アメリカのバイデン大統領はイラクに駐留するアメリカ軍の戦闘任務を年内に終える考えを明らかにしました。今後はイラク軍の訓練や支援などの任務が中心になるとしています。
アメリカのバイデン大統領は26日、イラクのカディミ首相とホワイトハウスで会談し、「戦闘任務は年内になくなるだろう」と述べイラクに駐留するアメリカ軍の戦闘任務を年内に終える考えを明らかにしました。
そのうえで「われわれのイラクでの役割は過激派組織IS=イスラミックステートに対抗するための訓練や支援となる」と述べ、今後はイラク軍の訓練や支援などの任務が中心になるとしています。
イラクに駐留するアメリカ軍をめぐっては2003年のイラク戦争の開戦後、オバマ政権のもとで一度は撤退しましたが、ISの掃討作戦などを理由に7年前から再び展開し、現在はおよそ2500人が駐留しています。
戦闘任務の終了に伴う駐留兵士の規模についてホワイトハウスのサキ報道官は「任務の内容によって決まる」と述べるにとどまり具体的な数字は示しませんでしたが、アメリカのメディアは今の時点で任務はすでに訓練や助言が中心になっていることから、大きく変化しないこともあり得ると伝えています。
バイデン大統領はアフガニスタンからアメリカ軍を8月末までに完全撤退させることにしていて、イラクへの関与も見直すことで「最大の競合国」と位置づける中国などに注力したい考えです。