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2021年1月1日 (金) ─
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
大晦日から元旦にかけての、あらゆる行事が密を避けるために中止となり、また政府からも静かな年末年始を要請されていることもあって、おとなしく自宅で年を越した。
この世界に入ってからは初めてだから、21年ぶりのことだと少々驚きを持って過ごした。
お年賀の挨拶でも、皆さんからは、とにかく、厳しい年だったので今年こそ良い年にしたいとの思いをたくさんいただいた。
全国民の切なる願いであろうと思う。
昨日も、昨年はコロナ禍により新たな秩序を迎えるきっかけとなって、時代の転換点に立った、と伝えたが、一方でステレオタイプの政治の転換を語るつもりは毛頭ない。
一般には、アメリカ大統領がトランプ氏からバイデン氏に代わることにより、分断から統合へと転換が進み、破壊されかけてきた民主主義を取り戻すことができる機会だ、と反トランプの米メディアはこぞって喧伝しているが、実は、そんな単純なものではないと思っている。
むしろ、トランプ大統領が実行してきた「アメリカ第一主義」の名の下での覇権放棄がいったん停止することにより、またもや軍産シンジケートが復権し、アメリカのみならず世界の秩序をその権力下に収めようとしている動きを、心から危惧する。
トランプ大統領の人格識見について、とやかく言われることもよく承知しているが、少なくとも軍産シンジケートからの脱却こそが、アメリカ・ファーストを実現する唯一の方法だとして、覇権放棄を巧みに進めてきたことは評価すべきことと思っていた。
それが、ここで、頓挫することになる。
民主党のみならず共和党も含めて、再び、軍産シンジケートに飲み込まれてしまうことの影響は、世界の安全保障環境を混沌へと導いていく可能性は高い。
先の大統領選では、米メディアの受け売りを垂れ流す日本のマスコミによって、新型コロナウイルス対策に失敗したトランプ大統領の失墜、分断・排除の政治が、統合・協調の民主主義を掲げる王道の政治に敗れたと、という構図で語られ、我が国ではそのまま鵜呑みにされている感すらある。
大統領選ではより高齢の「良質な保守」を彷彿とさせるバイデン大統領候補が、彼をサポートする女性のハリス副大統領候補と共に、米国の正当な民主勢力の勝利、をアピールしているように映るが、果たしてどうなのか?
覇権放棄からの転換が、米国経済に与える影響がどれほどあるか、ということも極めて重要な視点で、見極めなければならないと思っている。
今年の政治は、解散総選挙を控え、新型コロナウイルス対策と生活を支える経済対策が、最も重要な争点だと思っているが、こうした政策をリードするはずの菅政権は数々の失政で、軋みだしている。
一方で、日本の政治にも大きな影響を与えるアメリカがどのような方向に進むのか、無関係ではないのである。
国際社会の秩序転換が、どういう方向に向かうかを見誤ると、私たちはまた間違った方向へと向いてしまうことに、なる。
最大限の注意を払わなければならない。