英国で主に大学入学の出願手続きを支援する機関Universities and Colleges Admissions Service(UCAS)は、ITベンダーInfosysとの契約を更新した。新たに結んだ契約の期間は最低でも3年だ。Infosysは2015年からUCASの技術パートナーを務めている。
Infosysとの契約更新によりUCASは、サービス全体における業務自動化や業務革新、業務効率の向上を目指す。同機関で最高業務責任者(COO)を務めるサンダー・クリステル氏は「これらは、われわれの戦略を達成するための鍵だ」と説明する。
学習者や教育機関に、大学入学に関する情報を提供するUCAS。英国大学の学部生を目指す学習者は、一般的にはUCASを通して入学を出願する。UCASの支援を得る学習者は毎年70万人ほど。Infosysが発表した2021年8月時点の予測によれば、英国大学への入学志願者は、2025年までに100万人になる見込みだ。
こうした中UCASは、同機関が提供するサービスについて、今後学習者からの需要が高まるとみる。クリステル氏は、同機関が今後提供するサービスは「例えば学習者が実習先を探す場合に、多様な選択肢が得られるようなサービスにする必要がある」と語る。Infosysとの新たな契約は、同機関が「効率的で効果的なサービスを顧客に提供し、世界中から必要とされ、競争でトップに立ち続けるための基盤となる」と同氏は説明する。
2021年8月、大学入学試験の結果発表日(Results Day)のUCASは「過去最高の忙しさ」(Infosys)だった。出願状況を確認できるUCASのサービス「Track」には150万回のログインがあり、ピーク時は1秒に2000回のログインがあった。同機関が提供する求人検索サービス「Career Finder」のページビュー(PV)は18万2126件だった。UCASの担当チームは電話やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で1万1000人以上の学習者の質問に答えた。アクセス数は、システムがこれまで経験したことがないほど多かったという。
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