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冷蔵庫に常備している食材といえば、卵。生のままTKG(卵かけご飯)で、茹でてサラダに、溶いてスープに、焼いて包んでオムレツやオムライスにと、卵を使ったレシピは本当にたくさんあります。ところが、何にでも使える便利な食材なだけに、ついつい基本をおざなりにしてしまいがち。本当は半熟卵を食べたかったのに、作ってみたら「固茹でになってしまった」など、失敗した経験を持つ人も多いはず。

 

そこで、YouTubeチャンネル『料理研究家ゆかりのおうちで簡単レシピ / Yukari’s Kitchen』が人気で、「たまごソムリエ」の資格も持つ料理研究家、ゆかりさんに、卵料理の基本を教えていただきます。第1回は、簡単そうに見えて実は奥深い「ゆで卵」。さらにアレンジレシピとして、「半熟味玉」と「半熟卵のスコッチエッグ」も教えていただきました。

 

↑料理研究家でたまごソムリエのゆかりさん

 

いつも同じゆで卵が作れない原因は?

毎回同じように作っているはずなのに、ゆで具合にばらつきが出てしまうこと、よくありますよね。このばらつきは何によってできてしまうものなのでしょうか?

「ゆで卵は水から、お湯からのどちらからでも作れますし、卵の大きさ、また卵そのものが常温か冷えているかでも、出来上がりにばらつきが生じやすいものです。いつも同じゆで卵を作れずに悩んでいる方は、知らず知らずのうちに条件が異なるレシピで作っているのかもしれません。

今回は、比較的時間による失敗の少ない『冷蔵庫で冷えているMサイズの卵を、沸騰したお湯に入れるレシピ』でご紹介します。一度に茹でる卵はMサイズ2個を想定していますが、5個以上を一度に茹でる場合、Lサイズの大きな卵を使う場合は、プラス30秒~1分多く茹でるのがおすすめです」(料理研究家・ゆかりさん、以下同)

 

おいしいゆで卵にするポイントは「ゆで時間」。
好みに合わせて変えてみよう

毎回同じゆで卵を作るために、もうひとつ大切なのが「ゆで時間」。半熟から固茹でまで、最適な時間を教えてもらいました。

 

↑茹で時間は、左上から6分・7分・8分・9分。左下から10分・11分・12分

 

「6分から12分まで、7つのゆで卵を比べてみました。すべて同条件で茹で時間だけを変えた、Mサイズの卵です。6分はトロトロとした黄身を楽しめる超半熟ですが、倍の12分茹でると、黄身は濃いオレンジ色から鮮やかな黄色になり、食べ応えのあるゆで卵になります。13分以上茹でると、黄身の周りに黒ずみができてしまうので、固茹でが好きな方は12~3分ほどで止めておくのがおすすめです

 

では、さっそくゆで方を解説していただきましょう。

 

【材料】

Mサイズの卵:2個
塩:小さじ1

 

【作り方】

1. 卵がかぶるくらいの水を鍋に入れ、沸騰させる

2. 沸騰したら、塩小さじ1を加える(塩を入れることで、急激な温度変化によって殻から白身が出てしまっても、すぐに白身が固まりやすくなる)

 

3. 冷蔵庫から取り出してすぐの卵を2個入れる(茹で始めの2~3分、卵を転がすと黄身が真ん中におさまりやすい)

 

4. 好みの茹で時間だけ、卵を茹でる(あまり強火にしすぎるとひび割れの原因になるため、ぷくぷくと小さな泡が出ているくらいの火加減にする)

 

5. 準備しておいた氷水(保冷剤でもOK)に、卵を取り出し10~15分置く(水がぬるくなったら、冷水に変えるのがおすすめ。しっかり冷やすことで、身が締まり殻もむきやすくなる)

 

6. 卵の丸いお尻部分にヒビを入れ、流水を使いながら殻をむく(半熟卵は柔らかいので、流水に優しくあてながら殻をむくのがポイント)

 

7. 半分に切る(糸を使うときれいに切れる)

 

8.器に盛り付けて、完成

 

この作り方をさらにくわしく、動画で確認したい場合は、ゆかりさんのYouTube『ゆで卵の作り方☆お湯から茹でるゆで卵!ゆで時間の徹底比較です♪』をチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=z_d_lM4PUpY

 

おいしいゆで卵の作り方がわかったところで、次のページでは少しアレンジを加え、「半熟味玉」と「スコッチエッグ」のレシピを教えていただきましょう。基本が理解できていれば、2つとも簡単に本格的な味わいを楽しめます。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

ゆで卵をひと味ちがったおいしさで楽しむには?
「半熟味玉」と「スコッチエッグ」の作り方

おいしいゆで卵の作り方がわかったところで、少しアレンジを加え、「半熟味玉」と「スコッチエッグ」のレシピを教えていただきましょう。基本が理解できていると、2つとも簡単に本格的な味わいを楽しめます。

 

3時間でできる!「半熟味玉」の作り方

“味玉”と聞くと、1~2日ほど冷蔵庫に入れておかなければいけないというイメージがありますが、今回のレシピはたったの3時間で出来上がり! 夕飯前にささっと仕込めば、家飲みのおつまみとしても楽しめます。

 

まず、なぜ3時間で仕上げられるのでしょうか?

