この記事は Chrome チーム、デベロッパー アドボケート、Eiji Kitamura による Chromium Blog の記事 “Sunsetting the ‘basic-card’ payment method in the Payment Request API” を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Payment Request API は推奨が近いウェブ標準であり、ウェブ デベロッパーが手間のかからない安全な支払いフローを簡単に構築できるようにすることを目的としています。ブラウザは、販売者のウェブサイトと「支払いハンドラ」との間のフローを容易にします。支払いハンドラは、ブラウザ、ユーザーのモバイル デバイスにインストールされたネイティブ アプリ、またはプログレッシブ ウェブアプリに組み込むことができます。現在、デベロッパーは Payment Request API を使用して、ほとんどのプラットフォームの Chrome で利用できる “basic-card” や Google Pay、Safari の Apple Pay、Google Play での Digital Goods API、Chrome の Secure Payment Confirmation など、いくつかの支払い方法にアクセスできます。
Google は昨年の初めに、iOS 版 Chrome に加えて、他のプラットフォームでも “basic-card” 支払いハンドラのサポートを終了する予定であることを発表しました。通常、ブラウザに組み込まれている支払い方法である “basic-card” は、クレジット カード番号を覚えたり、手動で入力したりすることなく、その番号を簡単に入力できるようにします。この支払い方法は、フォームベースのクレジット カード支払いからアプリベースのトークン化されたカード支払いへの移行をスムーズにするために設計されました。Web Payments WG は、アプリベースの支払いを促進する(また、その他のいくつかの理由で)という目標を達成するために、“basic-card” を仕様から削除することを決定しました。
Chrome バージョン 96 以降で “basic-card” 支払い方法が使われると、DevTools コンソールに警告メッセージが表示されます(レポーティング API のレポートも作成されます)。バージョン 100 では、”basic-card” 支払い方法が利用できなくなり、他の使用可能な支払い方法が指定されていない限り、canMakePayment()
は false
を返します。これは、Android、macOS、Windows、Linux、Chrome OS など、すべてのプラットフォームに適用されます。
Payment Request API で “basic-card” 支払いハンドラを使用している場合は、この支払いハンドラをできるだけ早く削除して、Google Pay や Samsung Pay などの代替支払い方法を使用することをおすすめします。
Reviewed by Eiji Kitamura – Developer Relations Team