信をしていなくともエゴサーチで批判的な内容(まったく誹謗中傷では無く正当な批判すら)をツイートしているアカウントを片っ端からブロックしているのは周知の事実です。

よって、「明白な嘘を平気でつく人間なんだ」と思われても仕方がない。

だから、河野議員が動画で「疑惑」を明確に否定しても、信じる人が少ないのです。

従前から生業を有する者や現場への非常な発言:ハンコ業界など

それから、従前から「生業を有する者」や「現場」を無視しているかのような非情な発言が目立ちました。つい最近では自民党部会に関して「部会でギャーギャー言うより…」などと発言してのちに撤回謝罪しました。

上掲の原子力発電産業に関する発言もそうです。

そうした発言によって無用な恨みを買っているという側面は大いにあるでしょう。

存在そのものを全否定する言動を議員が民間に対して行うという意味では、今話題の某バーチャル存在に対する話と「業界」「テクノロジー」に対する話とで同様。

その反撃として「親族企業がチャイナで存在してること」それ自体を全否定されてると考えれば、状況そのものは同情できない。

もちろんデマはダメ。別主体である製造業の会社にとってはいい迷惑だろう。

ハンコ業界に対する言動などについて以下。

河野行革担当相の押印廃止印鑑が物議「おふざけが過ぎたでは済まされない」 – SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

河野太郎に政治献金の親族企業日本端子の中国との関係まとめ

  • 「日本端子が対中ビジネスで利益!」⇒売上高の割合からすれば対現地日本企業であり、ほとんど的外れ
  • 「日本端子が太陽光推進で利益供与!」⇒太陽光発電モジュール向け汎用端子・コネクタの製造販売は終了。中国では一切行っていない
  • 「親族企業の日本端子から河野議員へ献金!」⇒大学生の子への仕送りレベルで何ら規制に引っかからない。どの議員でもあること。
  • 「日本端子は中国大手と合弁だからズブズブ!」⇒事業内容によっては合弁が強制されてるだけ。在中国外資の多くが合弁

ということで、日本端子にかけられている「疑い」は、極めて根拠が弱いです。

もっとも、河野太郎議員の発言がそうした疑いを発生させている側面があるということは決して無視できないでしょう。

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