 

「今回はたった3時間でも美味しくできる『半熟味玉』のレシピをご紹介します。3時間でOKな理由は、濃いめの漬けダレを使用しているから。もし中まで味を染み込ませたいという方は、実際に漬けダレをなめてみて『これくらいの味わいにしたい』という加減まで薄め、1日半前後漬けてみてくださいね

 

【材料(作りやすい量)】

卵(Mサイズ):4個
醤油:50ml
みりん:50ml
調理酒:25ml
乾燥昆布:5g(濡らしたキッチンペーパーで表面の汚れを拭き取る)
酢:大さじ1

 

【作り方】

1.鍋に、醤油、みりん、調理酒を入れ火にかける(中火)

 

2.沸騰したら、お酢を加え混ぜひと煮立ちしたところで火を止め、粗熱を取っておく

 

3.沸騰したお湯に塩(小さじ1)と卵を4個入れ、6分半茹でる

 

4.氷水に卵を入れ、10分ほどしっかりと冷やす

 

5.卵の丸いお尻部分にヒビを入れ、薄皮とともに殻をむく

 

6.ジッパー袋の中に、殻をむいた卵と「2」のタレ、乾燥昆布を一緒に入れる

 

7.冷蔵庫で3時間冷やす

 

8.お皿に盛り付け、お好みでブラックペッパーをかけたら完成

 

この作り方をさらにくわしく、動画で確認したい場合は、ゆかりさんのYouTube『半熟味玉の作り方☆3時間漬け込むだけの簡単味付け半熟卵レシピです♪』をチェック!
https://www.youtube.com/watch?v=1KYGnzRZlWs

 

次のページでは、揚げても黄身がトロトロな「半熟卵のスコッチエッグ」のレシピを解説していただきます。


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揚げてもトロトロ! 半熟卵の『スコッチエッグ』の作り方

ゆで卵にハンバーグ生地のような肉だねを巻き付け、油で揚げるイギリス料理のスコッチエッグ。家でもお店で出てくるような半熟卵のスコッチエッグが食べたい! そう考えている人も多いはず。あるポイントを押さえておくと、揚げてもトロトロの半熟卵のままにできるそう。どんなレシピなのか教えていただきましょう。

 

「半熟のままスコッチエッグにするためには、中に入れる半熟ゆで卵をどれだけ冷やしておいたかがポイントになります。半熟のゆで卵の殻を剥く前に、冷蔵庫で30分冷やすことで、油で上げても熱が伝わりにくくなり、半熟のままの美味しいスコッチエッグが出来上がります。肉だねにもしっかり味付けをしているので、ゆで卵の茹で時間を変更した固茹でのスコッチエッグでももちろんおいしく召し上がれます。固茹でなら、お弁当のおかずとしても喜ばれる一品になりますよ」

 

【材料(2個分)】

卵(Mサイズ):3個
合い挽き肉:120g(使うまで冷蔵庫で冷やしておくのがポイント)
玉ねぎ:1/2個
パン粉:大さじ1
牛乳:大さじ1
オイスターソース:小さじ1
おろしニンニク:小さじ1/4
サラダ油:適量
塩こしょう:適量
薄力粉:適量
パン粉(衣用):適量

 

【作り方】

1.沸騰したお湯に塩(小さじ1)を入れ、卵2個を6分半茹でる

 

2.卵を取り出し、冷水に入れたまま冷蔵庫で30分しっかり冷やす

 

3.サラダ油をひいたフライパンにみじん切りにした玉ねぎと塩こしょうを入れ、しんなりするまで炒める

 

4.パン粉に牛乳を入れ、ふやかしておく

 

5.卵1個をときほぐし、肉だね用と衣用の半分に分けておく

 

6.ゴムベラで軽くねった合い挽き肉に、「4」のパン粉、オイスターソース、にんにく、溶き卵を加え混ぜ合わせる

 

7.「6」にあら熱をとった「3」の玉ねぎを入れしっかり混ぜ合わせる

 

8.冷蔵庫から取り出した卵の殻をむき、薄力粉をまぶしておく

 

9.ラップの上に肉だねを広げ、卵を包み込む

 

10.ある程度包めたら手で形を整え、ラップを巻きなおし、冷蔵庫で30分寝かせる(寝かせることで、卵と肉だねが密着し、崩れにくくなる)

 

11.「10」を取り出し、薄力粉、卵液、パン粉の順でまぶす

 

12.170度の油で、7分転がしながら揚げる

 

13.いい焼き色になってきたら火を止め、取り出し、完成

 

この作り方をさらにくわしく、動画で確認したい場合は、ゆかりさんのYouTube『半熟卵スコッチエッグの作り方☆クリスマス料理やお弁当にもピッタリ♪』をチェック!
https://www.youtube.com/watch?v=I0-zyZlwZwo

 

茹で時間を変更するだけでさまざまな料理の幅が広がる「ゆで卵」。おつまみに最高な半熟の味玉、ホームパーティでも喜ばれるスコッチエッグと、基本を知っているとチャレンジしたくなるレシピも増えますね。基本をしっかりと身につけて、おいしい卵料理を楽しみましょう。

 

次回は「卵焼き」について、ゆかりさんに教えていただきます。

 

【プロフィール】

料理研究家 / ゆかり

調理師免許の資格を活かし、『おうちで簡単に作れるレシピ』をモットーに、YouTube・テレビ・ラジオ・雑誌・料理イベントなどを中心に活動。チャンネル登録者数45万人(10/9現在)のYouTubeチャンネル『料理研究家ゆかりのおうちで簡単レシピ / Yukari’s Kitchen』では、簡単スイーツをはじめ、和食、洋食、中華など幅広くレシピ公開。調理師免許やたまごソムリエの資格も持ち、2016年に卵料理レシピ本『たまご大好き』(アールズ出版)を出版。

料理研究家ゆかりのおうちで簡単レシピ / Yukari’s Kitchen
https://www.youtube.com/channel/UC7LT6gRahCIBd5AO5MUl8dQ