評価 | 3.7 |
本稿は、2021年2月26日に発売されたM-SOUNDSの完全ワイヤレスイヤホン「MS-TW11」のレビューです。先日レビューしたMS-TW22と同様に約2週間使ってみての率直な意見を記載しています。
評価
[star-list number=4.0] 3.9
本稿は、2021年2月19日に発売されたM-SOUNDSの完全ワイヤレスイヤホン「MS-TW22」のレビューです。約2週間使ってみての率直な意見を記載しています[…]
低音の量感がグンと増しており、迫力ある音を楽しみたい方にピッタリのワイヤレスイヤホンです。中高音との分離間もあり、単純な低音重視のイヤホンとは異なります。
充電ケースが縦長形状かつコンパクトなため、ジャケットやジーパンのポケットにも違和感なく入れられます。普段から鞄を持たない方でも持ち運びやすいです。
完全ワイヤレスイヤホンのなかでもトップクラスのバッテリー性能であり、1日の中でバッテリー切れになることはほとんどありません。
その他細かいレビューは以下に記載していきます。
メーカー小売価格6,300円(税抜)と同時期に発売された「TW-MS22」よりも約1000円安価であり、低音が強くバッテリーが長持ちするイヤホンをお探しの方に最適です。
製品仕様とスペック
Bluetooth | Ver.5.1 |
ドライバーサイズ | ダイナミック型 φ6mm |
周波数帯域 | 20~20,000Hz |
対応コーデック | SBC,AAC,aptX |
インピーダンス | 16Ω |
感度 | 90±3dB |
バッテリー容量 | 充電ケース:400mAh イヤホン:70mAh |
防水性能 | IP54 |
連続再生時間 | 約11時間 |
最大再生時間 充電ケース込 |
約30時間 |
充電時間 | 充電ケース:約2時間 イヤホン:約2時間 |
今回レビューするのはCobalt Blueカラーですが、以下の画像のように全部で4種類のカラーを取り揃えています。カラー違いによる性能・値段違いはありません。
イヤホンと充電ケースともに艶のある滑らかな触り心地であり、所有欲を満たしてくれます。男性が好きそうな色使い・デザインとなっています。
艶のあるデザインによりコンパクトなのに存在感たっぷりです。
パッケージと内容物
パッケージは正方形で中身が確認できます。
内容物はM-SOUNDS MS-TW11本体、充電ケース、USB-TypeCケーブル、ハイブリッドイヤーピース ショート(S/M/Lサイズ)、取扱説明書(リファレンス・クイックスタートガイド)となります。
MS-TW22同様、同梱物が故障・破損しないよう右上のスポンジでしっかり固定されていました。
M-SOUNDS MS-TW11 特徴
■タッチセンサではなくボタン操作
ちょっと触れるだけで勝手に音楽が再生/停止するタッチセンサーではなく、カチッと音がするまで押さないと反応しないボタン操作を採用。結構しっかり押すタイプのボタンです。
難点は押し込む力が強いと耳の奥を痛めてしまうことです。なるべく軽く押すクセを付けると快適に曲送りや音量調節が行えます。慣れが大事かもしれません。
■コンパクトで携帯しやすい
他のワイヤレスイヤホンの充電ケースにはない薄型でスリムな形状をしています。冒頭でも記載しましたが、洋服のポケットに入れて持ち運ぶことを想定した設計です。鞄を持ち運ばない男性は意外と多く、そういう方にこそ向いているケースだと思います。
また、充電ケース内の磁石が強く、イヤホンをそっと近付けただけで吸い込まれるように収納してくれます。落下防止目的であり、軽いイヤホンでも安心して出し入れできます。
イヤホンは片側5gであり、イヤーピースのフィット感との相乗効果で長時間着けていても耳への負担は少ないです。
■硬さの異なるイヤーピースが付属
MS-TW22と同じく、ハイブリッドイヤーピース(半透明)の高遮音性によりノイズを低減してくれます。パッシブノイズキャンセリングに優れており、音質を損ねることは勿論ありません。
一般的なアクティブノイズキャンセリング(ANC)は、イヤホン内部からノイズを打ち消す音を出すため、音質への影響が少なからず発生します。本イヤホンにANCはないですが、遮音性が良く、場所を問わずに音楽に没入できます。
イヤーピースのドームと芯部分で異なる硬さのシリコンを採用しています。ドーム部分は耳にフィットするよう柔らかめに出来ています。そして、芯部分は音の通り道になるため硬めに設定され、先端潰れによる音質劣化を防いでいます。
音質上の問題はないのですが、芯部分が結構硬く、イヤホンのボタン操作時に耳への圧迫感が強めに出てしまいます…。
■雨天時も使用可能な防水性能
こちらもMS-TW22同様、雨天時でも使える防水性能です。IP54規格を満足しており、「5」が防塵、「4」が防水性能の等級を示しています。
水飛沫には耐えられますが、直接噴流(水道水など)へは対応していないのでご注意を。ちなみに防水性能の数値「8」が最大であり完全防水となります。完全ワイヤレスイヤホンでは「4」が一番多く普及しています。
どちらにしても濡れた状態でケースにいれるとカビが発生する原因になります。軽く拭いてあげる癖をつけると故障することなく長持ちさせられます。
パフォーマンス(基本性能)
