AMDではミドルレンジモデル向けにNavi23 GPUを搭載したRadeon RX 6600シリーズが発売されましたが、その下のレンジであるエントリーモデル向けのNavi24 GPUを搭載したRadeon RX 6000シリーズに関する情報がMoore’s Law is Deadより出現しました。
Radeon RX 6000シリーズのエントリーモデル。Navi 24の情報出現
AMDでは2020年末頃にNavi21 GPUを搭載するRadeon RX 6900 XT、RX 6800 XT/Non-XTの3種類のハイエンドグラフィックカードをリリースして以来、ミドルハイエンドであるNavi 22 GPUを搭載したRX 6700 XT、ミドルレンジ向けNavi 23 GPUを搭載したRX 6600 XT、RX 6600の順で徐々にハイエンドからエントリーに向けたグラフィックカードの発売を進めています。
そんなAMDのRadeon RX 6000シリーズですが、2022年Q1(1月~3月)にかけてエントリー向けのであるNavi 24 GPUを搭載したデスクトップ向けグラフィックカードが投入されるようで、その情報についてMoore’s Law is Deadにて語られています。
Compute UnitはRX 6600から43%減少。動作クロックは2.8GHzの可能性?
Navi 24 GPUの仕様については2021年5月頃に出現しており、Navi 24が『Beige Goby』と言うコードネームで呼ばれるほか、Compute Unit(CU)の数などについて明らかになっています。当時はこれがモバイル向けのみなのかデスクトップ向けも含まれるのかについては不明でした。
エントリーモデルのRadeon RX 6000シリーズ。Navi 24の情報出現
Oh interesting, Beige Goby appears to be Navi24.
It just has 1 SDMA engine, usually dGPUs have 2, 16MiB Infinity Cache/Last Level Cache.
128KiB L1$ is shared under 4 WGPs/8CUs.
1MB L2$.
1 Shader Engine with 2 Shader Arrays would only result in 8WGPs/16 CUs = 1024 Shader Cores. https://t.co/zJ9cbAexis— Locuza (@Locuza_) May 12, 2021
Moore’s Law is Deadによると半年以上も前の情報ではあるものの、5月に出現した仕様はそのまま引き継がれており、Navi 24 GPUではCUが16基、Stream Processors(SP)は1024基搭載されるとの事です。一方でTDPについては当初はモバイル向けでの採用を想定して75W以下を目指していたとの事でしたが、デスクトップ向けにも投入される事が決まり、TDPは120W程度を目指すように変更がされたとの事です。
このCUとSPの数はNVIDIAのGeForce RTX 3060と同等程度の性能を発揮していたRadeon RX 6600のCU28基、SP1792基からは43%減らされており性能が大きく下がる懸念はありますが、その対策としてAMDはRDNA2アーキテクチャーの限界まで動作クロックを上げる可能性があり、2.8GHzに達するかもしれないとの事です。
この動作クロックの引き上げによって、Radeon RX 6600に対して6割から7割程度の性能を実現し、GeForce GTX 1660やGeForce RTX 3050 Tiを超える性能を目指すとの事です。
高い利益率を確保のためにダイサイズ小型化。一部ハードウェアエンコーダーは排除か?
Moore’s Law is DeadではNavi 24についてはTDP 120W台のデスクトップ向けグラフィックカードが2022年Q1(1月~3月)を目標にリリースを目指しているとの事です。また、性能面ではGeForce GTX 1660とRTX 3050 Tiに対抗できるだけになるとも言われています。
そして、価格についてはAMDが仮に$200程度で販売しても十分な利益を確保できるとの事です。
この理由としてはNavi 24はNavi 23に比べてダイサイズが可能な限り小さくなるように設計されているとの事です。この小型化は主にCUの削減が大きいですが、更にはハードウェアエンコーダーの一部を取り除くなどダイサイズを小さくするために様々な工夫(or犠牲)が施されているとの事です。
これによってNavi 24のダイサイズはNavi 23の約半分程度に収まるとの事です。そのため1つのシリコンウェハーから取れるダイの数はほぼ倍になるため、材料価格や輸送コストが高騰している昨今の状況でもAMDでは今では考えられない$200程度で販売しても高い利益率を確保できる見込みでAMDとしてはエントリー向けマーケットで高いシェアを確保する作戦なのでは無いかとMoore’s Law is Deadでは推測されています。なお、$200と言う数字はAMDがその価格で売っても十分な利益を得られるという例えで使われているだけで、そんな安値で販売されるというリークはどこからも手に入れられていないとの事です。
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エントリー向けモデルについてはAMD、NVIDIA共に放置プレイが続いている状態でしたが、IntelのArc Alchemistの投入に危機感を感じ始めたのかどのメーカーもこぞって2022年Q1に向けてエントリー向けモデルを投入するようです。一般的にエントリー向けモデルは価格が低く薄利多売な売り方をしないと売上高や営業利益を伸ばせないため開発や販売に消極的になります。ただ、Intelがその隙を狙おうとしたことで寡占している2社が動きだすという構図となっているので、Intelには是非グラフィックカードでAMDやNVIDIAに危機感を覚えさせるぐらいの製品をリリースしてほしいです。また、AMDにはNVIDIAの圧倒的なシェアを適正な度合に引き戻すような製品を出してもらいたい所です。
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