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登場が度々延期されているZen3アーキテクチャーを採用するRyzen Threadripper 5000シリーズですが、その32コアモデルであるThreadripper 5975WXのベンチマークが出現しました。現行の64コアThreadripperより高速な模様です。

Zen3世代Ryzen Threadripperのベンチマーク出現

AMD Ryzen Threadripper 5975WX With 32 Zen 3 Cores Is 10% Faster Than Threadripper 3990X With 64 Zen 2 Cores (wccftech.com)

Ryzen Threadripperについては2021年10月時点で発売されているモデルはZen2アーキテクチャーを採用したモデルのみとなっており、AMDのCPUラインアップの中では唯一Zen2アーキテクチャーを採用しています。

一方でRyzen Threadripperとほとんど同じCPUであるEPYCではZen3であることからZen3世代に進化したRyzen Threadripper 5000シリーズの登場は近いと言われていますが今回、Zen3コアを搭載したRyzen Threadripper Pro 32コア版であるTR 5975WXのベンチマークが出現しました。

32コアで64コアのTR3990Xより10%高い性能を発揮

Geekbenchに出現したZen3世代Ryzen Threadripper Proは32コアを搭載したTR 5975WXとなっており、AMD Cloudripperと呼ばれるPCに搭載されているようです。名称にCloudと記載がされているため、恐らく仮想ワークステーションなどに使われる予定のものでベンチマークが計測されていると見られます。

Geekbench上で判明している仕様としてはTR 5975WXでは32コア64スレッドを搭載し、ベースの動作クロックは3.60GHz、全コアは最大で4.5GHzまでブーストされるとの事です。また、このモデルではCCDを4基搭載しておりL3キャッシュは32MB x 4で合計128MBとなっています。仕様面ではTR 3975WXまたはTR 3970に等しくなっています。

GeekbenchのスコアではTR 5975WXはシングルコアが1686pt、マルチコアが27603ptを記録しています。シングルコア性能においては同じくZen3アーキテクチャーを採用しているRyzen 9 5950Xと同等のスコアを記録しています。Zen2世代のThreadripperとの比較では、最もシングルコア性能が高いThreadripperである TR 3970X(ベース3.7GHz、ブースト4.5GHz)の1258ptから34%の向上を記録しています。

マルチコアでのスコアはTR 5975WXは32コアですが、64コアを搭載するTR 3990Xの25271ptを9%上回るスコアを記録しています。同じ32コアモデルのTR 3970Xでは22366ptである事から23%の向上となっています。

発売されるのはPROのみの模様

今回紹介したZen3世代となるRyzen Threadripper 5000シリーズについては2021年5月頃には9月発売とリークが流れましたが、その後Moore’s Law is Deadにて11月に延期されたというリークが流れて、更にその後は2022年に延期と言う流れで何度も延期が行われています。

AMD Ryzen Threadripper 5000シリーズは2022年に延期された模様 

そんなRyzen Threadripper 5000シリーズですが、リーカーであるExecutableFix氏によるとHEDT向けの無印モデルは発売がされず、ワークステーション向けの『PRO』モデルのみ発売となるとの事です。

PROモデルはHEDT向けの無印モデルに比べてメモリチャンネルやPCIe 4.0のレーン数などが倍増されている事やRDIMM、LRDIMM対応など個人向けと言うより業務用途での利用が想定されたモデルとなっています。そのため、販売価格も無印モデルに比べると1.5倍程度高価になるためRyzen Threadripper 5000シリーズは今まで以上に手の届きにくい夢のCPUとなりそうです。

Core i5-12600Kのベンチマーク出現。Ryzen 5 5600Xの2倍で5800X超え

 

性能面ではEPYCとRyzen Therdripperは似た構成であるためシングルコア性能やマルチコア性能についてはEPYC Rome(Zen2)からEPYC Milan(Zen3)に進化した時とほとんど同じ伸び幅となっています。

Ryzen Threadripperについては何度も延期されていましたが、何かしらのワークステーションに搭載された状態でベンチマークが出回るという事は発売がいよいよ近いと思っていいのかもしれません。ただ、残念なことにProモデルのみ登場となるため、現行で売られているRyzen Thredripperより最低価格は高くなることは確実と言えそうです。(Pro化以外にも半導体不足や材料価格や輸送コスト増も加味されるのでどのみち値段は大きく上がる気がしますね)

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