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コロナ禍で、消費者の健康志向が高まっているといわれる昨今。思い当たる人もいるでしょうし、筆者もそのひとりです。そこでいっそう注目しているのがサラダ。都内を中心に専門店も増えていますが、一歩先行くサービスを次々とリリースしているのが「クリスプ・サラダワークス」です。

 

↑「クリスプ・サラダワークス 吉祥寺店」。吉祥寺駅北口から徒歩5分ほどの場所にあり、同店を含め現在19店舗が展開されています(2021年10月時点)

 

そんな新サービスのひとつが、ファン愛用のカスタムサラダのメニュー化。この発案理由を中心に、“中の人”へインタビューを行いました。併せて、カスタムサラダの最前線をレポートします。

 

クルトンのパンは店舗で焼く。味のこだわりがスゴかった

対応してくれたのは、運営元であるCRISPの山田悠貴さん。創業メンバーのひとりで、店舗での接客から社内コンテンツの動画撮影・編集まで手広く活躍しています。「まずはサラダの概念を破る、うちのおいしさの秘密を知ってください!」ということで、ただならぬサラダへのこだわりを教えてもらいました。

 

↑山田悠貴さん。CRISPの中では“レジェンド”と言われるほど同社を知り尽くす存在とのこと

 

同社のこだわりは、野菜をはじめとする原材料の鮮度管理や調理法はもちろん、各トッピングの味付けなど随所にありました。例えば、クルトンの元となるパンは各店舗でいちから焼き、調味までしています。単体で食べさせてもらうと、硬めな食感と濃厚な味わいに驚かされました。

 

↑トッピングの一例。単品で食べても、いいおつまみになります。実はどのトッピングも別添えにしてもらえるので、ぜひ注文時にオーダーを

 

「『自家製クルトン』はサラダと混ぜてもしなしなにならないよう、硬さには徹底的にこだわっています。味付けはオリーブオイル、にんにく、こしょうの3つでシンプルながらも濃厚に。硬さと濃さで、アクセントを存分に楽しんでいただけるように仕上げています」(山田さん)

 

ほかにも、「グリルドコーン」はにんにくとキャノーラオイルで、「スパイシーブロッコリ」はシラチャ―ソース(タイ伝統のチリソース)で、「ロースト豆腐」はハードチーズのように硬い豆腐を塩こしょうとキャノーラオイルで味付けしたあと、さらにオーブンで焼いているとか。

 

「お肉も自慢のトッピングです。『グリルドチキン』は、生の鶏むね肉をオリジナルのソースでマリネしてから冷蔵庫で丸1日以上寝かせ、オーブンでじっくりと。『自家製ハム』は豚の肩ロースを約2時間煮込み、取り出してから高熱のオーブンで無駄な油を落としつつ、ローストポークのようにしっとり焼き上げます。その日使うぶんだけを毎日焼いているのもポイントですね」(山田さん)

 

↑定番のシグネチャーサラダのなかで、自家製ハムが入るメニューがこの「ダウンタウン・コブ」631kcal/1648円。写真は、自家製クルトンやブラックビーンズなどをトッピングしたものです

 

↑シグネチャーサラダのなかでも人気の「カル・メックス」459kcal/1367円に、アップルや自家製ハムなどをトッピング。自家製ハムは298円でプラスできます

ファンのお好みカスタムは味もバランスも絶品だった

今秋新たに始めた、ファン愛用のカスタムサラダのメニュー化についてもうかがいました。これは、サラダのカスタムをシェアできる同社のコミュニティアプリ「みんなのYAP!」で選ばれたカスタムサラダを、直接アプリや店頭で注文できるようにしたものです。

 

↑「みんなのYAP!」。投稿者がお気に入りのCRISPサラダのカスタムをシェアするアプリです

 

「『YAP』とはYESをカジュアルにした英語のスラングで、『いいね!』みたいな意味もあります。お客様がコミュニティ内にアップいただいた好みのカスタマイズのなかから、人気のアレンジを選び、この10月からオーダーできるようにさせていただきました。月替わりですので、11月からは次の新たなカスタムとなります」(山田さん)

 

第1弾となる10月のメニューは、ゆきーのさんという方が考案した「UFUFU」というカスタムサラダ。ベースはロメインレタスとほうれん草。トッピングはトマト、グリルドコーン、スパイシーブロッコリ、自家製クルトン、アボカド、自家製ハムとなり、ドレッシングは「バルサミックビネグレット」と「バターミルクランチ」です。

 

↑10月のオンメニュー「UFUFU」。732kcalで1635円です

 

食べてみると、まずはそのボリュームに改めて感服。食べごたえがあって、このサラダだけで十分満足できます。味のバランスもよく、葉野菜のやさしい苦みにトマトのうまみや酸味、グリルドコーンの甘み、スパイシーブロッコリのピリッと感、アボカドのマイルドなクリーミーさなどがひとつに。クルトンの香ばしさ、自家製ハムの力強いアクセントもたまりません。これはご馳走だ!

 

↑ドレッシングも絶品です。「バルサミックビネグレット」はバルサミコ酢のフルーティな酸味とハチミツの甘さが特徴。「バターミルクランチ」はサワークリーム、マヨネーズ、ヨーグルトなどが合いまったミルキーな味わい

 

「サービスをスタートさせた背景には、もっと気軽にカスタムサラダを楽しんでいただきたいという想いがあります。当店にはサラダを構成するベースが6種類、トッピングが24種類、ドレッシングは10種類あり、その組合せは約287万通り。多彩である一方、慣れていないと難しいですよね。私自身、常連の方と会話するなかで『カスタムするまで3年かかりました』という声を頂戴したこともあります。であれば、お客様のカスタム例をメニュー化することで、親しみやすくなるのでは、と考えました」(山田さん)

 

「もっと気軽にカスタムサラダを楽しんでいただきたいという想い」は、ドレッシングでも具現化されていました。それが今夏から始まった、「SOURCE EXPLORER (ソース・エクスプローラー)」。自家製ドレッシング4種をセットにした試しやすいアソートボックスで、キャラクターの異なる2タイプのセットが用意されています。

 

↑「SOURCE EXPLORER」は各500円。遊び心を閉じ込めた「PLAYFUL」(左)と、チャレンジングな「BOLD」(右)があります

 

新しい施策についてさらに話を聞くと、昨年末から法人向けサービスも始めていました。それは「CRISP BASE」という、オフィスにサラダをまとめて届けてくれるサービス。通常は350円かかる配送料が無料になり、すでに都内約80か所に配送しているのだとか。なかには三井不動産や東北新社などの大手老舗も。

 

↑配送は自社スタッフをメインに運用。そのほかUber Eatsやファインダインにも登録されています

 

「CRISP BASE」の利用企業のなかには、自社の福利厚生プログラムと連携し給与天引きできる仕組みを設けていたり、クーポンで従業員がお得に購入できる仕組みを設けていたりと、運用方法は様々。フリーライターの筆者からするとうらやましい話ですが、都心のオフィスワーカーの人には注目のサービスだといえるでしょう。

 

↑注文は既存の「CRISP APP」から従業員が各自オーダーするシステム。総務の負担がないことも、導入企業が増加しているポイントです

 

今後も攻めた取り組みを打ち出していくと山田さん。個人的には山手線の外の住宅街や郊外にもどんどん出店してほしいと思いますが、今回取材してみてサラダのおいしさ、可能性を改めて実感しました。家族やパーティでシェアしたり、サラダをヘルシーなおつまみにしたり。なにはともあれ、居住エリアに店舗がある人は「みんなのYAP!」のカスタムサラダ、ぜひお試しを!

 

 

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