■音質
高音域 | 3.5 |
中音域 | 3.0 |
低音域 | 4.0 |
解像度 | 3.5 |
迫力 | 4.0 |
音場感 | 3.5 |
イヤホン片側5gとは思えない低音の存在感が一番の魅力でしょう。スネアドラムやバスドラムの響きがズンズン聴こえてくるので、気持ちを上げたいときに最適なイヤホンだと感じました。
高音部分も負けず劣らずであり、少しドンシャリ感のある音質に仕上がっています。ドンシャリが強すぎると不快感が発生しますが、MS-TW11は長時間聴いても疲れることのない絶妙な調整がなされています。
全体的に解像度はそこまで高くなく、前面に低音、少し後ろに中高音が存在する音場感により、一つ一つの音が聴きやすくなっています。
ドンシャリ感を楽しめる「アニソン」や「EDM」のようなジャンルと相性が良いと言えます。音質に関しては、MS-TW22と上手く差別化を図れています。(MS-TW22は、ボーカルメインの楽曲と相性が良かったです)
■遮音性
遮音性 | 4.0 |
上記で紹介したイヤーピース構造により、芯部分が硬いシリコン製のため耳との隙間ができにくく、音漏れを防止してくれます。この効果が非常に大きく、大音量で聴いていても周りに迷惑を掛けずに音楽に集中できます。
ドンシャリ+高遮音性で低音が漏れないので、本イヤホンの強みである迫力を存分に味わえます。(音量の上げ過ぎに注意しましょう)
■フィット感
フィット感 | 3.0 |
遮音性は文句なしの素晴らしさでしたが、フィット感はイマイチでした。日常使いでは問題ないですが、ランニングなどの運動時に結構ズレてしまいます。
イヤホン本体が少し大きいことが原因だと感じました。防水防塵性能が優れており、運動時こそ出番の多い完全ワイヤレスイヤホンだけに少し残念でした。イヤホンの重心がもう少しイヤーピース側にあればフィット感を改善できると思います。
もし運動時も使いたいのであればMS-TW22の方が優秀だと感じました。
あくまで運動時だけなので、通勤・通学やデスクワーク用としては申し分ないフィット感です。
■バッテリー
バッテリー | 4.5 |
完全ワイヤレスとしてはトップクラスのバッテリー性能です。イヤホン単体で連続11時間再生可能であり、長時間作業に持って来いです。実際に11時間連続で音楽を聴く場面は少ないため、バッテリー切れを経験することはありませんでした。
使い終わったら充電ケースに収めることで、自動的にイヤホンに充電されます。イヤホンとケースを合わせて最大30時間再生できます。バッテリー性能はもちろんですが、Bluetoothのバージョンが5.1に上がったことで省電力性能も向上しています。
高音質コーデック「aptX」でどのくらい連続で聴けるのか検証したところ連続8時間程度でした。公式情報(約3割減)より長めに再生できました。素晴らしいです。
(PCにaptX対応のBluetoothアダプターを付け、イヤホンとワイヤレス接続しています)
MS-TW22同様、ワイヤレス充電には対応していません。今後のM-SOUNDS製品は是非対応して頂きたいです…。
■接続安定性
接続安定性 | 4.5 |
通勤時の満員電車内で検証を実施。10回程度乗った結果、音途切れは一度も発生しませんでした。
ケースの蓋を開けるだけでペアリングできる快適さも含めて、接続安定性は非常に評価が高いです。本当に6300円なのか疑いたくなるくらい安定していました。(1万円以上でも接続が安定しない製品は結構多いです…)
Bluetoothのバージョンも5.1と新しく、高感度アンテナ搭載により混雑環境下でも安定した接続性を確保できています。
■遅延
遅延 | 3.5 |
映像と音声の遅延は少ないですが存在します。注意して聴くと感じるレベルであり、YouTubeなどの動画を流し見する程度では気になりません。iPhone、PCと接続するデバイスによる遅延の違いはなく安定して視聴できました。
ゲーム好きの私からすると、FPSや音ゲーといった音が重要なジャンルでは使えなかったです。RPGのようにまったりプレイできるゲームであれば問題なく使用できます。
評価一覧
高音域 | 3.5 |
中音域 | 3.0 |
低音域 | 4.0 |
解像度 | 3.5 |
迫力 | 4.0 |
音場感 | 3.5 |
遮音性 | 4.0 |
フィット感 | 3.0 |
バッテリー | 4.5 |
接続安定性 | 4.5 |
遅延 | 3.5 |
総合評価 | 3.7 |
まとめ
6,300円とリーズナブルなイヤホンとは思えない低音の迫力が魅力であり、バッテリーや接続安定性の評価も非常に高いです。ワイヤレスイヤホンの基本性能が高く、通勤・通学やデスクワーク用として毎日ストレスなく使いたい方にオススメできます。
音質は賛否両論分かれるドンシャリですが、低音と高音が強すぎないため、苦手な人でも不快感を感じません。ドンシャリイヤホンを試しに買ってみたい人にも向いています。
逆に運動用に購入を検討している方は、先日レビューした同じくM-SOUNDSのMS-TW22を強く推します。MS-TW11は移動時や屋内で使うと割り切っています。
充電ケースが縦長でポケットに入れやすく、強力磁石によるイヤホンの出し入れしやすさなど、細かい気遣いも素晴らしくいいです。