THE NEW YORKERS #14: Jordan Nassar
<前編>
「クロスステッチはもしかしたら最初のピクセルのひとつ、といえるかもしれないね」、と語ったのはパレスチナ系アメリカ人アーティストのジョーダン・ナッサー。生活の隅々にまでデジタル化が浸透し、日常のスピード感はますます加速する今日、ある種、時代に逆行するようなアートを作っている。
ブルックリンのアパートの片隅にある机の上には色とりどりの刺繍糸が散らばっている。パレスチナ伝統の刺繍モチーフを使った作品は一点仕上げるのに何週間も、ときに数ヶ月もかかるものだ。
花や幾何学柄の文様はパレスチナのさまざまな地域の文化や歴史に根ざしている。その連続するパターンの一部に、まるでコピー&ペーストされたように、山の稜線や空に浮かぶ月などが挿入されている。カラフルな刺繍糸で表されたランドスケープは、コンピューターグラフィックのようにも見えてくる。
パレスチナ伝統のカラフルな刺繍糸で描くパンクな景色(前編)はByron(バイロン)で公開された投稿です。