2021年10月6日に上げられた記事(10月11日朝の時点では削除されていました)。
プロ野球のドラフト会議が近づいています。「ドラゴンズに入りたい!」と話す甲子園準優勝のヒーローがいます。
ドラゴンズからの指名を強く願っているのは、三重県津市出身、奈良の智弁学園高校、外野手・前川右京選手。
前川選手:「(Q.入りたい球団は?)中日です」甲子園では2本のホームランを放ち、準優勝に大きく貢献した注目のスラッガーです。
この「意中の球団を公表する」というのは地味に大問題のはずである。
例えば菅野智之のドラフト時には、「全日本大学野球連盟の規定では、ドラフト前に特定球団への入団希望の意思を表明することはできない」とスポニチが報じている。
高校生の大田泰示のドラフト時にも「『自分は選べる権利はない』と話すように、高校生は意中の球団を表明できない」とデイリーが報じている。
近年だと吉田輝星のドラフト時に以下のような記事が出ている。報道陣の質問内容がワナ以外の何物でもない(笑)。
第100回全国高校野球選手権大会で金足農を秋田県勢103年ぶりの準優勝に導いたエース、吉田輝星投手(3年)。
吉田は甲子園から秋田市内の母校に凱旋した22日、報道陣の取材に応じ、「(進路については)全く考えていない。いずれはプロ野球選手になって活躍したい」と話し、「好きなチームは?」と聞かれると、「巨人です」と即答。
「巨人に行きたいか?」と念を押されると、「はい、行きたいです」と無邪気に答えた。これに仰天したのが日本高校野球連盟。「ドラフト制度があるわけですから、選手たちには、仮にプロ志望届を提出した後であっても、特定の球団名を言うのはダメだと、各都道府県連盟を通じて通達しています。
球団ではなく、“プロ野球”というひとつの会社に就職するものと認識しています」という大義名分があるからだ。
同事務局長は「吉田君はU18アジア選手権の日本代表に選ばれていて、今月25日から合宿も始まりますから、そこで注意しようとは思っています」と明言。
もっとも、きつくお灸を据えるつもりはない。「今回は報道陣に乗せられた面もあって、思わず好きな球団を口にしてしまったと把握しています。急に注目され慣れていないところもあるでしょう。怒るつもりはありません」と理解を示す。
この件を受けてか、10月の取材では事前に”待った”がかかっている。→輝星に特定球団の質問NG 司会者に遮られ回答なし
要するに、高校生および大学生は意中の球団を表明できないルールになっているはずである。
このルールがどこに記載されているかは確証が持てないが、全日本大学野球連盟と日本高等学校野球連盟のHPには以下の規定が載っている。
第1条 以下の各項に該当するものは、大学野球部員(高等学校野球部員)としての資格を失う。従って、在学中に学校を代表するチームに加わって、試合をすることはできない。以下プロ野球団とは国内だけではなく、外国のプロ野球団をも含む。
(6) 特定のプロ野球団に入団する旨を表示したもの。
まあ、高校生の場合もう公式戦はないはずなので高等学校野球部員としての資格を失ったところでダメージはない気もするが…(大学生はドラフト直前~ドラフト後も試合があるので影響ありそう)。
今回の件に関しては学生をルール違反に導く質問をして、しかもそれを記事にするメディアが一番の悪だろう。
今年は阪神のプロ野球志望届提出前交渉もあり、ドラフト関係が全体的に緩んでいる気がするので、プロアマメディアいずれも気を引き締めて欲しい。