ブガッティ シロン対ブガッティ ヴェイロン。その勝負はわずか数秒で決着がつく。ブガッティ シロンがヴェイロンを引き離す。499馬力の差がある両者だが、ブガッティ シロンは、兄のヴェイロンと比べてどれくらい速いのだろうか?
ブガッティの2台のモデル、「ヴェイロン」と「シロン」には、11年の歳月と、499馬力の差がある。それは1,000馬力を超えるスーパーカーにとっては、それほど大きな違いではないはずだが・・・。
このYouTubeの動画は、その逆を証明している。
「シロン」は兄貴分に、本当に恥をかかせる。
129km/h時から、Chironは揺るぎなく走り続ける
まずは最初から見てみよう。
YouTuberの「The Stradman」は、空港の滑走路で、「ヴェイロン(1001馬力、1250Nm)と、「シロン スポーツ(1,500馬力、1600Nm)」を競わせている。
2台のブガッティのスタートは驚くほど地味だが、時速80マイル(約129km/h)あたりから、「シロン」がリードを奪い、徐々にヴェイロンは追いつけなくなっていく。
ドライバーもそれに気づいている。
時速200kmに達した時点で、彼は「シロンが消えた、消えた!」と叫ぶ。
時速160マイル(約257km/h)になると、ライバルの姿は、地平線上に浮かぶ塵のようにしか見えなくなる。
ヴェイロンはさらに加速して、309km/hに達したところでドライバーは減速してしまい、シロンに追いつける可能性はまったくない。
2台のスーパースポーツカーのデータシートを比較してみると、それも頷ける。
0から100km/hまでの加速では、両モデルは、それでもまだかなり接近しているが(ヴェイロン: 2.5秒、シロン スポーツ: 2.4秒)、0から200km/hまでの加速では、「シロン」は6.1秒しか必要とせず、「ヴェイロン」よりも1.2秒(!)も速いのだ。
両モデルが停止状態から300km/hまで走るのに必要な時間を見てみると、さらに明確になる。
旧型の「ヴェイロン」が16.7秒であるのに対し、「シロン」は13.1秒と、3.6秒も速いのだ。
3.6秒がどれだけ大きな“差”なのかは動画が教えてくれる。
※以下、6分57秒間のYouTubeビデオ動画でその様子をお楽しみください。
「ヴェイロン」が発表された時に、1000馬力、400kmの最高速度、という部分に驚き、もうこれ以上の性能など出てこないだろう、と思っていたはずなのに、今や「シロン」は、パワー5割増しの1500馬力となっている。
これほどのパワーなど必要ないことは明らかであっても、ウルトラスーパースポーツカーの世界では、常にマシマシされていかなくてはいけない数値なのであろう。
今回のビデオ動画でも、しっかりとその部分は証明されているし、「シロン」の速さは圧倒的だ。もちろん「ヴェイロン」だって一般的には反則行為のように速いのだが。
それにしてもこういう比較テストをするためには、飛行場でも貸し切りにしなくてはいけないだろうし、ちょっとやそっとの根性ではできない行為だろう。
「ヴェイロン」と「シロン」を2台用意することも大変ではあるが、場所の確保はその数倍も難しいことなのである。
Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: @Youtube/TheStradman