Rivian(リビアン)が新規株式公開の際に提出したForm S-1証券登録届出書には、このEV企業の「礎となる複数の投資家」が、IPO価格で最大50億ドル(約5700億円)相当の同社の株を購入することに「興味を示している」という記述があった。その投資家の中にはAmazon(アマゾン)も含まれていたが、この電子商取引の巨大企業は米国時間11月12日午後にその引き金を引いたようだ。
最近提出されたForm 4書類によると、AmazonはRivianの株式を1株あたり78ドル(約8900円)のIPO価格で約2億ドル(約228億円)分購入したとのこと。この買い付けは、合計で256万4102株となり、目標金額である2億ドルちょうどをほんの少しだけ下回るものだった。
これでAmazonは現在、Rivianの株式を1億5836万3834株所有していることになる。これは同日の終値である1株あたり129.95ドル(約1万4800円)で計算すると、205億7938万228.3ドル(約2兆3446億円)の価値がある。Amazonは今回、Rivianの株式を購入するために、1株あたりわずか78ドルを支払っただけなので、同社はこの買い付けによってすでに1億3300万ドル(151億5000万円)以上のアップサイドを得たことになる。
直近にAmazonがIPO価格で購入したRivianの株は、IPO前に保有していたさまざまな株式やワラントが、上場後にクラスA株に変換されたことを考慮すると、アマゾンが保有するRivianの総株式数のわずか1.6%に過ぎない。IPO前の所有権も含めると、Amazonは現在、Rivianの約22%を所有していることになる。
RivianのIPOは、このEV企業にとって大規模な資金調達となり、その時価総額を成層圏まで押し上げる大成功のイベントとなった。例えば、Yahoo Finance(ヤフーファイナンス)によると、先週の取引終了時点で、Rivianの時価総額は1270億ドル(約14兆4700億円)を超えている。
第3四半期にRivianが製造した電気自動車の台数がわずか12台であったことを考えると、同社には製造台数あたり100億ドル以上の価値があることになる。今後はこの比率も下がるだろうが、しかしこのことは、Rivianの評価が過去の実績ではなく、いかに将来の成果に基づくものであるかを強調している。
画像クレジット:Kirsten Korosec
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hirokazu Kusakabe)